私家版ハイデガースタディー08 時間を現勢的有限の規定とするとき人間は有力化する

語りえないものは、非本来的な語りによって、語らされないものだが、ハイデガーが注目したカントの図式論、超越論的時間規定とはより単純に、永遠時間を語る時、本来の自由が語れない、という問題である。 まず、近刊の菊池健三『カントと動力学の問題』を読む。意識や自我では、霊魂と時間を非実体と規定できない。この霊魂と時間の規定の相剋は、菊池によるとカントでは霊魂を潜勢させる永遠の時間という規定性。それに対して、ハイデガーでは霊魂を現勢させる有限な時間の規定だ。 カントが時間を潜勢した霊魂の不滅として語るために、ヘーゲルは眼前時間と神を、マルクスは時間の永遠と人間の無力を語る。それを非本来的なお喋りとするハイデガーは、存在の証明を休戦するとしたデカルトの要請に応えて、時間を有限と規定しなおし人間の有力とする超越論的想像力を語る。そこでは当然、霊魂という規定は現勢の規定となる。 続きを読む
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大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

それだからこそ藁人形の話のような、自我を対自や反省の対象関係で眼前化させるフッサールの純粋自我のようなものは実体的、非本来的なお喋りに過ぎず、それは端的に脱自的な時間関係を規則付けたカントの誤読だ、とハイデガーは批判したい(だけな)のでしょう。@J_J_Kant

2015-09-21 19:54:37
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

そうした非本来的なお喋りに対して、ハイデガーの言う本来的なお喋り、つまり非実体というものが、具体的に何であるのかは、最近、黒沢さんの語り方が分かりやすい。twitter.com/nckrx970/statu… @J_J_Kant

2015-09-21 19:56:34
黒沢孝裕 @nckrx970

別に柄谷を擁護する気はサラサラないが、旅行するなり非本来的なお喋りや観光の楽しみ等の頽落にある世人と、死を見据えた決意性ある人とのつながりが、ハイデガーに於いては切断されてない印象あるんだよね。まぁ、塾の先生にも聞いてみるけど。 twitter.com/sunamajiri/sta…

2015-09-21 00:16:50
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

知ってます。しかし、ハイデガーの本来・非本来というのは、たとえばツイッターのお喋りを真に受けるかどうか程度の作業仮説(形式的告示というんですが)で、死という本来の決意性もろとも取り払われるからどうでもいいのです。問題は言葉を奔放に紡げる、その自由の問題なんです。@J_J_Kant

2015-09-21 20:09:23
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

フッサールの作業仮説はエポケー(判断停止)、ハイデガーの作業仮説は、死の決意性という本来性に対する、非本来の頽落したお喋りを明らかにするための、形式的告示と呼ばれる方法なんですが、それによってカントのいう時間まで非本来化されるんです(単なる規定にされる)。~ @J_J_Kant

2015-09-21 20:15:39
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

そうなってはじめて、実存範疇でも生でも身体でもなんでもいいんですが、言葉の自由な生起に直面できる、といったような話です。そんなに難しく考えることではないんですよ。大上段のようなことではなく、かなり普通っぽいことです(笑) @J_J_Kant

2015-09-21 20:16:49
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

ハイデガーは大袈裟だが、端的には宗教の克服のようなことと捉えて間違いないでしょう。フッサールばかりかカントにも不徹底がある。女性を物件として捉えたり、他でもない時間が霊魂の不滅の動力学のままで、規定とするには動揺がみられるのです。それを玉葱の皮を剥くように~笑 @J_J_Kant

2015-09-21 20:22:59
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

そこは脱根しちゃってください。笑 フッサールがカントの自我を根源ursprungと言い換えるからわけがわからなくなっただけですから。最近のフランス哲学は文字通り自然の脱根源の思弁しかしなくなったほどらしいし。(^-^)/ @J_J_Kant

2015-09-21 21:12:38
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

私が思弁するまでもなく、そのようですね。デカルトのコギト・エルゴ・スムを、エゴサムコギタンスに言い換えようとしたカントの自我を、フッサールがデカルトを精読する前にursprung(根源)と命名してしまって以後、現代思想のパニックが開闢したらしいですよ。@J_J_Kant

2015-09-21 21:17:21
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

前に話したようだ twitter.com/sunamajiri/sta… が、ハイデガーはカント書以後、転回後は、ursprung(フッサールの言う根源)を、erorterung(所在究明)と言い換える話ばかりするようですね。中期以後は、まだちゃんと読んでませんが。@J_J_Kant

2015-09-21 21:26:13
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

ursprung(原初)をerorterung(所在究明)しない、というテーゼtwitter.com/sunamajiri/sta… は簡単で、人には神を捏造する能力があるとすると、人の起源が問として残り、人が全ての起源だとすると、問自体が成り立たない、という程度の問題。@J_J_Kant

2015-06-20 16:41:35
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

我思う故に我あり、という三段論法では実在論なので、感性(自然法則)と悟性(自由)は構想力が根源だとしたにもかかわらず、カントが構想力は脳で霊魂は不滅だ、と時間を歪めたので、ハイデガーが根源はカントの言う時間規定だ、に改正したという話でしょうね。くだらんのです。@J_J_Kant

