下平レイソルの可変システムへのネルシーニョの対策&2人の監督による頭脳合戦 @ 柏vs神戸

チェスのような試合展開に唸らされました…! 前回のボトムチェンジの解説を読んでいない方はまずそちらからどうぞ(http://togetter.com/li/968469)。 まとめ上で動画見ると画質が粗いので、リンク先で見ることをオススメします。
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@GP_02A

柏vs神戸。我々柏サポにとって特別な1戦となったこの試合を振り返っていきたい。柏は前回の分析でも述べた通りに守備時442、攻撃時325の美味しいとこ取りの可変システム。DHは動かさず、4バックの左SB山中を左WBへと変化させる時計回りのボトムチェンジを採用した

2016-05-03 19:46:37
@GP_02A

当然これには理由がある。まず、神戸が前からプレッシングに来るであろうと予想し、ボール捌きに定評のある和製アラバ中山雄太を攻撃時に左CBとして振る舞わせたかったため。もう1つは、伊東純也を442の右SBに置くよりも右SHに置いた方がカウンター時の得点力が上がるため

2016-05-03 19:46:42
@GP_02A

スタメン的には反時計回りのボトムチェンジを採用し、伊東を右SB→右WBとして振る舞わせる事も可能であったが、伊東と山中の攻撃力/守備力を考えた時に、「伊東を前で使う方がカウンター時の得点の可能性が大きい」との判断だったのだろう

2016-05-03 19:46:48
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さらに言えば、伊東を右SH、CBが本職である鎌田を右SBとして、神戸の左サイドに蓋をしたかったのかもしれない。前節の仙台戦を見ていても、相馬、渡邉千真が居て、時折レアンドロがサイドに流れてくる左サイドは神戸の明確なストロングポイントとなっていた

2016-05-03 19:46:55
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下平監督「(前日会見でのコメント)結構前からガンガンとプレッシャーをかけてくるんじゃないかと思っています」「基本的には前で潰しに来ると思うので、そこをどう外せるかにかかってくると思います(KFJより抜粋)」

2016-05-03 19:47:01
@GP_02A

上記が柏が神戸を迎え撃つ為に採用したシステム。ただし、この時点では下平監督は神戸は442で来ると予想していたはずである。智将ネルシーニョはそんな下平監督の対策を上回るべく、システム変更で柏のビルドアップを阻害しようとした

2016-05-03 19:47:09
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神戸が選択したのは、結果を出してきた442ではなく433。ネルシーニョは柏の攻撃の鍵を握るのはDHだと分析。325で攻める柏のDHにインサイド2枚を、3バックに千真、レアンドロ、PJの3トップをぶつける数的同数プレッシングを画策 pic.twitter.com/7KzOR1tHoY

2016-05-03 19:47:20
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同時に、攻撃の際は433の両WGを内側に絞らせ、両SBを高く上げ、アンカーの三原を状況に応じてCB間に落とし、235ないし325へと可変させて柏の442を崩そうという狙いがあった。両チーム共に美味しいとこ取りを狙った形である

2016-05-03 19:47:24
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ネルシーニョ監督「今日の試合は見てもらった通り4−3−3の3ボランチにして、レイソルの組み立てはボランチですから、そのボランチを潰すということは、前半はプラン通り機能していました。ただ、あの失点シーンのセットプレーだけでやられたという内容だったと思います(KFJより抜粋)」

2016-05-03 19:47:29
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このように試合後の監督会見で語っていたネルシーニョだったが、誤算もあった。肝であった433での数的同数プレッシングだが、下平監督の修正により前半途中から神戸の右サイドを中心に機能しない場面が散見されたのである。そこを動画交えて振り返っていきたい

2016-05-03 19:47:36
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0分。325でビルドアップしようとする柏に対し、CB鎌田に千真、中谷にレアンドロ、中山にPJ。DH茨田に藤田。小林に前田をぶつけ、試合開始直後から数的同数プレッシングを敢行する神戸 pic.twitter.com/XOOpHa8owF

2016-05-03 19:48:32
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8分。PJオフサイドからのリスタートだったが、即座に数的同数プレッシングを敢行。茨田がサイドの伊東にパスを逃がした所で相馬がカット。ショートカウンターからクロスまで持っていく pic.twitter.com/retg4h6Qoj

