マイナス金利と財政政策の比較

「負の利子率政策」https://www.nippyo.co.jp/shop/book/6835.htmlの著者 清水誠氏との対話をまとめました。
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望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

金融緩和は効かない(少なくとも効果が限定的)という現状認識があってはじめて、緊縮財政が禁忌であり、財政出動が必須であるという理解に到達可能なわけです。 「金融緩和は効くけど、緊縮財政はだめ」という主張の人々は、忌憚なく言えば論理的思考を欠いた分裂した見解の持ち主と言わざるを得ない。

2019-03-23 18:18:40
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@dangomusi_x 金融緩和有効論に固執するリフレ派の姿勢が、結果的に"財務省リフレ"(インタゲ+緊縮財政)をもたらしたという歴史上の"反省"があるわけです。 twitter.com/dangomusi_x/st…

2019-03-24 13:24:28
Makoto Shimizu @makoto_shimizu_

彼らは単に過去の考えの誤りを認めないだけであり、固執しているのは金融緩和効果ではなく、デフレは貨幣現象から発した間違った金融政策手法。実質金利を下げるならマイナス金利深掘りすべきで、ケインズ経済学の財政拡大に長期的効果はなかった歴史上の反省がマクロ経済学者のコンセンサスだろう。 twitter.com/motidukinoyoru…

2019-03-24 14:00:27
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@makoto_shimizu_ クルーグマン=エガートソン型の長期停滞の議論を受け入れるなら、財政出動の有効性も認めなくてはならないはずですけどね。 クルーグマンも「流動性の罠のなかでの最適財政政策」 okemos.hatenablog.com/entry/20090101… なんてものを書いてるわけですし。

2019-03-24 14:02:49
Makoto Shimizu @makoto_shimizu_

@motidukinoyoru 私の中ではクルーグマンはミクロの国際経済学者です。エガートソンはゼロ金利下限を前提としたら、金融政策としてフォーワードガイダンスが効くかもしれないし効かないかもしれないと言っているようです。財政政策に効果がないわけではありませんが、成長経済を考えた時に推奨されているとは思いません

2019-03-24 14:21:14
Makoto Shimizu @makoto_shimizu_

@motidukinoyoru マクロ経済学についても、私よりクルーグマンの方が信用できると言うのは仕方ないかもしれないが、そういう議論ならリフレ派と変わらない。もっともクルーグマンはMMTを辛辣に批判しておいるので、主張の中身を問題にされているとは思います。私もクルーグマンが言ってるから正しいとは思いませんので

2019-03-24 14:47:37
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@makoto_shimizu_ マイナス金利政策がもし仮に望ましいとしたら、それは(長期的な)均衡利子率の沈降が生じている場合においてのことであり、その場合は、 ①インフレ率上昇による実質金利低下でも本質的に効果は同じ ②潜在貯蓄超過が問題なので財政政策で十分に解決可能 ということは確実に留保しておくべきかと。

2019-03-24 15:00:31
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@makoto_shimizu_ 実質金利切り下げ政策(マイナス金利含む)と財政政策の違いは、相対的な財政規模の違いくらいのもので、本質的にどちらが優位ということはないでしょう。 例えば、マイナス金利は長期的に有効だが、財政政策はそうではない、というような議論は特に成立しないはずです。

2019-03-24 15:05:42
Makoto Shimizu @makoto_shimizu_

@motidukinoyoru その成立しない筈論は、理論なき思い込みのようにしか思えません。MMTは生産が外生なので資本収益率という概念がないからでしょう。インフレはコントロールできないし、物価が簡単に動くなら停滞が起こらないでしょう。だからマイナス金利政策は望ましく、投資を増やす事で貯蓄を吸収します。

2019-03-24 15:51:57
Makoto Shimizu @makoto_shimizu_

@motidukinoyoru 金融政策が長期的に有効なのは、投資を増やすからであり、それによって生産性も上がります。そうなれば賃金も上がり恒常所得が増加して消費が増えます。現代では財政にはそういう効果は殆どなくなっています。

2019-03-24 15:55:04
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@makoto_shimizu_ 期待収益率がマイナスの投資が増加することが、当期の消費追加よりも明らかに長期的で見た効用を増加させるかどうかはそこまで明らかな話ではなく、色々と前提が必要なはず(例えば、政府支出が明確に経済非効率であるとか)です。 政府投資を追加する場合も同様です。

2019-03-24 16:24:31
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@makoto_shimizu_ 突き詰めれば、経済厚生上、政府消費や政府投資が(民間投資に比して)どれだけ望ましいかに依存することになるので、少なくとも現代経済学でははっきりと白黒つかない問題のはずです。

