海外文学の古めの翻訳で「ようかん色」っていうのが出てきてどっちらけになった。ようかんはその地域に存在しないものだから

70年代の翻訳小説は旧字体の難しい漢字が多かった
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saebou @Cristoforou

海外文学の古めの翻訳で「ようかん色」っていうのが出てきてどっちらけになった。前に宝塚のアメリカが舞台の作品で「入籍」っていう台詞が出てきた時もかなりしらけましたが、こういうのはやめてほしいと思いますね。ようかんや入籍はその地域に存在しないもん。

2022-10-11 14:14:32

ようかん色は単にようかんのような色ではない

ニケ @LingkoNIKI

「ようかん色」、単に羊羹みたいな色というより、もとは黒だったものが褪せて傷んでいる状態を指すのに使われてきた蓄積がある言葉ですよね。落魄や不遇の連想を背負っている。加えて和風でもある。

2022-10-11 14:36:34
ニケ @LingkoNIKI

「ようかん色」という色名自体は前からあるので、最初からこの色を狙って染めることもそりゃあるのだろうけど、黒かったものが傷んだ状態を表すのに使われすぎたので、新品を指すときは避けて言い換えるのではないか。

2022-10-11 14:42:10
ニケ @LingkoNIKI

翻訳なのに西洋人にうっかり「ようかん色」を着せてしまう事故のリスクは、富を失った人物が、褪せた黒を着ている場面の方が上がりますね。

2022-10-11 14:46:37
ニケ @LingkoNIKI

「落魄の身の上を手癖で書いたやろ」っていうやつ。

2022-10-11 14:48:26
生ハメムロン @shimekonousagi

どんな文脈で使われたか知らないけど、羊羮色ってただ色を指すだけじゃなくて、洗濯だの紫外線だので退色して赤茶けた、みすぼらしい黒みたいな意味が込められた慣用句だったんじゃないかな。 twitter.com/ashibetaku/sta…

2022-10-12 10:37:36
芦辺 拓 @ashibetaku

『ドグラ・マグラ』に「正木博士は羊羹色の紋付羽織(略)という村長然たる扮装」」とあるように、これは服地の色として使われてきた表現。微妙な色彩の訳語として使ったのは先人の知恵で、むげに排除するのは、日本語の連続性を断ち切ることになるし、「西洋にない」から排除というのは狭量では。 twitter.com/Cristoforou/st…

2022-10-12 03:40:01
しのき美緒@HelveticaBooks @shinokimio

ようかん色、素敵ですよね。黒系の褪色のことですが、ご存知ですか?くたびれて日に灼けた背広とか、和服の折り山が浮かびます。豊かな日本語で作品を味わわえて良き。英語にご堪能なら、原書でお読みになればよいと思います。白けずに読めるでしょう。 twitter.com/Cristoforou/st…

2022-10-12 11:01:24
翻訳するポット🫖 @potpotkettle

チェスタートン作、村崎敏郎訳の『村の吸血鬼』に、「ようかん色のフロックコート」という表現がありました。これは英語の「a black frock-coat faded to bottle-green」にあたるようです。 ここでは、黒・赤系か、黒・緑系か、という違いも。 aozora.gr.jp/cards/001123/f… twitter.com/Cristoforou/st…

2022-10-12 17:20:43
翻訳するポット🫖 @potpotkettle

堀達之助・英和対訳袖珍辞書による訳語では、「liver-colour」に対応するのが「羊羹色」ということになっていて、これは両言語とも黒・赤系です。 library.rikkyo.ac.jp/digitallibrary…

2022-10-12 17:27:11
翻訳するポット🫖 @potpotkettle

村崎敏郎翻訳について:黒染めの布が色あせて緑になることはないだろうという常識が日本語の読者にあったとすれば(実際そうなのか?)、あえて翻訳者が原文と異なる赤系に置き換えたという可能性もあるけれども、それよりは、あせた黒染めといえば羊羹色、という連想で筆が滑った可能性が高いと思う。

2022-10-12 17:33:10
翻訳するポット🫖 @potpotkettle

「coat faded to green」でググると他の作品がいくつか出てくるので、英国のコートは実際古くなると緑がかってくるのか、少なくともそのような慣用句があるかなのだと思う。 和装については、黒紋付が褪色すると赤紫みを帯びる、この色を羊羹色という、という説明がよくある。so-bien.com/kimono/%E8%89%…