2015-09-21 21:32:17
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

そうそう、中世神学の神の存在証明を否定神学にすることなく抜け出すために、デカルトの言う要請の厳密な語彙を模索すると、自我ではなく時間が根源だ、といった論証を長々とやってる。ある規定Xを要請されれば無限遡行に対する懐疑が方法化(客観化)するという話でしょう。@J_J_Kant

2015-09-21 21:43:23
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

もっと窄めれば、デカルトの自我は神を要請してるが、それは実在的なものではないんでしょう。なるほどそれを要請として受け入れておけば、論争しないで済む、というローカルルールみたいなものですな。笑(^-^)/ @J_J_Kant

2015-09-21 21:43:38
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

終わった話とみれればよいのだが、現代ではハードプロブレム、意識は脳の中のどの実体か、という命題として、神経ネットワークで意識は人工的に作り出せるのか、という話に直結しているので、未解決問題なのでしょう。カントが要請する、非実体というのはそのことなので。@J_J_Kant

2015-09-21 21:48:26
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

恐らくハイデガーがカント書で陥った欠点は、人間の言語だけにそれを認めている点で、最近は動物の精神活動の話になるんです。さっきちょうど動物の記憶力の話があったのだが、記憶力だと時間が規定にならず機械論になるんです。twitter.com/sunamajiri/sta… @J_J_Kant

2015-09-21 21:56:57
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

絶対時空を前提にした記憶力というものには自発性がなく、それじゃ本能だけの機械だろうに。リビドーだけになるになるぞ。だから記憶力ではなく時間である構想力が自発性の規定だと確認されて、科学が近代化したんだろうが(^-^)/ scienpost.com/archives/10404…

2015-09-21 14:27:19
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

カントは単なる記憶力では時間が規定にならず、時間を規定にするアリストテレス霊魂論の構想力を持ち出すんです。記憶力では本能が機械論的に語られるだけで、それでは生命は語れない、というのがカントの立場だけど、ハイデガーは人間の言語だけに精神活動を限定している気がする。@J_J_Kant

2015-09-21 21:58:23
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

うまい説明ではないが、機械は記憶という過去に囚われた鬱病・宿命論者・終末論者なんです。ハイデガーがカントから取り出す時間規定とは、未来を作る自由のことです。動物より人間の方が自由なんだから、彼がカント書で、戦後のヒューマニズムを先駆するのも無理はないのでしょう。@J_J_Kant

2015-09-21 22:09:09
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

例の東の問題 bit.ly/1F5OGdK は、柄谷を敷衍させて、それをトラウマによる歴史修正主義、ないしは否定神学の話にして破綻するんです。しかし、柄谷はカントをオイディプス・コンプレックスで捉えているだけなんです。未来の話をしていない。@J_J_Kant

2015-09-21 22:12:21
中嶋 哲史 @J_J_Kant

@sunamajiri 確かに最近の生物学は生命現象を限りなく物理化学現象に還元できるものとし、自由論vs.決定論の土俵では決定論の完全勝利かのような風潮があるけれど、ぼくはそれは人間の精神の脆弱性を表すものでしかないと思っています。未来には自由の地平が開けていると思いたい。

2015-09-21 22:20:27
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

決定論の最たるものはアメリカのインテリジェントデザイン、つまり生命を神話に逆行させることなのだが、カントはフロンティアは無限の富だというイギリス経験論への批判とともに、晩年は神による進化に対して、意志による進化の話ばかりしていたようですね。@J_J_Kant

2015-09-21 22:36:07
中嶋 哲史 @J_J_Kant

@sunamajiri それもまた興味深い話ですね。未来を考えることは人間にとって本当にしんどいことだから、すべては決まっていたとなればこんな楽なことはない。なかなかにこの誘惑は魅力的です。

2015-09-21 22:41:46
中嶋 哲史 @J_J_Kant

@sunamajiri ぼくが初めてヘーゲル読んだのは大学院のゼミのテキストだった金子武蔵訳の『精神現象学』でしたよ(^^;

2015-09-21 23:58:05
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

金子、樫山、牧野、最近では長谷川ですが、金子さん、カントの高峰さん、日本語として読みやすいですよね。最近のカントとハイデガーの熊野訳は、逐語的なのか、非常に読みづらい。@J_J_Kant 金子武蔵訳の『精神現象学』

2015-09-22 02:13:33
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

それで、触れられない他我の話をするんですね。先ほど twitter.com/J_J_Kant/statu… とあったが、ハイデガーはヘーゲルを、無限の今連続という非本来的な終末論(通俗時間)として退け、時間は規定された将来を持つ開かれた今の自由だ、と議論するんです。@J_J_Kant

2015-09-22 02:28:23
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

その点で、ハイデガーはカント~ヘーゲルの時間を、終末論や通俗的時間、人間に死が訪れない(つまり魂が不滅であるような)、非本来的な時間の無限性として退け(死んでからも時間があり続ける)、つねに将来から不可逆に今の自由を開闢するもの、として時間を規定し直すんです。@J_J_Kant

2015-09-22 02:30:50
大本薫 Kaoru Ohmoto @sunamajiri

ヘーゲルが語りえないものを饒舌に語るのは、時間が非本来的だから、というのがハイデガーのいう時間規定です。ヘーゲルの時間では、自我が死んでも時間は他我と共に永続するんです(霊魂の不滅)。しかしそうした非本来の時間の中に、自我にとっての今はないのです。@J_J_Kant

2015-09-22 02:36:33
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