@TIS_lam 狭間】「イーエ、」 おそらく自分の方が、ずっと今は、ふだん通りの口調だろう。目を落とした相手を見て、自分も視線を外す。再び正面を向いて、缶コーヒーを口にもってゆく。それがもう空になっているので、唇にただあてて、目でぼんやりと雲の流れを追いかける。
2015-10-03 16:45:26@c_yu_n 天雄】「……もう、中身ないでしょう」 足元を見ていた視線を相手にも度図と、匂いの薄くなった缶を口にあてる様子を見て首を傾げる。頭上高くを眺める相手は、落ち込んで見えない。普通に落ち着いている。
2015-10-03 16:51:09@TIS_lam 狭間】「! …ですね、」 バレた、というように、きょろりと横目を向ける。それでも缶の端は唇にあてたまま、 「まあ、なんとなく。……そうだなあ、天雄さんは、ノドかわいてます? なにか、飲みにいきますか?」 肩を竦めて笑って、訊く。それから、
2015-10-03 16:54:22@TIS_lam 狭間】それから、別の日でもいいですけど、と笑う。…実際、ここにこのままもうしばらく、黙っているのも悪くはないと思う。どちらだって構わないのだ、ただこの時間は、自分にとってはただただ穏和に凪いで、それでもたしかにある。
2015-10-03 16:55:57@c_yu_n 天雄】「そうですね…、せっかくなので、もう少しここで…」 なにをするでもなく、こうしていたいと。木漏れ日に守られながら陽光をちらちらと浴びて、平穏と呼ぶに相応しい子ども達の戯れを眺める。誰もこの空気を邪魔する者はない。沈黙も影のように寄り添ってくれる。
2015-10-03 17:01:19@c_yu_n 天雄】それをすぐに手放すのが惜しく感じられて、どうせだったらもう少しだけでも、と思ってしまう。終わりはきてしまうから。
2015-10-03 17:02:25@TIS_lam 狭間】「ん、」 横目でちらりとまた窺って、わずかな頭の傾きで頷いて、そしてまた、ゆるやかに黙り込む。ひとや鳥がいて、風がそよいで、動けば服の衣擦れの音もして、完全にしんと静まるではない、豊富な沈黙が場所に満ちている。単純に、隣に座って、ただ黙る。
2015-10-03 17:05:48@TIS_lam 狭間】「……そのうちに、また、なにか、絵ェ描いてくださいよ」 しばらくの沈黙のあとに、またぽつんと言う。くださいよ、と、とても軽い調子で言う。思いついて、思いついたままの調子で。
2015-10-03 17:07:38@c_yu_n 天雄】「…なんだったら、大学に遊びに来てみますか。」 絵を描いているところも見せれるし、乾かしている絵もる。自分以外の絵も、技巧の異なるものもある。少年が見たことのない世界があるだろうと、こちらも軽く誘う。気に入ったものがあれば、あげよう、と思う。
2015-10-03 17:12:00天雄】彼が来たがるなら、秋の文化祭にでも誘ってみよう。普段とは違う雰囲気だが回りやすいだろうし、今年の催しも面白そうだ。普段の構内をあっちへこっちへと歩いて回るのも楽しそうだ。ハイジ少年を誘ってもいい、と思う。
2015-10-03 18:00:51@TIS_lam 狭間】振り返ってみる。相手の顔をみて笑う。 「…いいですね」 そのうちオジャマしたいです、と、言葉にして言う。笑いながら、見えた相手の顔が木漏れ日でまだらで、さっき頬を掻いていたしぐさをなんとなく、頭の中でくりかえす。
2015-10-03 17:15:40