エレン先生、日本のアニメを語る

「騙ってんじゃねーよ!」は禁止ですキンシ
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↑ これの続きです

uroak_miku @Uroak_Miku

Two Asian gentlemen at someone's marriage ceremony. The left-handed man is Otsuka, a Japanese equivalent for Disney's Nine Old Men, and another man is Tezuka, the most wealthy comic artist in Japan in the early 1960s. pic.twitter.com/epLBo3yuwM

2020-10-27 10:57:38
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濱口桂一郎先生の賃金論

uroak_miku @Uroak_Miku

「戦後日本の賃金制度の変遷」 hamachan.on.coocan.jp/patronat89.html 「対決から協調へ:労使関係から見た現代日本」hamachan.on.coocan.jp/japanlec03.html これが日本アニメ史の通奏低音として鳴り響くのです

2020-10-27 12:39:26
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>例えば1962年には「賃金管理近代化の基本方向」を、翌1963年には「日本経済の展望と賃金問題」を出した。このころまでの日経連は、日本的な雇用のあり方に対して否定的な考え方を繰り返し提起し、職務価値に応じた合理的な賃金体系が重要であるとしていた。

2020-10-27 12:41:55
uroak_miku @Uroak_Miku

東映アニメの大川社長も、虫プロの手塚社長も、当時このテーマについてどこまで考えを深めていた(または分かっていなかった)のかは分からない。ただ今の目で振り返ると、見えない動乱の真っただ中でストライキと、テレビアニメへの胎動があった。 pic.twitter.com/VAg1BNIbNj

2020-10-27 12:46:25
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>政府の経済政策では、最も有名なのは1960年に池田勇人内閣がつくった「国民所得倍増計画」である。その中に、当時の経営側の主張と相まった形で、日本的な雇用のあり方に対する批判的な記述がある。

2020-10-27 12:47:33
uroak_miku @Uroak_Miku

>「生涯雇用的慣行とそれに基づく年功序列型賃金体系を技術革新の進展に適合して職業能力に応じた人事待遇制度へ改善してゆくことが必要」

2020-10-27 12:47:49
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>また、経済企画庁の経済審議会が「人的能力政策に関する答申」を1963年に出している。ここでの政府の考え方も同一労働同一賃金であり、職務の価値に応じて異なる労働には異なる賃金という秩序をつくるべきだというものであった。

2020-10-27 12:48:06
uroak_miku @Uroak_Miku

>経営側は熱心に同一労働同一賃金に基づく職務給を唱道し、政府も国民所得倍増計画等に見るように職務給に変えるべきだとした。

2020-10-27 12:49:54
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>労働側では、総評は批判的であり、中高年男性の賃金を引き下げようとしていると邪推しており、また総評以外の労働組合は職務給の考え方は正しいが、いろいろと問題があると主張していた。

2020-10-27 12:50:44
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>この立ち位置の転換を主導したのは経営側である。大きな転換点が1969年に出された「能力主義管理」である。「われわれは先達の確立した年功制を高く評価する。年功制は今日までの日本経済の高度成長を可能とした企業における制度的要因」の一つであったとした。

2020-10-27 12:51:36
uroak_miku @Uroak_Miku

>日経連として、能力主義と従来主張してきた職務給との整合性をどのようにとるかであるが、能力主義といっても職務とまったく切り離されるわけではなく、「職務の要求する能力を有する者が適職に配置されるという能力主義の適正配置が実現されれば、職務給、職能給、いずれも同じこと」であるとした。

2020-10-27 12:53:36
uroak_miku @Uroak_Miku

>日経連が能力主義管理を打ち出したことによって、先ほど指摘した政労使の配置状況の存在理由がなくなってしまい、この後、政労使を巻き込んだ賃金に関する議論は長い間、消えることとなった。

2020-10-27 12:54:07

アニメの世界には「賃金」がない

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ここでアニメ労働者の賃金について話を戻します。左の方は自分自身を「軍曹」と規定し、右の方は「職人」と自己規定。 pic.twitter.com/XfoELuqhn7

2020-10-27 12:56:14
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「俺は誰よりも勇敢で、常に戦線の戦闘に立ち、誰よりも強い兵にして現場のリーダーだ。不平不満があるなら俺より勇敢に戦ってみせろ!」と男の背中を見せて、ひとの十倍の量の絵を毎日描いていった。

2020-10-27 12:58:47
uroak_miku @Uroak_Miku

右の方はというと「ぼくは職人だから、アニメーターとしての評価は作画の巧さとこなす枚数がすべてだと考えている。賃金体系? 労働運動? そんなもん卒業しちゃった」

2020-10-27 13:00:55
uroak_miku @Uroak_Miku

そして二人そろってこう雄叫びした。  「良い作品を作ろう!」

2020-10-27 13:02:25
uroak_miku @Uroak_Miku

こうやって賃金の問題はコンクリに塗り固められていったのです。

2020-10-27 13:03:26

かつて日本には、賃金体系が二つがあった

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公道経済成長を続ける1960年代の日本は、あるべき賃金の体系の姿を巡って、二つの派がありました。戦前の国民総動員体制を支えた「生活給」の戦後日本版と、アメリカから戦後輸入された「職務給」。

2020-10-27 13:07:20
uroak_miku @Uroak_Miku

1969年(月着陸フィーバー!)に日経連は「能力給」を提唱。「生活給」と「職務給」の昇華バージョンこそが目指すべき方向だと訴えた。

2020-10-27 13:09:17
uroak_miku @Uroak_Miku

この背後には、英語でいう「seniority」の日本的解釈が絡んできます。「年功序列」と訳されることが多いのですが正しくない。

2020-10-27 13:10:38