【終了】💉以外の原因を示した自称「ワクチン問題研究会」

研究会を名乗りながら何の根拠も示さずにワクチンが原因と決めてつけていたのに、突如、コロナ禍以前からのビタミンD不足が主原因だと記者会見で発表! 今更、無かったことにはできないぞ! 存続の危機をどう乗り切る⁉︎ 乞う、ご期待!
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最新情報

何と、驚くことに、2024年3月18日の記者会見によれば、ワクチン問題研究会は、ワクチン接種後症候群の大半の原因が新型コロナワクチンではなくコロナ禍以前からのビタミンD不足だと特定している。それなのに、ワクチン問題研究会はワクチンが原因だと言い張ることをやめない。記者会見まで開いて発表したのだから、掘ってしまった墓穴を取り消すことはもはや不可能である。

まえがき

トンデモ論者・陰謀論者・偽医療推奨者特有の性質として、科学(医学)の土俵に立つことを異様に嫌がる性質がある。時間がないとか、目の前の患者を救うことが重要だとか(救いたいなら尚更科学の土俵に上がる必要があるのだが)、医学界は閉鎖的だとか、ひたすら言い訳を繰り返して科学の土俵から逃げたがる。

一方で、根拠のない空想理論を振り翳したり、現存する論文の内容を捻じ曲げたりして、無知な素人相手への啓蒙には暇を惜しまない。科学の土俵には上りたがらないが、場外乱闘だけは積極的かつ得意なのである。

こうした科学の土俵に上がらない場外乱闘だけが得意な輩の主張は鵜呑みにすべきではない。

まとめ 根拠出さず反証にケチつける非科学的な反科学煽動者【自己まとめ】【拡散希望】 反ワクさんは根拠のない妄想を語るが、現実に存在するリスクを一切示さない。その態度は科学に反する。 60129 pv 2126 3 users 83

文藝春秋2024年4月号の記事

文藝春秋2024年4月号の記事も非科学的な内容である。

京都大学名誉教授の福島雅典氏が新型コロナワクチン後遺症の調査結果についての論考を、月刊「文藝春秋」4月号で発表した。福島氏は2023年6月、「ワクチン問題研究会」という学術団体を有志の医師らと立ち上げ、ワクチン接種後の健康被害=「ワクチン接種後症候群」の研究に取り組むべく、四つの目的を掲げた。

「ワクチン問題研究会」が学術団体と呼べるような科学的な活動を一切行っていないことは記者会見資料の項目以降で説明する。

次頁の表は、ワクチン接種後、急に発症するなどした疾患として、2021年12月から2023年11月までの2年間に、国内の医学学会で報告・検討された疾患の一覧です(開催学会数134、演題数447)。計201疾患に上り、あらゆる体内組織で発症しています。

これらは接種後の疾患であって、ワクチンとの因果関係が示されていない。

世界中の論文から見えてくるこのワクチンの副作用は、パターンが決まっておらず、全身に起こる、しかも複数の疾患が同時に起こることもあるというものでした。

何の根拠も示さず、そのことについて一切説明もなく、接種後事象をしれっと「副作用」にしてしまっている。これはインチキ以外の何物でもないだろう。

さて、これが「ワクチンの副作用」であるならば、当然、その作用によって起こる症状が圧倒的に多くなるはずである。しかし、福島雅典は「このワクチンの副作用は、パターンが決まっておらず」と、症状に全く偏りがないことを認めてしまっている。第100回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和5年度第15回薬 事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 大曲参考人提出資料(p.42)でも「入院症例において、単一施設・医師から5例のIgA腎症が報告され」た以外は、特定の症状や疾病への報告の集中はみられなかったとされている。

こんな副作用の出方は前例がない、というのが医師としての率直な感想です。私の専門のがんで言うと、抗がん剤は副作用の嵐ではありますが、そのパターンは決まっているからです。

「ワクチンの副作用」なら、その作用によって起こる症状に集中するはずなのに、むしろ、逆に「パターンが決まっておらず」となるなら、「こんな副作用の出方は前例がない、というのが医師としての率直な感想」となるのは当たり前である。そして、真っ当な医師なら、「こんな副作用の出方は前例がない」ような「ワクチンの副作用」では全く説明のつかない現象なのだから、「ワクチンの副作用」ではない可能性が高いと考える。しかし、福島雅典は、これを無理やり「ワクチンの副作用」であることにするため、あらゆる有害作用を引き起こす史上最大の毒物であるかのように偽装しているのである。もちろん、福島雅典は、そのような現実離れした仮定を持ち出した根拠を一切示していない。

厚労省のデータを元に、ファイザー社製ワクチン接種後の死因を円グラフにすると、死因上位は、(1)血管系障害、(2)心臓障害、(3)状態悪化、(4)肺炎、(5)その他、と血管系障害と心臓障害だけで半数近くを占めるという。これは接種開始から数カ月間の時期でも、翌年までのデータでも、死因の順序も割合もほぼ一致した。

これは未接種者と比較していないので全く何も言っていないに等しい。何故なら、未接種者における「死因の順序も割合もほぼ一致」するなら、「ワクチンの副作用」ではないことを示唆するからである。未接種者と傾向に違いが見られて、初めて、「ワクチンの副作用」と疑う理由になるのである。自称研究会がそうした検証から逃げまくっているので、やむなく、当方で検証して見せよう。2020年の人口動態調査における死因別死亡数は次のとおり。

