各国の自国史と外国史の関係とドイツの歴史教育
- saisenreiha
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昨日は、ドイツの歴史学界の内向き志向について話をした。ミュンスター大学には外国史を教える先生はほとんどいない。また、自分の大学のある周辺地方を扱うことが多いのではないかという話も出た。
2011-04-09 17:17:26@saisenreiha アイルランドもそうです。外国史はほとんどいない。たぶん日本の状況は特殊。良い点も悪い点もありますが。
2011-04-09 17:19:50しかし、自国史に極端に集中した歴史は、別に大学だけの話でもないようだ。ドイツ人の友人から聞いた話では、ドイツの学校では外国のことはヨーロッパの国のことを少し学ぶ程度で、アジアの歴史は全くなしで、ドイツ史でも第二次大戦のことばかりを教えるそうだ。
2011-04-09 17:20:40@nasastar @saisenreiha 外国史勉強するなら、(ヨーロッパであれば)その国にさっさと行ってしまうからなんでしょうか。
2011-04-09 17:21:37@nasastar そうですか。でも、アメリカだと、世界中の歴史を研究する研究者がいますよね。ヨーロッパ諸国と北米やオセアニア諸国の違いも気になるところです。
2011-04-09 17:24:31@hashibutogarasu 私はそのあたり事情を知りませんが、そもそも外国の歴史をやろうと言い出さない人が大半なような気はします。
2011-04-09 17:25:46@saisenreiha アメリカは大学によりけりですね。地域研究で分割されているところもあるし、世界史を志向する大学もあるはず。ただヨーロッパの大学よりは幅広く人員を配置している印象があります。
2011-04-09 17:30:02@saisenreiha 一般的にヨーロッパの人文学では自国や地元の地域に密着した研究が多いように思います。その方が一次資料も豊富だし、研究に対する需要も多いからでは。日本も、日本史とそれ以外の歴史研究の比率を考えれば多分同じ状況なのでは。
2011-04-09 17:30:09うーむ、貴重なご意見。ただ、大戦を執拗に押さえるから、今のドイツ現代史の充実と戦争責任等に対する政治的態度の明確さがある気がしますRT @saisenreiha 二次大戦の話ばかり聞かされるので、生徒はみんな退屈でうんざりすると友人は言っていました(笑)
2011-04-11 23:50:51@nob_de 同じような「二次大戦の話はうんざり」という意見は私もドイツ人学生から聞いたことがあります。日本でも、歴史修正主義の人々が日本の近現代史の教えられ方を「自虐」として批判したのが戦争責任論に帰結する既存の語りに飽きていた人々に好評を博したところが始まりだったような…。
2011-04-12 00:12:19@t_otoshi 同じ地域のことを研究した方が、史料が多く、研究しやすいというところはあるのでしょうね。日本の場合は、日本史が、東洋史と西洋史と比べて極端に大規模ということもないので、少なくともドイツの大学とは大分状況が違うかと思います。
2011-04-12 00:24:09@nob_de 同じような話を延々と繰り返し聞かされるので、飽き飽きしてしまうようです。私はドイツの歴史教科書を見たことがないので何とも言えませんが、記述のバランスが良くないのかもしれませんね。
2011-04-12 00:26:05@tsujifolyam 日本の場合、個人的には「自虐」と言いながら同時に「退屈さ」を排撃していた感がします。ドイツ現代史も戦後研究に移行しつつある今、今後の動向を注視したいと思います。
2011-04-12 00:27:14ミュンヘン大学では、地方史学科は当然バイエルンばかりだけど、それ以外の歴史学科では、ほとんどの人がドイツ史以外を研究していると聞いた。大学によっても、自国史、地域史の比率は大きく異なるのかもしれない。
2011-04-12 00:28:27@saisenreiha ドイツの二次大戦教育は「記述」を暗記したりする教育ではなく、ギムナジウム相当レベルであれば議論する授業が展開されます。よって、二次大戦が「今のドイツ」の孕む問題を直接議論しやすいわけです。
2011-04-12 00:30:32@saisenreiha 基本知識は全員行くGrundschuleですね。ただし、そこでも20世紀史が重視されます。ドイツの歴史教育は民主主義政治教育(Politische Bildung)と寄り添っていますから。ドイツの「偏り」は私自身も問題視してますが、(続)
2011-04-12 00:37:21@saisenreiha (承前)限られた授業時間内ではある程度は仕方ない気もします。あと、逆に日本は広く浅い暗記に陥っているために、大学や社会においての「考える」歴史には対応できていないのは大問題ですね…。
2011-04-12 00:39:47@nob_de 確かに初期段階では教科書が語らない人物・出来事を扱った読み物を利用していましたね。私は両国とも日本も既存の歴史教育への反発として修正主義的な主張が伸びる下地はあると思っています。ドイツは修正主義者への社会的評価(一種の制裁?)が明確なので抑止力になっている気が。
2011-04-12 00:40:02@nob_de 色々教えていただき、ありがとうございます。議論をするための前提知識として、史料批判は教えられているのでしょうか?それとも、史料批判は余り重視されず、(国が考えるところの)正しい歴史意識を身につけるという、規範的な側面が重視されるのでしょうか?
2011-04-12 00:46:45独の教科書(バイエルン以外のw)を手にとってみてください。題材(史料)が与えられ、それについて議論する。これこそ史料批判の初歩的実践ですねRT @saisenreiha ...史料批判は教えられているのでしょうか?それとも、...規範的な側面...?
2011-04-12 00:52:56@saisenreiha 「国が考えるところの正しい歴史意識」はひとつ。「ナチスを生み出したのは、(史料)批判的な自由な議論ができなかったこと」です。
2011-04-12 00:54:29