ちょっと前に「王虎のことを赤軍側ではパンターの新型だと認識していた」って話がありましたけど、よくよく考えてみると王虎とパンターではそもそもどういう違いがあるんでしょうね?主砲、装甲厚、砲塔形状なんかは顕著に違いますけど、逆に機関はほぼ同じだし、砲塔リング径とかの違いはあるのか?
2015-07-03 02:10:05@Jagdchiha あの車体デザイン自体はMAN社の独創なのか兵器局が策定したのか?その上でパンターⅡとvk4503の車体デザインの相互関係にどのような流れがあったのか気になります。教えてイエンツおぢさん!
2015-07-03 02:15:24ええと、まず砲塔リング径で比較するとパンターが1650mmなのに対して王虎が1850mmでもうこの時点でだいぶ車体の格として違うのが見て取れますねえ 割と似てそうな車体のシルエットも、そもそもパンターが片側転輪8組なのに王虎は転輪9組ですし
2015-07-03 02:24:44シルエットといえばなんとはなしに同じぐらいだろうと思ってた装甲板構成、車体上部側面だけに注目しても王虎が80mm/65度であるところ、パンターではDとAで40mm/50度、G以降で50mm/60度ですからこの点でも王虎には一歩以上及ばないんですね
2015-07-03 02:29:06@Jagdchiha もしパンターGがティーガーⅡのへンシェル砲塔に酷似した主砲弾庫の張り出しを設けた砲塔に刷新していたら後世のマニアは長く混乱していそう・・
2015-07-03 02:33:51そもそも王虎はパンター以上に砲塔リング径が大きく、かつ側面装甲の傾斜がキツイってことは多重に全幅が大きくなる要素が絡んでるってことですから大変でしょうけど、でもドイツの場合鉄道輸送のために全幅が制限されてるわけで、どっちも輸送時は3270mmに抑えてあるんですね
2015-07-03 02:34:40というか図面を見てもよく分かるんですけど、パンターは車体に対して砲塔リング径がかなり余裕のある設計というか、赤軍的に考えれば「この程度の火砲でこんな巨大な車体は不要」ってレベルの車格なんですよね 最後まで赤軍はパンターを重戦車として区分していたこともむべなるかなというか
2015-07-03 02:36:18何度かTwしてることですけども、パンターをT-V重戦車として鹵獲した赤軍が75mm KwK42の代わりに85mm Zis-S-53を搭載して自軍の兵器として再配備しようとしてた計画なんかも伝わってますし、全体的に独軍は車格に対して火砲の(反動的な意味で)規模が控えめなのかも?
2015-07-03 02:42:08このあたりの正確な数字は重量トンメートルで比較すべきなんでしょうけど教授に丸投げしてしまうのだ
2015-07-03 02:42:40知られている所として王虎とパンターはエンジンはまるでそっくり、両者とも全く同じHL230P30ですけども、変速機は主変速機から操向変速機までだいぶ違いますねえ 王虎のOG 40-12-16Bが前進8段後進4段なのにパンターのAK7-200は前進7段の後進1段、車体重量が問題かしら
2015-07-03 02:49:18最終変速段での速度で比較してみると、王虎が3000rpm/8段で前進41.5km/hなんですが、パンターでは2500rpm/7段で46km/h、3000rpmでは55km/hも出るんですね 当然常時発揮できる訳ではなく設計上の、ってことですけども、中戦車と重戦車の差が出てる感じ
2015-07-03 02:54:02@Jagdchiha パンターは操向変速機がシングルラディアス式、ティーガーがダブルラディアス式で旋回半径の選択がパンターで7x1=7、ティーガーで8x2=16で主変速機との組み合わせで実質的に無段回に近い操行性能を発揮できた。という説明を斎木先生の文で読みました記憶があります。
2015-07-03 02:55:27そうそう これじゃ! 単一旋回半径と二段旋回半径の違い www5d.biglobe.ne.jp/~vk4503/L801.h…
2015-07-03 02:56:41ここ最近ゲームで使う機会が増えたのか、TLで「パンターの後退が地獄めいて遅い!」という叫びが聞こえてくるんですけども、1段しかないパンターの後退段が3000rpmで4km/hのところ、王虎や虎Iではどうだったかと見ると3.39km/hと3.75km/hで、まあそんなもんって気も?