無関係死亡全数

このうち、がんなどの接種後死亡として報告されにくいであろう症例を除くと「血管系障害と心臓障害」は約46%になる。

無関係死亡

この当時は新型コロナワクチン接種が始まる前だから、これは未接種者の傾向である。つまり、接種者も未接種者も死亡原因に占める「血管系障害と心臓障害」の割合は大差ないように見える。このことも接種後死亡の多くがワクチン接種とは無関係な死亡であることを示唆する。もちろん、死因の分類方法の違い等もあるので、大差ないとまでは断定できない。この比較が雑であることは事実であるが、自称研究会の連中は雑な比較すらしないままに「ワクチンの副作用」だと決めつけている。根拠も示さずに結論が決まっているのでは極めて非科学的と言わざるを得ない。そもそも、研究会を自称しておいて、根拠となる比較をしないなら、一体、何を研究しているのか。

なぜ、ワクチンが様々な健康被害を生むのか。
〜(中略)〜
体に備わっていた免疫機能が低下します。

現実の現象と完全に矛盾する空想理論は科学的には全く意味がない。

血管系障害と心臓障害は、ワクチン接種後ほぼあらゆる人の体内で起きているのではないか。

新型コロナワクチンQ&A79にも紹介されている通り、新型コロナワクチン接種で心筋炎等のリスクは少し上がるが、殆どは軽症であり、新型コロナ感染の方が心筋炎等のリスクが高いことがわかっている。Real-World Effectiveness of BNT162b2 Against Infection and Severe Diseases in Children and Adolescentsによれば、その結果として、オミクロン株に対しては、新型コロナワクチン接種後の、接種による心筋炎のわずかな増加と感染防止効果による心筋炎の減少を差し引いた合計の心筋炎のリスクが下がっている。

リウマチや皮膚筋炎といった自己免疫疾患が多発しているのは、これが原因でしょう。

既に指摘した通り、これは接種後症例にすぎず、因果関係が示されていない。Risk of autoimmune diseases following COVID-19 and the potential protective effect from vaccination: a population-based cohort studyによれば、新型コロナワクチン接種により自己免疫疾患のリスクが低下することが示唆されている。

その結果生じる副作用の一例が、帯状疱疹だとみられます。

Assessment of Herpes Zoster Risk Among Recipients of COVID-19 Vaccineによれば、新型コロナワクチン接種により帯状疱疹のリスクは低下している。

さらに福島氏が懸念しているのが、がんだ。厚労省のデータを元に、がん種別に年齢調整死亡率を月単位で算出。それを棒グラフにして、月毎のワクチン接種者数の折れ線グラフと重ねると、ワクチン接種後のタイミングで明確に死亡率が上がっているがんが複数あった。

最も増加したのが、血液のがんである白血病。また、乳がん、卵巣がんも同様だ。

年齢調整死亡率は、年齢構成が違う国同士を比較したり、年齢構成が大きく変わるほど長期間の時系列変化を追うときに採用するものである。同一国の数年程度のデータでは、年齢構成の変化は極めて小さいため、年齢調整の必要性がない。それなのに、何故、年齢調整をしたのか意味不明である。よって、ここでは年齢調整をしないデータを示す。

人口動態統計月報によれば、白血病、乳がん、卵巣がんの死亡数は、中短期の変動は見られるものの、新型コロナワクチンの接種開始前後でトレンドの大きな変化はない。接種数との相関係数も0.2未満であり、これは10ヶ月程度の遅延を考慮しても同じである。

ターボがん

つまり、「ワクチン接種後のタイミングで明確に死亡率が上がっているがんが複数あった」等は全くの事実無根のデマである。

私は2022年8月、感染者について、ワクチン接種者と未接種者における重症化率と致死率のデータを開示すべきだという行政文書開示請求書を厚労省に提出しました。ですが、待たされた末に届いたのは、不開示決定通知書でした。

不開示決定通知書を受け取りながら、そこに記載された不開示理由を明らかにしないのは不自然であろう。

私のことを“反ワク”と呼ぶ人がいるのは承知していますが、バカバカしい話です。科学者であればワクチンへの賛否という主観を交えず、あるがままに事象を見るべきです。事実に目を瞑って「ワクチンは安全なんだ」と妄信するのはいわば“ワクチン信仰”でしかありません。体内で起きる現象は、医学の対象となるもので、信じるか信じないかという宗教論争にするのは間違っているのではないでしょうか。

以上の通り、福島雅典は、ワクチンへの否定という主観のみに従って、都合の悪い事象には一切目を向けず、一部の事象を捻じ曲げて持論に都合良く利用している。それこそ科学者にあるまじき行動であろう。

他にも、新型ヤコブ病や心筋融解などの驚くべき症例も採り上げている福島氏の論考「コロナワクチン後遺症の真実」は、3月8日発売の文藝春秋4月号(電子版では3月7日に先行公開)に16ページにわたって掲載される。

現実を無視した「論考」は科学的には何の意味も為さない。

記者会見資料より

記者会見資料(2023年9月7日)には、科学的根拠と呼べるものが一つもない。

理論(作用機序)

医学の世界では、どんなに立派な理屈も根拠にはならない。例えば、立派な理屈で見出された医薬品候補物質も成功確率は数万分の1にすぎない。

-富士フイルムの説明
-日本製薬工業協会調べ(2011〜2015年度)

理論が当てにならない原因は、人体の仕組みの一部しか判明していないからである。医薬品が人体全体の仕組みにおいてどのように作用するかで医薬品の医学的効果(副反応含む)が決まるのであり、その仕組みの一部しかわかっていないのでは正しく医学的効果(副反応含む)を予測するのは困難である。だから、少なくとも現代医学では、理論が科学的根拠になるのではなく、科学的根拠が理論を裏付けるのである。とくに、免疫は複雑で未知の部分も多いため、理論的予測を鵜呑みにすることはできない。

