連休の日曜なので、20年近く前のガラケー昔話を連投してみる。 当時、ガラケーの主流が着メロから着うたに変わりつつあった。ぼくは中小の着メロ屋だったが、着うたにはサービスの刷新が必要になる。原価のアップも痛いが、なにより配信権のライセンスを受けるのが非常に困難だった。(1/8)
2023-08-13 20:07:26着メロの場合はカラオケ音源と同じ扱いなのでJASRACに申請すれば登録楽曲はほぼ自由に配信できた。いっぽう着うたは基本CD音源なので、JASRACだけでなくレコード会社から直接原盤許諾を受ける必要があるが、これが中小零細にはハードルが高く、ほぼムリ。(2/n)
2023-08-13 20:08:03僕のような中小着メロ屋は困った。そこで登場した救世主が「ニセうた」 スタジオミュージシャンに原曲のカバー演奏をさせて着うたを作って提供。 CD音源ではないのでレコード会社の許諾不要、大いに普及した。ちなみにニセうたの当時最大手は、今や東証プライム企業のモバイルファクトリー社(3/8)
2023-08-13 20:09:07「ニセうた」着うたで当面のピンチを回避できたが、ユーザーには不評だった。まあ、ミスチルの着うたを買ったつもりが知らん奴のカバー歌唱を聞かされるわけで当然っちゃ当然ですが… 何とかマトモな着うたを配信したい。しかし国内レコード会社には相手にされない。いろいろ考えた。(4/8)
2023-08-13 20:10:09考えて向かったのはダイソーのCDコーナー。100円で売られてるCDがたくさん。日本の楽曲だと軍歌童謡が大半で需要が厳しいが、ジャズやクラシックは有名アーティストでも100円。これはイケそうだ!CDやケース裏に書いてある楽曲ライセンサーを片っ端からリストアップした。(5/8)
2023-08-13 20:11:37候補になりそうな楽曲ライセンサーにメールして交渉。いくつか返事がある中で「来月シンガポールの展示会に出るからそこで商談しないか?」という提案が。もちろん二つ返事でok。 ※ちなみに音楽著作権は海外の権利保有者でも日本向けの許諾ができるとは限らない。この辺の知識も並行して勉強した(6/8)
2023-08-13 20:12:25翌月向かったシンガポールの展示会。 当時の日本モバイル市場はガラパゴス絶頂で日本以外全部を合わせたより大きいが海外との接点はほぼなく、外から見ると黄金の国ジパングに見えていたようだ。たぶん唯一の日本参加者だった僕は海外企業との商談をソコソコ有利にまとめることができた。(7/8)
2023-08-13 20:14:25このライセンス契約によって独自音源を確保し「ジャズ」「映画音楽」「クラシック」などのオリジナル着うたの提供にこぎつけた。もちろんJ-POPに比べれば市場規模は限られるが、競合も少ない。クラシックではガラケー滅亡までの間ずっと市場シェア2-3位を確保、良いビジネスになった。(8/8)
2023-08-13 20:15:08ガラケーが無くなって2年経ったので諸般の守秘義務が外れたものもあり、昔話もできるようになってきました。今のビジネスには具体的な参考にはならない話ですが、老人が語るお盆の古き良き昔話として。 怖い話もありますが、それはまたいつか…(appendix)
2023-08-13 20:16:06試聴がないほうが課金率が圧倒的に高かったのはここだけの話 twitter.com/ashikagunso/st…
2023-08-13 20:24:02これはユーザーとしてはなんやねんこのボイスって思ってた twitter.com/ashikagunso/st…
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