『宮本武蔵』の語られ方 吉川英治が創作した剣聖イメージを”格下げ”する歴史とは~我乱堂さんのツイートを中心に

歴史上の偉人の中には、実際の歴史とは別に「語られ方の歴史」が興味深いという人が結構おります。 宮本武蔵とその関係者はまさにその典型で、まず生の史料も少ないし(笑)、戦前に今なお続くような典型・王道のキャラクター像が一人の天才(吉川英治)によって創作され、その後、あまたの才人が「あの黄金パターンを超えるような変化球を投げてやる」と挑戦し、それが逆にオーバーランするなど、題材として研究するとかなり面白そう。 武芸に詳しい我乱堂@SagamiNoriakiさんのツイートを中心に。本当は文芸よりなんだけど、一応カテゴリは「歴史」。 続きを読む
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我乱堂 @SagamiNoriaki

『忍法剣士伝』は確かB級…という評価だったかな。別にP級があるので、失敗作というのではなくて、なんか手癖で書いちゃったかなあという程度の認識だったのではないかと思える。なんかの対談で、B級にしているんだけど、割と売れるみたいなこと言われてたと思う。

2017-10-22 18:49:11
我乱堂 @SagamiNoriaki

ちなみに『忍法剣士伝』は果心居士が『伊賀忍法帖』のことに触れているので、珍しく同じ時系列にある作品であるということが解る。

2017-10-22 18:49:55
H.イワシタとラカクーニ @iwa_jose

そうだった>B級。自分では気にいってないけど人気がある、というのもどこかで読んだ。>RT

2017-10-22 18:51:47
我乱堂 @SagamiNoriaki

『忍法剣士伝』をご当人があまり好きではないのは、ぶっちゃけ筋立てが甲賀忍法帖と魔界転生を組み合わせた、剣豪たちがどっかで対決していくことの連続…な、特に工夫がない感じなのが反省点だったんじゃないかな。対決の連続は読者的には面白いんだけど、書いてる側としてはそうもいかんのだろうなあ

2017-10-22 18:55:52
えいち・えむ・えす・ゆりしーず @hms_ulysses

二天一流はわからないけれど、少なくとも後世の創作の中では、剣術ではなく兵法としての柳生新陰流は尋常の勝負を前提としてないよね

2017-10-22 22:01:49
たまがわ @Tamagawa_GHQ

@hms_ulysses 将軍継嗣のために協力してくれた村をなぜか焼いちゃったり

2017-10-22 22:03:57
我乱堂 @SagamiNoriaki

寛永年間なら、兵法というと剣術とイコールでしたが。

2017-10-23 00:32:25
我乱堂 @SagamiNoriaki

兵法というと戦って勝つためにどんな方法でもする戦術…みたいなイメージがあるけども、宮本武蔵も批判しているが、いつの頃からは兵法=剣術のことになっていたらしい。柳生石舟斎とかもその用法で使っているから、戦国時代後期にはそうなっていたのだろうか。

2017-10-23 00:37:48
我乱堂 @SagamiNoriaki

当時から小次郎はどういうやつだったのかというのは議論されてて、『随筆宮本武蔵』では鷲尾雨工の短編を取り上げて小次郎の年齢などに言及している。吉川英治はそこで富田勢源の弟子とあるのはちと歳を食い過ぎなので、勢源の流れを汲む剣士と解釈し、間に一人いる…鐘巻自斎の弟子と推論した。

2017-10-23 14:49:05
我乱堂 @SagamiNoriaki

この鐘巻自斎の弟子である佐々木小次郎…というのは、後に綿谷雪先生が山田先生が最近見つけてきた貴重なもの…として、鐘巻自斎が発行の佐々木小次郎宛の伝書を紹介しているけども、多分これは、『随筆宮本武蔵』を読んだ誰かが創作したんじゃないかなあ…てか、伝書内容は『宮本武蔵』のまんまだとか

2017-10-23 14:51:51
みんみんぜみ @inuchochin

RT、佐々木小次郎が鐘巻自斎から授かった印可の話は播磨武蔵研究会でネタにされてる。たしかにこんなもの三重四重に信じがたいわ。ほんとに鐘巻伝中條流の伝書ならすごくおもろいけど。 geocities.jp/themusasi3z/za… pic.twitter.com/0ZfO0z6QSD

