チキンラーメンと安藤百福、その虚像と実像〜近代食文化研究会さんの検証(※長いシリーズの一部です)

※このツイート以前から、丁寧な検証が続いています。これはあくまでも途中から一部をまとめたものです。/NHKのドラマ「まんぷく」でも即席ラーメンが完成し、売れ始めましたが、或る意味ドラマ以上にスリリングな、即席ラーメンをめぐる本当の物語とは。
75
前へ 1 ・・ 6 7
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

実業往来1988年4月号によると、安藤百福には3回の取り調べ歴があるそうです。 ”大和精機事件、中華交通専門学院の脱税事件、信用組合倒産事件と三度も司直の取り調べを受けるため獄舎につながれている。” pic.twitter.com/RqvjtldQyN

2019-02-22 03:10:32
拡大
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

このうち信用組合倒産事件、正確には背任事件ですが、これは一審で有罪が確定したことを、百福自身が自著「奇想天外の発想」で認めています。 その後の著作ではこの部分を消し去っていますが。 pic.twitter.com/o4eRYiw5Gm

2019-02-22 03:10:33
拡大
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

実業往来によると脱税で取り調べをうけたのは中華交通専門学院の件においてとなりますが、この学校について安藤が自伝で語っているストーリーは次のようなものです。 bit.ly/2NlfpJI

2019-02-22 03:10:33
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

”塩作りと漁業に精を出す一方で、私は名古屋に「中華交通技術専門学院」を設立することになった。製塩事業と同じように、有為の若者を集めて、彼らに食を与え、技術を身につけさせたいと思ったのである。”

2019-02-22 03:10:33
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

”自動車の構造や修理技術、鉄道建設の知識などを総合的に修得できる学院を目指した。全寮制で食事がつき、授業料は取らなかった。” 授業料を取らないのに脱税容疑で取り調べ?

2019-02-22 03:10:34
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

このように、安藤百福が語る美しい自伝ストーリーと、新聞や雑誌、あるいは第三者が語る百福の姿との間には、大きな乖離と矛盾があるのです。 以前私が”この人のいうことは何一つ信用してはいけなかったのです”と言った意味がわかっていただけるかと思います。

2019-02-22 03:10:34

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

さて、話を安藤百福のサクセスストーリーの続きに戻します。 張国文の特許を買収した百福は、特許成立前から三菱商事や伊藤忠などの商事会社から出資を引き出すことに成功します。 pic.twitter.com/9HZxCpm5lY

2019-02-22 03:10:34
拡大
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

三菱商事や伊藤忠とて、安藤百福の過去を調べ、この人物が信用ならざる人間であることは十分承知していたことでしょう。 つまり商社が出資したのは、安藤百福個人あるいは日清食品に対してではなく、安藤が保有する特許の価値に対してだったのです。

2019-02-22 03:10:35
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

百福は当時業界の標準生産手法だった張国文の特許を手に入れるだけでなく、同じく業界標準であった陳栄泰の特許まで不成立に追い込んでいました。 陳栄泰は特許の文言において、油脂で揚げる温度を150度ではなく50度と書き間違えていたからです。

2019-02-22 03:10:35
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

昭和38年に陳栄泰の特許は逆転成立しますが、それまでの百福は、重要な特許を独占していたのです。 この状態では、急成長するインスタントラーメン市場のプレイヤーとして、商社は百福を選ばざるをえません。

2019-02-22 03:10:35
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

安藤百福は”特許ハック”を用いて、短期間ではありますが独占状態を演出し、その機会を最大限に活かしました。もちろん合法的手法で。 私は皮肉ではなく、心からこの時期の百福の神がかり的な投資センスを称賛します。素晴らしき起業家です。

2019-02-22 03:10:35

◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

さて、商社から出資を得た百福は、本人いわく「無謀とも思えるほど」の大金を宣伝につぎ込みます。 明日は、この頃の宣伝がもっていた異常な威力について説明します。 というのも、現在の我々が考えている宣伝の力と、当時の宣伝の力は、全く違っていたからです、 pic.twitter.com/AUT9Stz5kC

2019-02-22 03:10:36
拡大
坂橋 @sakahashi

あれ?東洋水産は違ったんでしたっけ? twitter.com/ksk18681912/st…

2019-02-21 23:22:18
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

買収した張国文の特許を盾にインスタントラーメン業界を支配し、多額の特許料を得るという安藤百福の計画は、100%成功したわけではありませんでした。 素直に特許料を支払い日清食品の軍門に下る企業も多かったのですが、これに真っ向から立ち向かう勢力が2つあったのです。

2019-02-21 02:59:13
Harunoyume @Harunoyume2

@ksk18681912 エースコックは大阪の会社なのに、関東がテリトリだったとは知らなかったです。 acecook.co.jp/company/histor…

2019-02-22 00:04:08
近代食文化研究会@新刊『なぜアジはフライでとんかつはカツか?』発売中 @ksk18681912

@Harunoyume2 財界1962年7月号によると、販売代理店が関東での地位を築いたようですね pic.twitter.com/KxC7MyfzDR

2019-02-22 03:27:29
拡大
前へ 1 ・・ 6 7