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イタチシダ類無配生殖種複合体Dryopteris varia complexにおける網状進化 堀 清鷹(首都大学東京・牧野標本館) pic.twitter.com/MNM9hz4mjE
2017-01-07 13:36:40シダ植物の生殖方法は有性生殖と無配生殖。減数分裂→配偶体が受精→胞子体になるのが大半。 無配生殖は無性生殖の一種。発生する個体はクローンであるはずだが、実際は多様。
2017-01-07 14:24:40人では両親からそれぞれ遺伝子を受け継ぎ、2つの遺伝子をもつ二倍体生殖だが、シダでは3つの遺伝子をもつ三倍体が非常に多い。無配生殖種。野外ではどこでも見られるオオイタチシダは、図鑑との記述がはっきり合わない。葉が分厚い・薄い、鋸歯が粗い・浅い、包膜が透明・赤色など、一種類なのに多様
2017-01-07 14:27:10なぜこう多様なのか? 交雑サイクル仮説。三倍体無配生殖種と二倍体有性生殖種と交雑→単なる雑種ではなく、また三倍体無配生殖種として増え、二倍体と交雑→多様性ゲットだぜ!
2017-01-07 14:28:53葉緑体DNAは母から、核DNAは両親から。三倍体の場合、核DNAが3種類になる。1ゲノムあたり1コピーのシングルコピー遺伝子なら、両親を推定できる。葉緑体DNAからは母親の遺伝子が分かる。これを組み合わせて多様化の道筋をたどる。
2017-01-07 14:30:52実験手法の解説。簡単に系統樹を書いてゲノム構成を推定。結果、元となった有性生殖種はナンカイ、イワ、モトの3種類。さらにハチジョウベニシダ、ミサキカグマという2種類が出てきたが、これらはイタチシダ類に含められていなかった。
2017-01-07 14:33:21オオイタチシダ3種類。ナンカイとモト、ナンカイとイワとモト、ナンカイとモトとハチジョウ。他のイタチシダも前述の5種類からの組合せ。混ざりすぎやろ……
2017-01-07 14:35:01各雑種に「モトイタチシダ」の遺伝子が含まれているが、モトイタチシダ遺伝子のみをもつシダは見つかっていなかった。屋久島で新種として発見された。世界中でここだけ、近隣地域の島でも見つからない! そんなレアキャラなのにイタチシダ類の網状進化に大きく関与している。
2017-01-07 14:36:42オオイタチシダとしてまとめられていた3タイプの再分類。学名付け直し、和名も三つに分かれる。
2017-01-07 14:39:24シダはビジネスになるか? ならなくはない。シダの造花、アクアリウム用、漢方薬……過剰摂取すると死ぬほどの猛毒、ゼンマイなどの食用。 無配生殖の農業への応用ができれば、果物などの受粉の手間を省くなど大きなビジネスチャンスが広がっているというドリーム。
2017-01-07 14:41:37カワゴケソウ科の進化学
カワゴケソウ科の進化学-水と岩との間には今日も平たい草がいる-
片山 なつ(日本女子大学理学部)
今日と明日で日本のカワゴロモ属(カワゴケソウ科、Hydrobryum)を紹介します! 日本では鹿児島県と宮崎の一部にしか分布しない貴重な植物たちです!
2017-01-06 16:19:43今日はカワゴロモ(H. japonicum)とヤクシマカワゴロモ(H. puncticulatum)です! どちらも急流河川の岩盤や大きな石に付着して生育する多年草です。花期・自生地は、カワゴロモが10~12月・大隅半島の4河川、ヤクシマが12~1月・屋久島の一湊川です。 pic.twitter.com/j9JuRn11Zs
2017-01-06 16:21:42今日はオオヨドカワゴロモ(H. koribanum )とウスカワゴロモ(H. floribundum)です! これらも急流河川の岩盤や大きな石に付着して生育する多年草です。 花期・分布はオオヨドが11〜12月・大淀川水系、ウスカワゴロモが10〜1月・大隅半島の2河川です。 pic.twitter.com/PfShAJ1s2j
2017-01-07 20:44:23@kshokubutsu 写真は1、2枚目がオオヨド、3、4枚目がウスカワです。 自生地では水生のコケが多く、競争しているように見えます。 ちなみにカワゴケソウ科に一番近いのはオトギリソウの仲間です。(あまり参考にならないですが写真はコケオトギリです) pic.twitter.com/afUzzX4pke
2017-01-07 20:46:09植物はいろんな環境に生育する。空気と水のあいだに浮いたり、風と岩の間で小さくなったり、水と岩の間で平べったくなったり。カワゴケソウは急流にさらされる岩の上という特殊な環境に暮らす。普通の植物のようにのびのびと生えることができない。岩の上に根を張り、その上に葉や花をつける水平成長。
2017-01-07 14:58:39名前はコケっぽいが、れっきとした被子植物。常識はずれの形をしている。ゼニゴケやスギゴケのようなものも。多様性も高い。 トリスティカ亜科、ウェッデリナ亜科、そしてカワゴケソウ亜科。特にカワゴケソウ亜科はすばらしい多様性を誇る。
2017-01-07 15:00:54発生の話。植物は鉛直軸に成長する。根から下へ、茎のてっぺんから上へ。しかしカワゴケソウ亜科は根端分裂組織も茎頂分裂組織も失っている。その発生過程を探る。
2017-01-07 15:02:42カワゴケソウ、コケのような被子植物で茎頂に頂端分裂組織が存在しない‥ほう bsj.or.jp/jpn/general/re…
2017-01-08 00:21:07両分裂組織をもつトリスティカ亜科では成熟杯でも両方ある。一方カワゴケソウ亜科では、形成中心だけがある。(このへんあやしい)
2017-01-07 15:04:13カワゴケソウは茎頂分裂組織をもたないシュート発生。葉と葉の間の根元から新しい葉が伸びてくる。茎? なにそれ。 普通の植物は茎頂分裂組織が葉を作りつつ茎を伸ばしていく。カワゴケソウでは茎んがががが
2017-01-07 15:06:46進化速度の速い植物とは? 木本類よりも草本類、寄生植物、背の低い植物、食虫植物。草本類と背の低い植物では世代時間が短いから。寄生植物と食虫植物は、進化の結果として変異が蓄積している可能性と、分子進化速度の上昇が進化をもたらした可能性がある。
2017-01-07 15:09:04カワゴケソウではゲノム全体の進化速度が上がっている? 2048遺伝子連結配列のおーそろぐはいれつのあらいめんとせっとをしゅとく。系統樹を書いてみると、カワゴケソウ亜科は枝が長い。(よくわからない)
2017-01-07 15:10:57分子時計モデルを用いてある遺伝子の置換速度を想定してみたところ、基部分類群に対して速い。大部分の遺伝子で遺伝速度が増大している。 遺伝的変異の供給が増大しており、結果として形態進化など多様化に貢献したと考えられる。
2017-01-07 15:12:38