-新型コロナワクチンQ&Aより
-宮坂昌之氏による説明

副反応疑い報告・接種後死亡報告

副反応疑い報告は「疑い」に過ぎないし、接種後死亡報告も因果関係を特定していない。実際の報告を見ると報告医が「関連あり」としている報告の方が圧倒的に少ない。

報告内訳

予防接種法に基づく医師等の報告のお願いによれば、「因果関係が必ずしも明らかでない場合」も報告対象としている。2023年7月28日時点の接種後死亡報告では、報告医が「関連あり」として報告しているものは全体の14%強しかなく、報告医が「関連なし」として報告しているものも8%強ある。つまり、報告医が確信を持ってした報告の方が圧倒的に少ない。

また、ほとんどはγ(情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの)であるが、評価できない原因は報告の不備である。たとえば、同日時点での副反応疑い報告では、心筋炎・心膜炎ではブライトン分類がレベル4(症例定義に該当するかどうか不明)が過半数を占めるなど、症例定義に該当するかどうかを判断する情報なしに報告医はどうやって心筋炎・心膜炎と診断したのか全く不可解である。酷いケースになるとレベル5(症例定義に該当しない)の報告もある。

つまり、真偽を検証するのに必要なデータが提出されていない、すなわち、当てずっぽうで報告されているものが大半である。新型コロナワクチンに関する安全性の研究結果から推測すると、当てずっぽうの場合に本当に因果関係がある確率は極めて低い。この点について全く説明しないのはフェアではない。

一方で、ブライトン分類を公表している事実は、予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会が死因とされた症状が実際に現れているかどうかも含めて一件一件丁寧に検証している事実を示している。福島雅典は「書面だけで審査する」(2023年9月7日の記者会見)などと、あたかも雑な評価がされているかのように主張するが、実際には一件一件極めて丁寧に評価されているのである。評価不能になる原因は、検討部会の評価が雑なせいではなく、報告医が検証に必要なデータが提出していないせいである。

そもそも、報告医には世界的名医もいるかもしれないが、逆に、医師とは名ばかりの医師免許を持っているだけのヤブもいるだろう。それなのに、報告医の報告は100%信頼できて、かつ、ブライトン分類のような医学的基準に基づいて検証する専門家の検証は信頼できないと考える方がおかしい。常識で考えれば、全く逆であろう。さらに言えば、本制度では専門家の検証は全く信頼できないと主張する者が、救済制度においては専門家の検証が全面的に信頼できるなどと簡単に掌を返す。しかし、同じ厚生労働省の審議会なのに、信頼性が全く違う根拠は何一つ示さない。そして、このような掌を返す連中は次の2つを矛盾なく説明できない。

  • 厚生労働省に2つの制度が独立して存在する理由
  • 両制度で評価結果が全く違う理由

掌を返す連中の主張を真に受ければ、同じことを検証する目的の審議会が同一省内に2つ存在することになる。しかし、2つも同じ目的の審議会を何の目的で作るのか、その理由は全く説明出来ない。そして、同じ目的ならば、同じデータを同じ基準で評価しているはずであり、ほぼ同じ評価結果となるはずである。それなのに、全く違う評価結果となるのはなぜか。掌を返す連中は一方が正しくて他方が間違っていると主張するが、そうすると同一省内に真っ当な審議会と出鱈目な審議会が混在することになる。百歩譲って、仮に、どちらかが正しくてどちらかが間違っていると仮定して、では、どちらが正しくてどちらが間違っているのか。どちらが正しいのか、正しさを検証する根拠は何ら示されない。

そんな無理のある主張よりは「制度の目的が違うから、2つの制度が独立して存在する」「目的が違えば、評価基準も異なる」「その結果、評価結果も異なる」と考える方がよほど自然であり、矛盾も一切生じない。その事実を彼らは受け入れようとしないが、それに取って代わる矛盾なき説明も用意しない。

しかも、接種後死亡報告の全体の14%を占める報告医が「関連あり」とした報告のうちの99%以上、および、全体の8%を占める報告医が「関連なし」とした報告のうちの94%弱は、実際には因果関係が評価不能である。この事実は、これらの報告が医学的基準ではなく医学的根拠のない主観的なカンで診断されていることを示している。つまり、少なくとも接種後死亡報告の20%は医学的診断ではなく呪術的診断で報告されているのである。これは医師免許制度を抜本的に見直す必要があるほどの由々しき問題である。

まとめ γ(因果関係評価不能)多数は報告の不備【自己まとめ】【拡散希望】 報告医が検証に必要なデータを提出していないからγ(因果関係評価不能)になるのであって、恣意的にγにしているわけではない。 75231 pv 56 1 user 17

そもそも、研究会を自称しておいて、厚労省が発表した副反応「疑い」報告や接種後死亡の内容を精査することなく、「医者はね、そんな伊達で報告しませんよ」「ワクチンとの関係が強く疑われるから報告してる」(2023年9月7日の記者会見)などと事実に反する(報告医が「関連あり」とした報告の僅か14%=少数派)空想を垂れ流すことしかできないなら、一体、何を研究しているのか。ついでに言えば、2023年9月7日の記者会見では次のような根拠ない空想も垂れ流していた。

  • 「数分の1しか被害届出してない」
  • 「ある大病院の院長が、その県の人がワクチンうった後、急におかしくなって死んだ」
  • 「箝口令までしかれちゃうんだ」
  • 「みんなほったらかし」
  • 「厚労省は隠ぺいしようとしてる」
  • 「何千人も殺して、何万人も不幸にして」
  • 「がんが発生した」