2019-03-24 16:26:12
Makoto Shimizu @makoto_shimizu_

@motidukinoyoru だから実証的には金融政策の方が財政政策より経済成長させる効果があるというのが最近のマクロ経済学のコンセンサス(現在は少し揺らいではいても)だと言っています。不況期の投資の予想収益率がマイナスであっても長期均衡資本収益率がプラスであれば何も問題ありません。

2019-03-24 16:46:21
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@makoto_shimizu_ これまで長期停滞に陥っておらず、財政拡大のリスクリターンがそこまで高くなかった(非不況であったため、民間の需要が旺盛であり、政府支出が遊休資源の利用ではなく資源利用の置換を発生させる状況だった)というだけではないでしょうか。

2019-03-24 16:48:30
Makoto Shimizu @makoto_shimizu_

@motidukinoyoru 長期停滞について確かによく分かっていませんが、ゼロ金利下限を除けば理論的な状況がそれ程変わっているとは思いません。実質金利のマイナスはこれまでにも多少はあったわけで。生産性の向上による経済成長を考えれば、財政支出が今より急に効くようになるとは思いません。日本は完全雇用状態ですよ。

2019-03-24 16:54:59
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@makoto_shimizu_ そこまで複雑な話ではなく、総需要不足が顕在化し、均衡金利が低下するような局面では、経済厚生の面における政府支出のコストベネフィットは一般に向上しているだろうというだけの話ですよ。(当然、非不況ならその逆なわけですけど)

2019-03-24 17:00:07
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@makoto_shimizu_ また、現行の雇用状況についてはameblo.jp/nakedcds/entry…などで検討したのですが、全体の雇用需要がさして回復しないまま人口動態シフトによるワークシェアが進行した状態に過ぎず、その証拠に、実質雇用者報酬は大して上がっていないし、インフレ率の上昇も見られないわけです。

2019-03-24 17:01:46
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@makoto_shimizu_ また、レンルイスが指摘するようにecon101.jp/%e3%82%b5%e3%8… 、不況は労働集約化シフトやイノベーション利用低下を通じて、雇用の表面上の改善を呈しつつも持続する構造を持っています。 要するに、表面的な雇用(数量)指標の改善は、不況脱却や生産余力枯渇を示すものではないわけです。

2019-03-24 17:04:08
Makoto Shimizu @makoto_shimizu_

@motidukinoyoru 財政支出のコストベネフィットが仮に「向上」しているとしても、それ自体では財政拡大すべきという根拠にまではならないでしょう?経済成長を考える場合、総需要不足や超過貯蓄という概念はそれ程はっきりしたものではなくなります。完全雇用状態の日本で財政拡大のメリットは何ですか?

2019-03-24 17:05:46
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@makoto_shimizu_ 財政政策の(経済厚生上の)コストベネフィットが向上している場合、基本的には財政拡大するのが厚生の観点からいって望ましくなると言って良いはずです。(その逆も当然言えるわけですし ) 完全雇用云々についてはtwitter.com/motidukinoyoru…以下で議論した通りです。

2019-03-24 17:08:47
Makoto Shimizu @makoto_shimizu_

@motidukinoyoru それでも依然コストが上回っていたらやるべきではありません。人口動態シフトによるワークシェアが進行した状態、は私と望月さんの以前からの共通認識ですね。供給側からであっても失業が解消された事には変わず、ベネフィットは減ってもいます。財政がマイナス金利より良い政策であるとは言えません。

2019-03-24 17:14:26
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@makoto_shimizu_ それは単に清水先生が財政政策のベネフィットが低いという認識をお持ちというだけかと。 一般論として、インフラ更新、研究投資、産業政策、どの点をとっても日本政府(日本に限りませんが)は十分な規模で実行出来ているとは言えず、長期停滞下では特に低コストで実行可能なわけです。

2019-03-24 17:22:24
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@makoto_shimizu_ また、ワークシェアが進んだだけという認識を受け入れるなら、twitter.com/motidukinoyoru…で議論したように、生産余力の減少は起きていない(マスクされただけ)と考えなくてはなりません。

2019-03-24 17:23:19
Makoto Shimizu @makoto_shimizu_

@motidukinoyoru 生産年齢人口減ったら余力減るよねえ?パートからフルタイムに移行できる人はそれ程多くないでしょう。日本に限ってこれまでの財政支出を見てきたら、よほど忘れっぽくない限り財政の効果に疑問持つのがむしろ普通と思いますよ。私は財政よりいい方法をすればいいと思うだけです。

2019-03-24 17:29:28
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

@makoto_shimizu_ パートからフルタイムの移行もそうですが、潜在生産力が不況によって抑制された状況なので、就業数が単純増加しなくても、生産増加の余地があるでしょう。(詳しくは ameblo.jp/nakedcds/entry… をどうぞ)

2019-03-24 17:35:25
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