2015-07-03 03:02:30ただし後退4段もある王虎のOG 40-12-16B(虎Iは16A)が後進のどの段で3.39km/hなのかってのはちょっと分からないんですよね ただ車体重量から考えるに、この値は後退1段で段を増すと更に後退速度が速くなる、よりは、さらに細分してトルクを与えそうな予感がするんです
2015-07-03 03:05:58さっきエンジンは同じと言ったんですが、王虎のHL230P30にもパンターが装備していたメインエアクリーナ両脇の4組の「ファイフェル式サイクロンセパレータ」が装備されてたんですね こりゃ完璧にエンジンだけは同一なんだなあ
2015-07-03 03:17:04おっと、パンターII計画の頃の文脈に主変速機の新型のプロトタイプを完成させていて、後退速度を4km/hから5.7km/hへ向上することができたとな さらにパンターFの頃は出力を向上したHL234等の場合は1段を削除し2段の変速比を微増させることで全6段変速機で更なる簡易化が可能と
2015-07-03 03:26:26兵器試験局第6課としては、850PSのHL234が搭載された場合であれば5段変速ですら十分だと主張していたとは…考えてみたらトルクフルなV-2を積んだ赤軍T-34なんかは(車体重量が大違いですけど)4段主変速機でやってる訳だし、HL234が「定格どおりなら」5段でいいんだろうなあ
2015-07-03 03:32:51そういえばHL230P30とP45ではどう違うのか、写真で見る限りチェン駆動のオイルタンク内ポンプの有無とか補機の配管取り回しぐらいなんですけども、一番顕著なのがやっぱりサイクロンセパレータの有無なんですよね で、どうしてP45に、つまり虎Iにはこれが付かなかったのか?
2015-07-03 03:34:57これについては虎I、パンター、そして王虎の製造開始時期がキーなのかなと思ってそれぞれの月別生産数を見てみたんですけども、まず虎IのエンジンがHL210P30からHL230P45へ切り替わるのが製造251両目以降で、これが大体43年5月の頃なんですね
2015-07-03 03:43:37本来は42年8月19日の時点でパンターの機関と冷却装置を虎Iへも搭載できないかと意見されていて、これは車体後部装甲を22度傾けるだけで可能であり製造200号以降をこの仕様の「VK4502」とすることができると回答されてるんですが、結局8月下旬には却下されていると
2015-07-03 03:46:25で、王虎のほうの月別製造数を見てみると43年中はたった3両しか作れておらず、44年も1-4月で20両がとこなんですね それ以降は二桁を作るようになってるんですが、つまり本格的な量産は44年5月以降と見ていいんじゃなかろうかと
2015-07-03 03:49:31そしてパンターはというと、43年1月に最初の4両がMAN社で作られてから翌月には早くもDBとMNH(マシーネンファブリク・ニーダーザクセン・ハノーファー)でも量産が始まり、更にヘンシェルと臨時の一社(デマーグ?)ですら作られていて一気に数を揃えようとした雰囲気があるんですよね
2015-07-03 04:01:39雰囲気も何も、実際43年5月12日までに308両を引き渡せと総統命令が下ってるんですけども…結局これは達成不可能だったんですけど、43年2月の末にはイタリアのフィアット・アンサルドへ図面が譲渡されて製造させること、月産25両を超えたら速やかにドイツへ供給することなんてのも決まると
2015-07-03 04:03:13つまり来るべき東部戦線の攻勢に備えて同盟国とはいえ最新鋭戦車の図面を譲渡するほどなりふり構わず数を揃えようとしていたわけで、実際小児病的不良が多発して届いたコンポーネントのひっきりなしの分解、改良、再組み立てが必要になったとあってなかなか量産が進まなかったことが想像できるんですね
2015-07-03 04:05:56