この点は記者会見資料(2024年1月11日)においても何ら改善されていない。

救済制度認定件数

「新型コロナワクチン接種後の死亡認定件数」は健康被害の認定件数ではなく、救済対象の認定件数である。予防接種後有害事象 (AEFI) の因果関係評価 WHO 分類改訂第2版ユーザーマニュアル(日本語版)p.7のとおり、個人単位での予防接種後有害事象の因果関係の立証は極めて困難である。だから、グレーゾーンは極めて広い。健康被害救済制度の考え方には「厳密な医学的な因果関係までは必要とせず」と明記されている。2023年9月22日時点の審議結果によれば、否認理由は①基準より軽症:293件+(②と重複分28件)、②因果関係否定論拠あり:281件+(①と重複分24件)、③判断資料不足:3件であり、グレーゾーンでの否認事例はない。このように因果関係が不明確なグレーゾーンも含めた認定である。そして、副反応疑い報告制度の認定状況等を考慮すれば、本当に因果関係がある場合が含まれるとしても極僅かであると推定される。それなのに、そのことについては一切触れず、あたかも全件クロ認定であるかのように偽装するのはフェアではない。

審議結果内訳
否認理由

既に説明した通り、個人単位での予防接種後有害事象の因果関係のグレーゾーンは極めて広い。だから、以下のいずれかの誤りを無くすことは困難である。

  • ワクチン接種が原因であるのに救済を否認してしまう誤り
  • ワクチン接種と無関係であるのに救済を認定してしまう誤り

第1回厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会資料5(予防接種制度について)p.6のとおり、「不可避的に健康被害が起こりうるにも関わらず予防接種を実施することから、特別な配慮として法による救済措置は不可欠」、第1回厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会議事録のとおり、「予防接種の場合には副反応ということで、一定の確率で過失がない場合でも何らかの副反応が起こる可能性があるということですので、そういう場合の特別な配慮としての救済というのは、やはり不可欠ではないか」とする制度の趣旨から考えて、前者の誤りを無くすことが優先されると考えられる。もちろん、後者の誤りもない方が望ましいが、そのために前者の誤りを許容することはできない。そのバランスを考慮すれば、シロは否認、クロとグレーは認定とすることが妥当な落とし所であろう。故に、本制度ではグレーでも認定されていると考えられる。

尚、申請件数が増えた理由については、反科学煽動団体の代表が自分たちが唆したせいだと認めている

申請件数

まとめ 救済認定≠被害認定→それは別制度【自己まとめ】【拡散希望】 因果関係が肯定も否定もできない場合は全件救済認定→目的の違う救済制度では厳密な因果関係で原因を特定する副反応検討部会の検討結果は覆せない 87197 pv 354

この点も記者会見資料(2024年1月11日)において何ら改善されていない。

論文

「PubMED公開論文ヒット数一覧」の件数も掲載されているが、結論が肯定的か否定的かについて区別されておらず、IF値の高い信頼できる論文と捕食出版まがいの雑誌の論文も区別されていない。一般に、「論文出せ」と言われる時の「論文」とは、持論の科学的根拠になる論文のことであって、症状名の検索に引っ掛かっただけの内容不明(肯定か否定かすら不明)の論文のことではない。確かに、この数値は医学界で興味を持たれた課題であることを示しているかもしれない。しかし、論文の質はおろか、肯定的研究なのか否定的な研究なのかすらわからないのでは、危険性を示す科学的根拠にはなり得ない。

百歩譲って、この中にワクチンの危険性の科学的根拠が含まれていると仮定しよう。だとすれば、その根拠となる論文を抽出するのは、ワクチンが危険だと主張する側の仕事である。「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」なんて手数だけで勝負するのでは、自ら科学的根拠はないと自白するに等しい。そもそも、研究会を自称しておいて、世界中の論文の中から科学的根拠を探すことすらしないなら、一体、何を研究しているのか。

記者会見資料(2024年1月11日)では数件の具体的論文が示されているがその内容がお粗末すぎる。

掲載誌の信頼性

記者会見資料(2024年1月11日)に掲載されている雑誌はいずれもOpen Access Journalであるが、Open Access Journalはピンからキリまである。中には、金さえ払えばどんな論文でも掲載するハゲタカ出版と呼ばれる酷いものも存在する。

Open Access Journalの先駆けとされるPLOS ONEはハゲタカ出版ではないとされるが、それでもかなり出鱈目な論文が散見される。内容の妥当性だけ査読して中身のインパクトは問わずに掲載率を極端に上げたことになっているが(リンク先p.608-609に記載)、内容の妥当性に関する査読が全くされていないと思われる論文もいくつか存在する。

例えば、A double-slit experiment with human subjectsはアンケート結果を二重スリット実験に準えるトンデモ論文である。本文を読んでも二重スリット実験とどう一致するのか全く意味不明である。この論文の著者の2人はどちらも経済学者であり、物理学の専門家ではない。経済学者がアンケート結果に基づいて物理学を語る論文がPEER-REVIEWEDとして査読を通ってしまっているのである。