2016-05-03 19:49:35
@GP_02A

10分。PJが小林→中山と2度追いした所で数的同数プレッシングのスイッチ。千真が少し遅れたため高い位置で刈り取る事はできなかったが、長いボールを蹴らせる事には成功 pic.twitter.com/i7nnRWXWYQ

2016-05-03 19:50:19
@GP_02A

19分。GK中村のスローイングからビルドアップを試みた柏だったが、神戸はやはり高い位置からの数的同数プレッシングを敢行しようとしたため、蹴らざるを得ないシーン pic.twitter.com/e7GLYLohv4

2016-05-03 19:50:53
@GP_02A

28分。これまで同様に数的同数プレッシングを敢行する神戸だが、伊東に対する相馬のアプローチが遅れた事でピンチを招く。伊東と中川のワンツーでサイドを割られかけるが、リターンが逸れて事なきを得る pic.twitter.com/xqA36QzEv5

2016-05-03 19:51:32
@GP_02A

29分。ここから潮目が変わり始める。神戸の数的同数プレッシングに対し、柏が4バックでのビルドアップを試みるようになっていく。これにより、神戸のプレッシングに機能不全が見え始める pic.twitter.com/m7CgXutiQf

2016-05-03 19:52:13
@GP_02A

神戸は前から行く時は433、セットして守る時は4141。このどちらの場合も、千真が鎌田にアプローチに行き、レアンドロが中谷に行くのは変わらないが、柏が3バックではなく4バックでビルドアップしてくるとなると話が違ってくる

2016-05-03 19:52:18
@GP_02A

右サイドのPJは、前から行く時は3バックの左CB中山に行かなければならないが、セットする時は4バックのSB山中を見る必要が出てきたからである。PJはタスク過多となり、アプローチの標的、守備の基準点を見失った

2016-05-03 19:52:20
@GP_02A

42分。4バックでのビルドアップを試みる柏に対し、セットして4141で応対しようとする神戸。中山に行くのか山中に行くのか、守備の基準点を見失ったPJはステイを選択して中を閉じようと試みた pic.twitter.com/Js0Bgzig8y

2016-05-03 19:53:00
@GP_02A

47分。DFラインの前まで落ちてきた茨田には藤田が付いていていてプレッシングのスイッチが入りかけているが、PJはやはり中山と山中どちらに行くか決断できていない。藤田が2度追いした事で事なきを得る pic.twitter.com/68lM6H48wm

2016-05-03 19:53:27
@GP_02A

下平監督「神戸さんがスタートから予想していたシステムと違って、前半途中に修正したんですけど、こちらもシステムを変更して対応しました(KFJより抜粋)」

2016-05-03 19:53:37
@GP_02A

現在、柏が採用している時計/反時計回りのボトムチェンジは仕組みがシンプル。「片方のSBが上がるだけ」とも言えるので、状況に応じて「SBを上げない」という選択をする事もまた容易。DHを落とす形だと、相手はそのまま着いていけばプレッシングのスイッチを入れられるので恐らくこうはいかない

2016-05-03 19:53:40
@GP_02A

この通り、下平監督は柏の325を打ち破るためにネルシーニョが用意してきた策を前半途中で見抜き、これまで結果を出してきた325をあっさり放棄する見切りの良さを見せた。駄目だと思えば変な拘りを見せずに次の手を打つ。この辺りの思考の切り替えの速さはネルシーニョにも共通する部分である

2016-05-03 19:53:45
@GP_02A

だが、智将ネルシーニョもただでは転ばない。途中出場した松下が松村と負傷交代すると同時にシステムを442に変更。「柏が442のままビルドアップするなら、こちらもシステムを442に合わせて再び数的同数プレスを」という狙いだったのだろう

2016-05-03 19:53:50
@GP_02A

63分。4バックでのビルドアップを試みる柏に対して442での数的同数プレスを敢行する神戸。レアンドロが中谷→中村とGKまで2度追いしたことで柏は蹴らざるを得ず、神戸がボール回収 pic.twitter.com/oE9bSXpCfJ

2016-05-03 19:54:46