エキエル先生との出会い・ポーランド語をどのように学んだか・私の翻訳の師匠
留学はその場で決定「あなたさえポーランドへ来られれば」
レッスンが終わり、“ショパンのためベストを尽くした” 幸せな時間に私は感謝の気持ちでいっぱいでした。 お礼を申し上げると、エキエル先生が話し始めました。通訳の楠原先生が日本語で伝えてくださいました。 「あなたさえポーランドへ来られれば、ワルシャワ音楽院の私のクラスに受け入れます。」 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-16 20:20:02私はショパンを弾く時、どう耳を働かせたらよいのか、何を本当に聴くのか、“ショパンの中を生きる” とはどういうことなのかを試行錯誤してきました。 この日、エキエル先生がすぐそばで全身を耳にして聴き入るのを目の当たりにし、聴き方、呼吸が同じようだと感じて驚き、そして安心したのです。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-16 19:32:15エキエル先生がポーランド語の先生を紹介
「ポーランドには物がない(1990年当時)。それをわかっていてください。」 「語学をしっかりやってきてください。」 一言一言が明確でした。 「ポーランド入国に必要な推薦書を私が書きます。」 「語学習得では、つかだみちこさん(翻訳家)という方に頼るといい。」 すべてが一気に動き出しました。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-17 06:28:37エキエル先生のレッスンを受けたこの日、私の人生は変わってしまいました。 レッスンが終わったその場で、ここまで話が進むとは思っていませんでした。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-17 12:02:00つかだみちこ先生の著書『キュリー夫人の末裔 - ポーランドの女たち』(筑摩書房、1988)を私はその少し前にリブロ池袋本店(05年閉店)で見つけ、読んでいました。 キュリー夫人の末裔―ポーランドの女たち by つかだ みちこ amazon.co.jp/dp/4480854630/… via @AmazonJP
2021-06-17 20:10:53@YukoKawai @AmazonJP 私もこの本を持ってます。'91年夏に読みました。 ポーランドが "うねりの中" にあった時ですね。 pic.twitter.com/iNAOj7vKf8
2021-11-07 15:11:36つかだみちこ先生の“赤ペン添削”
つかだ先生とも幸い連絡がつき、おめにかかることができました。 当時はインターネットがありません。ポーランドの語学学校で使われていた教材・練習問題を郵送してくださることになりました。 私はそれを学び、練習問題をすべて解いてつかだ先生に返送。先生が“赤ペン添削”をしてくださるのです。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-17 20:40:23[訂正]リブロ池袋本店の閉店: 05年→2015年 (私のリブロ池袋の記憶は1989/90年のもので、大好きな本屋さんでした。) つかだ先生が “赤ペン添削” してくださったプリントが戻ってくるのが楽しみでした。プリントの例文を読み、カセットテープにその声を録音して一緒にお送りしたこともあります。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-17 22:39:48つかだ先生は私のテープを聴いて、気づいたことを教えてくださいました。 ポーランド語では、原則として最後から2番目の母音にアクセントが来ます。 ある時、Maria さんの名前が例文に出てきました。マリア、マーリア、つまりMaria の Ma に重みが来ます。でも私は、マリーアと読んでしまいました。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-17 22:53:39最後から2番目の母音にアクセントが来る。つまり、例えば コーヒーはポーランド語で kawa カーヴァ♩ ♪といいます。 紅茶は herbata ヘルバータ といいます。 静かに! → Cicho! チーホ! twitter.com/YukoKawai/stat… pic.twitter.com/mUz7f6IXKA
2021-06-17 23:24:28つかだみちこ先生が「Maria は Ma にアクセントよ」と指摘してくださって、私はハッとしました。自分はなぜマリーアと読んでしまったのだろうか? 少し考えて、わかりました。 レナード・バーンスタインの West Side Story です。私の耳には、あの ‘Maria’ の響きがとても強く残っていたのです。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-18 12:06:26West Side Story の Maria とポーランドの Maria では読み方が違うのだと、この時私は覚えたのです。 つかだ先生はその他、エキエル門下最初の日本人であった赤津ストヤーノフ里佳子さんの録音、後にノーベル文学賞を受賞したシンボルスカの原著、ポーランド語音楽辞典などを貸してくださいました。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-18 19:02:01また私は名古屋の大型書店、丸善 @MARUZENNAGOYA へ行き、ポーランド語辞典と基本的な教材を手に入れました。 これでもかと山のように並ぶ英語コーナーのすごさ、人の多さに比べ、ポーランド語の場所は静かでひっそりとしていました。ポルトガル語教本とともに仲良く、何冊かが並んでいました。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-18 19:03:44丸善 @MARUZENNAGOYA から帰宅して買ってきた本を開き、付属のカセットテープでポーランド語の日常会話を改めて聴いてみました。 モニョモニョと聞こえてくるその響きに、これは本当に大変なことになったと思いました。 「こんにちは」「ありがとう」以外わからない。日本語とは響きがまるで違う。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-19 06:28:39ポーランド語は子音が多い言葉です。プシュプシュと子音が目立つ。 でもカセットテープを最初に聴いた時、子音のことより、抑揚が日本語とかなり違うことに対する印象のほうが強かった。 そして何より、単語をたくさん覚えないと生活できない。住んで、食べて、生きていかないといけないのです。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-19 12:41:03そしてポーランド語は文法も複雑です。名詞には格が7つあります。 もし、水 woda でしたら 第1格(主格): woda 第2格(生格): wody 第3格(与格): wodzie 第4格(対格): wodę 第5格(造格): wodą 第6格(前置格): wodzie 第7格(呼格): wodo と変化します。響きが立体的に変わります。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-19 12:43:08本気でやらなければ
動詞の使い方も単純ではありません。また仮定法の組み立ては、日本語ではとてもあり得ない方法でなされています。 言語の成り立ちとして、あらゆることが違う。思考方法が違う。 まさに本気で、命がけで取り組まないと、これほど日本語から遠い言語をものにすることは到底できないと悟りました。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-19 20:30:29それでも私のポーランド語習得への思いは強烈でした。 ワルシャワへ行ってエキエル先生の弟子になるのだから、最初にウィーン原典版 @ontomogakufu @ontomo_mag の「はじめに」を読んで憧れた、あの知的で深い音楽や芸術の話を、先生と直接できるようになるのです。 私さえポーランド語ができれば。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-20 12:12:00エキエル先生は英語を話されず、私がポーランド語を頑張るしかありません。 ウィーン原典版を読んで先生を尊敬するようになったけれど、言葉ができれば、世界最高峰のショパンの話をとことんできる。 自分の努力次第で、夢のようなことを現実にできるのです。私は強く自覚しました。やるしかない。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-20 20:14:48ポーランドの小学校教科書
名古屋には1984年にできた、名古屋国際センター @kokusaicenter という素晴らしい施設があります。ここには世界各国の学校の教科書が揃う、優れたライブラリーがあるのです。 私はそこで、ポーランドの小学校の教科書を初めて目にしました。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-20 21:47:02ポーランドの小学生が使う、国語の教科書。1〜2年生から3〜4年生に進むと私には急に難しくなり、5〜6年生になるともうお手上げでした。 「ポーランドの子どもたちは、こんなに難しいものを読んでいるの?」 私は気が遠くなりそうでした。 twitter.com/YukoKawai/stat…
2021-06-21 12:01:00