また、Correction: Independent re-analysis of alleged mind-matter interaction in double-slit experimental dataは著者自身の申し出によりIndependent re-analysis of alleged mind-matter interaction in double-slit experimental dataにて修正された。これは自称超心理学者のDean Radinの論文の追試であり、当初はDean Radinの研究結果を裏付けるものとして発表された。しかし、2年後に、著者により統計解析の誤りが発見されて、Dean Radinの研究結果を裏付けなかったと修正された。統計解析が適切であるかどうかは、内容の妥当性の査読として真っ先にやるべきことだろう。とくに、Dean Radinの論文が掲載されたPhysics EssaysのImpact factorは1にも満たないクズ雑誌であり、そもそも、自称超心理学者なる者の疑似科学研究を裏付けるとする内容であれば、それこそ慎重に査読されるべきである。しかし、この論文では査読は全く機能せずに、一旦は誤った内容が掲載されてしまったのである。

以上の通り、ハゲタカ出版ではない真っ当なOpen Access JournalとされているPLOS ONEですら、トンデモ論文が査読を通って掲載されてしまう玉石混交なのである。もっと、質の低いOpen Access Journalの状況は推して知るべしであろう。

トンデモ論文に騙されないようにするにはどうすれば良いか、まずは、Impact factor値を調べよう。2桁後半なら権威ある雑誌、2桁前半でも真っ当な雑誌、1桁後半ならソコソコ、1桁前半ならいまいち、1未満はクズ雑誌と考えて良い。また、どういう研究を行なってどういう結論を導いているか、内容に矛盾がないかをしっかり読んで検証しよう。

「COVID-19ワクチンの副作用:日本における学会発表と世界における論文報告の現状」事前発表版

尚、「COVID-19ワクチンの副作用:日本における学会発表と世界における論文報告の現状」正式版も公表されている。

本「論文」は著者名を見れば明らかな通り、ワクチン問題研究会が書いた手前味噌である。論文の内容を読んで、真っ先に出てくる「全国有志医師の会」は医学的根拠のない怪しげな治療法を推進する団体であり、ワクチン問題研究会と一部構成員が重複する。個人名や団体名が出てきた時、その人物や団体がどのような存在か調べずにそのまま掲載を認めるなど、真っ当な査読では考えられない。

まとめ 全国有志医師の会 → 「詐欺師の会」に改名しろ! 根拠もなく承認済医療を否定し、かつ、言い訳にならない口実で偽医療を擁護・紹介する偽善団体。通報協力もよろ 60661 pv 755 4 users 54

掲載誌の臨床評価は、投稿規定はあるが、どんな分野の論文を募集しているのかすら書いていない。査読方針等も明確にされていない。Impact factor値も存在しないようである。本「論文」はAbstractとKeywordsを除くと全面的に日本語である。世界の学術界では英語が標準言語であり日本語の論文は相手にされない。日本でもあまり聞かない世界では全く無名な雑誌に寄稿したのでは世界的な注目を集めるのは不可能である。

査読が適切に行われているかも疑わしい。例えば、トップページにリンクが貼られている「厚生労働省による COVID-19ワクチンと脳・心血管疾患における関連性認定の考察」事前発表版は、要約すると根拠の乏しい一点以外を除くと「厚労省の公表するデータを分析したけど何も分かりませんでした」でしかない。以下は何を言っているか意味不明である。

ワクチン接種後7日以内の発症の割合は,SAHで79%,CHで74%,CIで79%,MIで80%であった.7割を超える報告例が接種後7日以内に発症していた事実は,COVID-19ワクチンとこれらの有害事象との関連性を示唆していると考えられる.ただし,「接種より日が経つほど担当医が報告する確率が低下する」という報告バイアスが存在するため,関連性の示唆の信頼度は高いとは言えない.

「『接種より日が経つほど担当医が報告する確率が低下する』という報告バイアス」と全く矛盾しないデータが出た場合、そのデータの傾向の主原因が報告バイアスだけなのか、それとも、他の原因があるのかは、少なくとも、そのデータだけでは知り得るはずがない。よって、「関連性の示唆の信頼度」は、「高いとは言えない」ではなく、全くないのである。よって、「COVID-19ワクチンとこれらの有害事象との関連性を示唆していると考えられる」には全く根拠がない。

尚、「厚生労働省による COVID-19ワクチンと脳・心血管疾患における関連性認定の考察」正式版も公表されている。

こんな出鱈目な論説を堂々と掲載しているようでは、適切な査読が行われているかどうか極めて疑わしい。もちろん、あくまで次の研究に繋げるための参考情報として発表し、かつ、科学的根拠だと喧伝しないなら、このような雑誌への寄稿も論文をいち早く世に出す正当な手段となろう。しかし、このような査読の緩い雑誌に寄稿しながら、掲載されたことをもって科学的根拠と主張するなら、偽装目的で意図的に査読の緩い雑誌を狙って寄稿しているとしか思えない。このような、査読の緩い雑誌に寄稿して、それに掲載されたこともって科学的根拠となるかのように偽装する手口を「ハゲタカ寄稿」と呼ぶことを提唱する。ただし、査読の緩い雑誌とは、世に多くの論文を送り出すことを目的としているために査読が緩いだけのOpen Access Journalであるか、あるいは、金銭目的のハゲタカ出版であるかを問わない。

では、本「論文」に話を戻そう。本「論文」では学会発表や「PubMED公開論文ヒット数一覧」が危険性の根拠だと主張している。しかし、トンデモ研究でも自由に発表できる審査の緩い学会発表では科学的根拠になり得ないことは後で説明する通りである。ていうか、p.31からの学会発表の一覧表の冒頭に「必ずしも因果関係が認められたものとは限らない」と自ら書いて根拠にならないことを認めてしまっている。また、「PubMED公開論文ヒット数一覧」がどれだけ多くても、論文の質はおろか、肯定的研究なのか否定的な研究なのかすらわからないのでは、危険性を示す科学的根拠にはなり得ないことも既に説明した通りである。