2022-10-12 21:13:01
縞鯵井 咲(しまあじい さき) @B94nh9quwS2oQwT

@Cristoforou 元の色がなんであろうが長年に渡って大切に大切に着倒すと「羊羹色」になるのだそうですよ。単に色合いだけでなくその人の年齢だとか経歴だとか、ことによると親御さんの世代からのお品だったりとか…とにかくものすごく情報量が多い言葉です。

2022-10-13 07:02:48

ピロシキ→肉まんじゅう スパゲティ→うどん などの翻訳による置き換え

竹内喜六 @hX88Z5KqNf3rJHo

@Cristoforou 今なお新潮文庫で版を重ねている中野好夫訳『ロミオとジュリエット』では、乳母が「ナムアミダブ」、マーキューシオが「南無帰命頂礼」と唱えますが…。そもそも逍遙訳『ハムレット』で、墓掘りが「なんまいだぶ」と言いますし。

2022-10-11 17:20:41
あめじのゲームと創作活動 @707bToFcIw2ZyxE

@hX88Z5KqNf3rJHo @Cristoforou ハムレットでは、オフィーリアに「尼寺にいけ」と吐き捨てるシーンもありますね。 多分向こうでの修道院(修道女)を指しているのかなと思いますが、日本語訳ならなんの問題もないと思います。 意味が通じるので。 どういう表現なら日本人に通じるかを考えられているのではないかなって思います。

2022-10-12 06:29:27
@codoboqogopo

@Cristoforou 何かは忘れたけど、チェスを将棋って訳してる海外文学の古い訳があったなあって思い出しました。 ただ、当時の読者からしたら、よく分からない「チェス」なるものよりも、将棋としてくれた方がその話の世界に入り込みやすいという点で、必ずしも悪いものではなかろうと私は思います。

2022-10-11 19:34:08
Tomoki Yamabayashi @tomokilove

@nozomi1950 チェーホフ「かわいい女」から。“пирог” の和訳。 パイ………浦 2010 ピローグ(ロシア風パイ)………沼野 2008 ピロシキ………松下 1987 肉まん(ピローグ)………神西 1969 肉饅頭(ピロシユヤ)………昇 1946 饅頭………原(久)1933 tomoki.tea-nifty.com/tomokilog/2007…

2022-10-11 21:26:29
Tomoki Yamabayashi @tomokilove

@nozomi1950 おなじく「かわいい女」から。“бубликами” の和訳。 ドーナツ・パン………浦 2010 輪型パン(ブブリク)………沼野 2008 大きめの輪形パン(ブーブリカ)……児島 2006 ドーナツ………原(卓)1991 輪形の乾パン………昇 1946 ビスケット………原(久)1933 tomoki.tea-nifty.com/tomokilog/2007…

2022-10-11 21:26:40
Ανώνυμος👀 @PEx791q1

@Cristoforou 神西清訳のゴーリキー『どん底』では、ピロシキを肉まんじゅうと訳してました。劇団昴で1970年代にその翻訳を台本にして上演したときにはさすがにピロシキに戻したみたいです。おっしゃるとおり時代に合わせて柔軟に訂正するべきだと思います。

2022-10-11 21:31:10
shinin'S @s_shinin

光吉夏弥先生は「ひとまねこざる」の和訳で 当時日本で一般的でなかったスパゲッティを「うどん」と訳した。 翻訳作業は言葉の置き換えでなく文化の比較対照だと考えます。 twitter.com/Cristoforou/st…

2022-10-12 06:46:26
森人 @al4ou

原語の意図を伝えられるなら羊羹色でも問題ない。当時の読者にはそれでストレスなく理解できたんだろうし。やっかいなのは日本人に伝えやすくしようとして、結局原語のニュアンスが崩壊してる場合。平井呈一訳の『吸血鬼ドラキュラ』でBowie knifeが匕首に訳されてたのはさすがにちょっと…… twitter.com/ashibetaku/sta…

2022-10-12 09:30:12
森人 @al4ou

ボウイナイフと匕首が全然別物なのはもちろん、テキサスのカウボーイにボウイナイフを使わせるというブラム・ストーカーのこだわりが読者に伝わらないというのはもったいない。

2022-10-12 10:51:34
森人 @al4ou

この手の、翻訳でニュアンスがそぎ落とされるというのは結構あって、例えばコナン・ドイル『恐怖の谷』に自由民団ってアイルランド系アメリカ人の労働組合が出てくるが、原書だとthe Eminent Order of Freemen。これと似た名称の団体はThe Most Eminent Order of the Indian Empireで、

2022-10-12 11:04:11
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