量子力学の基礎と量子コンピュータと2022ノーベル物理学賞

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

私が初めて、アスペの実験（2022年のノーベル物理学賞）を聞いたのは、今から31年くらい前、1991年頃。当時、理論物理のポスドクだった養老さん（今は阪大教授）からだったと思う。その時は、量子力学では当たり前のことを、なぜそんなに騒ぐんだろうと思ったものだ。仮に量子力学を受け入れるならば。

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

2000年前後のこと、暫く物理学会にご無沙汰だったので(当時の)発表テーマを見ると、エンタングル光子とかエンタングルメントとかという言葉に溢れていた。驚いたものだ。 しかし私は量子力学的な相関については武田暁先生の言葉を聞いて日本語として自分の言葉で理解していたので驚かなかった。残念。

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

ここで驚いていれば、よかったのだが。そうしたら自分でも興味を持ったのだろう。少し残念。（なんでも当たり前だと思ったら、発見はない）。結局、量子力学を当たり前だと思う感覚はどういうものなのか。数式でかければ「それは実在する」というわけでもないはず。

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

2022年度ノーベル物理学賞の解説。 日本物理学会。 （この書き方は、物理学を大学で学んだ人にしか通じないのが少し残念。でも良い解説です。） jps.or.jp/information/20…

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

そうそう。 「ベルの不等式は古典論から導かれるので、破れなければ「古典論は間違っているとは言えない」と言えるが、破れれば量子力学だけが正しいというわけではない。」 「破れれば古典論は間違っているので、代替理論が必要」「その一つ量子力学である、というのがベルの不等式の立ち位置。」

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

こういう報道、つまりややこしいことをややこしいとして伝える報道、をしてもらいたいものである。 ロジカルシンキングの訓練にピッタリである。 報道内容は単純化してはいけない。単純化は嘘（つまり間違い）であることを報道機関こそ、伝えるべきだと私は思う。なぜなら現実社会がそうであるからだ。

馬場正博 @realwavebaba

一般人（私を含め）には難解な説明ですが、純理論的な大発見が量子コンピュータの実現と将来の可能性という「実利」を伴うことでノーベル賞受賞の大きな要素になったのだろうということは想像できます。とは言え、量子コンピュータがどこまで人類に変革をもたらす結果になるかは、まだ不確定ですが。 twitter.com/y_mizuno/statu…

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

@realwavebaba 普通のコンピュータが論理ゲートの組み合わせでできていることから説明しないといけないのが辛い。しかしパラレルの意味で、量子コンピュータの構成部品としての量子論理ゲートは、もう出来ていると言えば、理解できるのでは？ 逆に、ノーベル賞があってもなくても、もう作れる状態にあると言えます。

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

@realwavebaba 原理的に作れると言っても、工学的に、使えるものが作れるかどうかは、やってみないと分からない（...「今ここ」だと思います。）

馬場正博 @realwavebaba

コンピュータのプログラミングはブーリアン代数が基本で、おかげで新しい言語が登場しても少し努力すればプログラマーは対応できます。量子コンピュータは稼働するところまでは到達しましたが、そもそもプログラミング出来るのか、まぁ年寄りは慎重にしかし好意的に見ていたいと思います。 twitter.com/y_mizuno/statu…

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

@realwavebaba 藤井啓祐先生が、2019年末のGoogleの量子超越性の実証論文の報道取材で「これはまだライト兄弟が初めて空を飛んだようなもの」と。 「ライト兄弟の最初のフライトは10秒ちょっとで実用に足るような飛行ではありませんでした。そんなもの使うくらいなら自動車で走ったほうが速い。しかしそこから100年」

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

@realwavebaba 出典は（今探すとこれしかありませんが）。複数あると思います。 ascii.jp/elem/000/004/0…

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

@realwavebaba 私が知る範囲では、素因数分解のショーアのアルゴリズムを愚直に実現する試みは、すでに2001年に成功しています。 nature.com/articles/41488… 2004年には、21 = 7x3をやる上で、2 qubitで実装した結果では約82000ステップも必要だった。でも今はもっと進歩していると思います。 arxiv.org/pdf/quant-ph/0…

馬場正博 @realwavebaba

素因数分解に量子コンピュータが活用できると、RSA暗号が簡単に解けてしまう。これは核戦争並みの事態になるはずで、量子コンピュータの実現前に量子暗号に移行する必要がある。そんなことが本当に起きてしまうのか。これは不安です。 twitter.com/y_mizuno/statu…

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

@realwavebaba 15とか21とかの因数分解だけで、これだけ大変なわけです。原理的にできることと、実際に例えば1000ビットの素数の素因数分解とは、別の話だと思います。アルゴリズムは1990年代に発見されて、大騒ぎになったわけですよね。でも現実には大変そうです。普通の計算機でも解ける時間との兼ね合いなのでは？

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

@realwavebaba その意味で、今回のノーベル物理学賞を、量子コンピュータと結びつける解説は、私は大反対です。 なぜなら量子コンピュータと、今回のノーベル物理学賞（量子力学的相関の実証実験の一つ）とは、無関係とは言わないまでも、それぞれ独自に重要だから。仮に他方がなくてもノーベル賞に値すると思う。

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

@realwavebaba 今回のノーベル物理学賞の解説でも、通俗的（一般向け）解説には"quantum computer"の関連の言葉は2回しか出てきません。 専門家向けの解説でも"quantum computing"はわずか2回しか出てこない。両者は殆ど無関係だから当然です。 通俗解説：nobelprize.org/uploads/2022/1… 正式解説：nobelprize.org/uploads/2022/1…

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

@realwavebaba マスメディアは、今回のノーベル物理学賞の意味を、それとしてきちんと解説するべきです。 今回のノーベル物理学賞は、「量子コンピュータにも関係するから重要」なのでは　ない　です。 そういういい加減な解説をするから、大事な本質が、社会的に理解されないままになってしまう。残念なことです。

馬場正博 @realwavebaba

私は物理学者でもなく「量子のもつれ」は理解できないのですが、きちんと理解している物理学者はさらに不可解と感じているのではないでしょうか。ファインマンの言うように、量子力学を本当の意味で「理解」している人はいないのかもしれない。 twitter.com/y_mizuno/statu…

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

@realwavebaba いやいや、実は簡単な理屈です。量子もつれなんて。ミクロの状態は区別できない（粒子番号を付けられない。どちらもありうる）、というだけです。

馬場正博 @realwavebaba

そこが素人には理解できません。「どちらもあり得る」という意味では、箱の中にリンゴと蜜柑のどちらかがあるとして、箱を開けるまでは中身はリンゴでも蜜柑でもない重ね合せ果実です、と言われているような気がします。 twitter.com/y_mizuno/statu…

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

@realwavebabaさん。今夜にでもゆっくりご説明します。一瞬で理解できると思います。（今から出ます）

馬場正博 @realwavebaba

よろしくお願いします。60年以上不可解なままで生きてきました。 twitter.com/y_mizuno/statu…

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

@realwavebaba 本当に自分の理解でいいのかどうか、少し確認させてください。

MIZUNO Yoshiyuki　水野義之 @y_mizuno

@realwavebaba 物理学会の解説を二つ、読んでみましたが、やはり私の「単純」な理解でOKなので、書いてみます。（どんな解説でもおそらく「その先を」ぐちゃぐちゃ、たくさん書いてあります。しかし基本のキは２粒子系の量子力学。それで終わりです。） ２粒子系を分かりやすくするために、重陽子を考えます。1/n