Fig.2のNumber of published side effect papers by disease category (2021 to 2023; cumulative)は「副作用の症例報告数が,ほぼすべての疾患にわたって世界中で年々増えている」かのように偽装している。まず、累積値を使うことが明らかなトリックである。元の値がマイナスにならない限り、累積値が年々増えるのは当たり前であり、論文数がマイナスになることはあり得ないから、論文数が毎年減っていても累積値は増加する。事実、Fig.2から「全身の病気」などが年々減少傾向であることが読み取れる。Case Reportsに限定した検索を行ったとも書かれていないため、検索件数が症例数に比例しているかどうかも不明である。また、2020年以前のデータを示していないから、接種開始前後で傾向の変化があるかどうかも示されていない。仮に、増えていたとしても、2020年以前から同様に増えているのであれば、新型コロナワクチンは明らかに無関係である。そして、2021年から傾向が変化したとしても、その原因が新型コロナワクチンにあるのか、それとも、新型コロナワクチンとの関連性の注目度が高まったせいなのかはわからない。

以上の通り、本「論文」には科学的根拠となるデータが皆無である。

掛谷英紀の主張

一般に、「論文出せ」と言われる時の「論文」とは、持論の科学的根拠になる論文のことであって、症状名の検索に引っ掛かっただけの内容不明(肯定か否定かすら不明)の論文のことではない。だから、内容を精査していない検索数だけをいくらひけらかしてもそれは根拠たり得ない。本「論文」のTable 4には100以上の論文のリンクがあるが、まず、最初の5つを見てみよう。

この5つは次のいずれかに該当する。

  • 接種と未接種の比較がない
  • 既知の低リスクの副反応に言及している
  • ワクチンが有効だと結論づけている

つまり、ワクチンの危険性の科学的根拠に全くなっていない。真っ当な人なら、この時点で他の論文を見る気もなくす。百歩譲って、この中にワクチンの危険性の科学的根拠が含まれていると仮定しよう。だとすれば、その根拠となる論文を抽出するのは、ワクチンが危険だと主張する側の仕事である。「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」なんて、手数だけで勝負するのでは、自ら科学的根拠はないと自白するに等しい。そもそも、研究会を自称しておいて、世界中の論文の中から科学的根拠を探すことすらしないなら、一体、何を研究しているのか。

「新型クロイツフェルト-ヤコブ病の出現」

掲載誌のIJVTPR(International Journal of Vaccine Theory, Practice, and Research)は、誌名を訳すと「ワクチンの理論、実践、研究に関する国際ジャーナル」となる。About the Journalによると、ワクチンの資金提供、流通、規制、マーケティング、プロモーション、環境への影響などあらゆる面に関する事実に基づいた研究論文を募集している。しかし、Editorial Teamによると、Editor in Chief(編集長)は言語学者のJohn W. Oller, Jr.である。ワクチンに関する研究論文を掲載するにも関わらず、編集長は医学分野の専門家ですらない。Senior Editor(上級編集者)のChristopher A. Shawは眼科教授ではあるがワクチン等の専門家ではない。Associate Editors(その他の編集者)20名のうち、医学が専門でない者が6名(生物学者1名、物理学者1名、人工知能研究者1名、言語学者1名、法務博士2名)おり、医学を専門とした者であっても感染症やワクチンの専門家は少ない。Contactを見ると、連絡先の住所は私書箱であり、かつ、電話やメールアドレスは編集長個人のものであり、どのような組織が運営しているのか全く謎である。以上を踏まえると、ハゲタカ出版の疑いが非常に強い。晩節を擬似科学傾倒で汚したLuc Montagnierが著者に名を連ねている。

内容を見ると、まず、タイトルからして「Mad-Cow Disease」はあり得ない。真っ当な医学誌ならば「Bovine Spongiform Encephalopathy」と表記するはずである。患者の夫の声明や独自研究等の医学的根拠になり得ないことが記載されているのも医学誌としてはあり得ない。26例の接種後発症例のみであり、それっぽい理屈は書かれているものの、接種者と接種者と未接種者の発症率の比較等の具体的な人への影響を実証するデータがないため、憶測の域を出ていない。よって、この論文は科学的根拠になり得ない。

「神経変性疾患におけるスパイクタンパク質の潜在的役割」

掲載誌のCureusは、近年、症例報告等に用いる気楽な雑誌として注目されている。CureusのAboutによれば、基本無償で掲載され、査読が早く、採択率も高いことが特徴で、Impact factor値は1.2とかなり低い。つまり、Cureusは速報を気軽に発信するための雑誌であり、科学的根拠として使えるものではない。

-Cureus:症例報告の投稿先、お蔵入り原著論文の救世主?
-症例報告を共有するプラットフォーム「Cureus」は、医療現場の「救世主」になるか

本論文の内容は、理論的考察に留まっており、接種者と未接種者の発症率の比較等の具体的な人への影響を実証するデータがないため、憶測の域を出ていない。よって、この論文は科学的根拠になり得ない。

「COVID-19 遺伝子ワクチンによって誘発される終末分化組織における自己免疫性炎症反応」

掲載誌のAutoimmunityのImpact factor値は2.957とイマイチである。

日本語訳もあるが、本論文の内容は、理論的考察に留まっており、接種者と未接種者の発症率の比較等の具体的な人への影響を実証するデータがないため、憶測の域を出ていない。よって、この論文は科学的根拠になり得ない。