2017-10-23 19:42:52
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みんみんぜみ @inuchochin

ただこの伝書の金剛とか、喧嘩稼業の戸田流金剛とか高山、無極の元ネタなんだろな。創作伝書としたら、創作が創作を産み出したわけで面白い。 pic.twitter.com/Wk5wPnE1xq

2017-10-23 19:47:26
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我乱堂 @SagamiNoriaki

@inuchochin この伝書については播磨武蔵研究会さんは吉川英治はこれを見たのだろうって書いてますけども、私は多分、吉川版が先にあったんじゃないかなあと。twitter.com/inuchochin/sta…

2017-10-23 19:52:10
みんみんぜみ @inuchochin

@SagamiNoriaki どうなんでしょうね。どちらにしろ鐘巻自斎になってること自体がおかしい気がしますけど。

2017-10-23 19:54:03
我乱堂 @SagamiNoriaki

@inuchochin なお、この伝書を見て、吉川武蔵の小次郎のそれとそっくりなことについて、綿谷雪先生はどうして気づかなかったのか…当時はちゃんと頭はっきりしていたぜ、と研究会さんの誰かが言ってるw あるいはもしかしたら、綿谷先生、魔が差して偽物解ってたのを紹介したのかもしれない…

2017-10-23 19:54:06
葛西伸哉 ラノベ作家 @kasai_sinya

後書きにも書いたが、佐々木小次郎についてちょっと調べて「知名度の割に実像は不明」という事を知り、だったら何書いてもいいじゃんと思ったのが『エクスカリバー武芸帖』を執筆したきっかけのひとつ。

2017-10-23 19:56:19
我乱堂 @SagamiNoriaki

@inuchochin 時系列としては、小次郎の伝系を現実に合わせるために創作されたものですから、吉川英治以前にそんなこと気にする人いなかったわけで、それを考えるとやはり、吉川英治の創作を誰かがそれらしい体裁にして…の順番だと思います。まあ今となってはそんなこと別段に気にすることもないと思いますけど。

2017-10-23 19:56:29
みんみんぜみ @inuchochin

@SagamiNoriaki 播磨~と同じく、これを見て吉川先生が書いたと思ったのでは。古藤田の一刀流の表の形と共通点があったり、贋作にしろ本物にしろ、あきらかに一刀流にくわしい人が書いたか関係がある流派のものですから。

2017-10-23 19:58:34
我乱堂 @SagamiNoriaki

@inuchochin 可能性はありますね。いずれ佐々木小次郎の初出がかなり後である以上、これは贋作で確定なんですが。よもや、綿谷先生ご当人の捏造ってことはないでしょうけども…

2017-10-23 20:00:52
我乱堂 @SagamiNoriaki

@myroad38 @inuchochin 岩流のイメージの変遷は激しいですからね…

2017-10-23 20:01:32
我乱堂 @SagamiNoriaki

最近でこそ小次郎についてかなり詳しく解って、佐々木姓は後の創作でついたとかも周知されつつあるんだけど、葛西先生の『エクスカリバー武芸帖』がでた頃だと、九州の名族佐々木氏の出で、修験者にも関わりがある云々とそれらしい話が出た頃で、剣聖ツバメでもその説だったtwitter.com/kasai_sinya/st…

2017-10-23 20:06:58
葛西伸哉 ラノベ作家 @kasai_sinya

もうひとつ。『ウィザードリィ』や『捨てプリ』、西洋風ファンタジーで日本刀が強いのは多いけど逆はないよなぁ→でも日本刀が西洋剣に負ける時代劇は日本人にはウケないだろうなぁ→だったら普通じゃない西洋剣にすればいい→エクスカリバーだ このアイディアが佐々木小次郎と悪魔合体して生まれた。

2017-10-23 20:12:00
我乱堂 @SagamiNoriaki

夢枕獏先生の『大帝の剣』みたいなのもあるし、そこらは書き方ではないかなあ…と思いつつ、エクスカリバーを使う佐々木小次郎というネタは大変魅力的であり、『エクスカリバー武芸帖』、リアルタイムで購読しましたが、面白く読んだように思います。

2017-10-23 20:14:15
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