尚、結論は陰謀論的であり、出典の恣意的解釈もあり、例えば、「ワクチン関連死につながった可能性のある組織損傷の直接的エビデンスに関する臨床情報をより多く収集することが著しく制限された」と書かれているが、その出典であるNo Autopsies on COVID-19 Deaths: A Missed Opportunity and the Lockdown of Scienceには、一部の国で感染による死亡者の解剖が妨げられたことが書かれているが、接種後死亡者の解剖等が「著しく制限された」という記述はない。

学会発表

学会の総会や大会のポスター発表は医学誌掲載の論文のような厳しい査読はない。そのことについて1998年度の学会発表における審査―国内医学分野でのアンケート調査―(医学教育 第21巻・第6号1990年12月 p.387)では調査結果を以下のようにまとめている。

  • 審査状況
    • 25/72学会(34.7%)が審査なし
      • 小規模学会で4/9学会(44.4%)
      • 中規模学会で17/43学会(39.5%)
      • 大規模学会で4/18学会(22.2%)
    • 32/72学会(44.4%)に明文化された基準がない
    • 15/72学会(20.8%)が明文化された基準で審査している
  • 審査を行う理由
    • 38/72学会(52.8%)が発表の質を維持するため
    • 19/72学会(26.4%)が会場の制約
    • 19/72学会(26.4%)が日程の制約
  • 審査を行わない理由
    • 21/72学会(29.2%)が応募は全て発表させるべきだから
  • 採択率
    • 全66/72学会で31,794/35,083件(91%)
    • 審査のある42/47学会で91%
    • 海外の学会では46%

学会発表の実態

学会を主催する事務局へのアンケート調査から,まず,半数以上の学会で審査を行っていることがわかる.しかしながら,実際にどのような審査が行われているのかという点については,必ずしも明らかになったとはいえない.本調査で審査の基準に合致する項目(選択肢)としてあげたものは,主として学術雑誌における審査のポイントであるが,多くの学会は,概ねこれらの基準に基づくとしているものの,70%の学会が明文化された基準を作成していない.こうした点から,審査そのものが慣例的に行われているにすぎないことをうかがわせる.


明文化された審査の基準については,多くの学会が持っていない.しかしながら,たとえばABCDの4段階に評価するといったような規定は持っている学会は多いようである.その中で何をAとするかについては,審査を行う担当者の判断にまかされ,必ずしも公平な審査がなされるという保証はない.Pipkeは学会への応募が,正しく採択または拒否される比率は77%であったという調査結果を報告している⁵⁾.つまり,応募の23%は当然採択されてしかるべき内容であるにもかかわらず誤って拒否されるか,もしくはその反対の結果を招いているというものである.明確な基準を持たないで行われる審査では,こうした結果を招く可能性があるだろう.別の見方をすれば,リジェクト率の低さから見て,学会の主題範囲を逸脱していないかどうか,といった程度のいわばチェックだけが行われているとも考えられる.ちなみに明文化された審査の基準を持っている15学会の平均リジェクト率は8.5%と全体のリジェクト率と差はない.

審査の有無という点では,学会のレベルを保持するために審査は必要であるとする考え方と,すべてを発表させるべきで,審査は必要ないとする考え方の,二つの大きな流れのあることがわかる.従来より,学会は参加者間のコミュニケーションを主要な目的としてきたが,こうした,学会の持つ基本的な機能を満たすため,発表のすべてをポスターセッションとした,日本生化学会のような学会がある一方で,発表の質については,それを聞く側の判断に委ねるのではなく,なんらかの審査を行ってフィルターにかけるべきであるとする日本外科学会のような学会がある.


このことから,全国会では実際に審査が行われているものの,地方会や研究会ではほとんど審査が行われていないか,あるいは行われていたとしても,形式的なものにすぎないことがわかる.またその理由としては,地方会では教育的な配慮からすべて発表させていることが考えられるし,研究会では小規模な専門家グループであることから,誰がどのような発表をするのかが予想でき,必ずしも審査を必要としない事情のあることが想像できる.


学会発表の情報としての際だった特徴は,速報性という点にある.この速報性を維持するということと,審査によって発表の質を維持することとは,あるバランスの上に成り立っている.そのバランスを,どの点に置くかは,どちらをより重視するかによって決まってくる.実際,以前に行ったわれわれの調査でも,審査を行っている学会では,それ以外の学会に比べて抄録の提出時期が15日程度早かった⁶⁾.しかしながら調査を通して,実際には学術雑誌におけるような,厳密な審査が,時間をかけて行われているとは考えられず,また研究者の側も,必ずしも学術雑誌と同等の審査が必要であるとは考えてはいないことも示された.


Goldmanが指摘するように「学会発表抄録は,その分野での今後の調査への刺激として基本的にはみなされるべきであり,審査を通過したフルペーパーと同様には考えられない」であろう⁷⁾.

すなわち,信頼性や正確さという点では必ずしも厳密な情報である必要はないし,研究者の側にもそのような認識ができていると考えられる.


学会発表はフルペーパー(本論文)とはならないことも多く,抄録しか印刷されない場合には情報源として,必ずしも価値の低いものであるとはいえないが,審査という面から見るならば,学術上のフィルターを通過してきた情報であるとはいいがたい.したがって,学術雑誌に掲載される論文に引用される場合もあるが,他に引用できるフルペーパーがないなど,やむを得ない場合に限るといった注意も必要であろう.また,学会発表抄録は,物理的には,情報の量が少なく不十分であり,内容的にも予報的な意味合いを持っているといえる.審査という点では,その実態がほぼ示されたが,さらに,学術情報の流通,あるいは科学コミュニケーションの中で果たしている役割といった観点からも,その性格を考えてゆかなくてはならないだろう.

一流誌の採択率は10%前後であることと比較すると学会発表の採択率が極端に高いことがわかる。例えば、日本放射線腫瘍学会の大会発表には査読はあるが、応募数が618(要望演題79,一般演題539)に対して発表数は612(ポスター211,一般演題346,要望演題55)で採択率は99%強である。日本麻酔科学会の症例報告の査読基準では新奇性、教育効果、論理、倫理を求めているが、因果関係は求めていない。日本腎臓学会の大会発表では、採用基準が明示されず、「演題の採否につきましては、大会長にご一任」と大会長の匙加減一つで採否が決まってしまう。

以上のように、審査の緩い学会ではトンデモ研究でも自由に発表できるので、1回の大会で何百もの有象無象の発表がなされる。そもそも、大会での発表は、専門家間の意見交換が目的である。だからこそ、厳しい審査を設けないのだ。そこを悪用して、「〇〇が治る」系の怪しい健康食品にポスター発表は悪用されてきた。そうした事情を知る者からすれば、科学的根拠となる査読論文(症状名の検索に引っ掛かっただけの内容不明の論文のことではない)を一つたりとも示せないのに「300もの学会報告」があるのは、何も知らない素人を騙そうとしているとしか考えられない。

また、副反応疑い報告では、個々の症例について、十分ではないが、それなりに情報が公開されているので、情報の質をある程度検証できる。それに対して、「この研究会」が示した学会の総会や大会での発表は、個々の症例については、症状名が書かれているだけで、それ以上の詳しい情報はなく、情報の質を検証することすらできない。ていうか、p.2からの学会発表の一覧表の冒頭に「必ずしも因果関係が認められたものとは限らない」と自ら書いて根拠にならないことを認めてしまっている。

この点は記者会見資料(2024年1月11日)でも何ら改善されていない。

「PVSデーターベースレジストリー」

記者会見資料(2023年9月7日)では、106件や91件の円グラフがあるが、どのようにして集めたデータなのか不明であり、因果関係の検証に耐えるデータが示されていない。さらに、<カテゴリー1( “definite 確実”)>の分類も杜撰すぎる。

  • 症状の発生が医学的な合理性を有するかどうかは問わない
  • ワクチン接種後であれば経過期間は問わない(早発型、中間型、遅発型)
  • ワクチン接種以外の原因を特定できない(医学的合理性は問わない)

「接種前1年以内の健康診断で異常なし」は、「ワクチン接種以外の原因を特定できない」の具体例に過ぎない。また、「生体サンプルにおいて、スパイク蛋白が検出された」は、接種後である以上検出されること自体には何の不思議もないのだから、何も言ってないに等しい。よって、いずれも、症状の発生が医学的な合理性を有することを示さない。

まず、経過期間を問わないのであれば、経過期間が長くなるほど濡れ衣が増えることは言うまでもない。また、新型コロナワクチンが登場する以前にも原因不明の難病は存在しており、症状の発生が医学的な合理性を有するかどうかを全く問わずに「ワクチン接種以外の原因を特定できない」ものを全て「確実」として扱うのはいい加減すぎる。他の原因については次の3通りが考えられるが、次の1番目のみを除外とするのも認定対象が広すぎる。

  • 他の原因が具体的に特定できる
  • 何か他の原因があると推定できるが、それが具体的に特定できない
  • 他の原因によるものと考える合理性がない

9割以上を認定している認定基準がかなり緩い健康被害救済制度の考え方ですら、以下の3条件を必須としている。

  • 症状の発生が医学的な合理性を有すること
  • 時間的密接性があること
  • 他の原因によるものと考える合理性がないこと

ワクチン問題研究会の「PVSデーターベースレジストリー」では、「症状の発生が医学的な合理性を有すること」「時間的密接性があること」を条件としておらず、また、何か他の原因があると推定できても、それが具体的に特定できない場合も「確実」と認定するため、健康被害救済制度よりも遥かに緩い認定となる。健康被害救済制度は、医療制度を医学的に判定する制度ではなく、法的な救済を目的とした制度だからこそ、緩い認定基準を採用しているのである。医療制度を医学的に判定することが目的なら、それよりも緩い認定基準を採用することはあり得ない。

記者会見資料(2024年1月11日)においても、具体的な「研究機関」が明らかにされておらず、かつ、たった63症例しか集めていないことから極めて限定的なデータであり、極めて偏った情報を恣意的に選別している疑いが拭えない。

「検査方法開発ワーキンググループ」

存在が立証されていない「毒性のある」を前提にして空想理論が展開されている。先ほども説明した通り、医学の世界では、どんなに立派な理屈も根拠にはならない。人体の仕組みの一部しか判明していない以上、理論が科学的根拠になるのではなく、科学的根拠が理論を裏付けるのである。

この点も記者会見資料(2024年1月11日)において何ら改善されていない。

IgG4抗体の件も、その人体への影響が実践で確認されていない以上、机上の空論に過ぎない。確かに、新型コロナワクチン接種でIgG4が増えるとする研究論文はある。しかし、その人体への影響については調べられておらず不明だと明記されている。

-Class switch toward noninflammatory, spike-specific IgG4 antibodies after repeated SARS-CoV-2 mRNA vaccination
-Class switch towards spike protein-specific IgG4 antibodies after SARS-CoV-2 mRNA vaccination depends on prior infection history

まとめ

以上の通り、何の根拠も示していないのに、何故か、先に結論が出ている。

国として、直ちになすべきこと

  1. 被害者(死亡、副作用による健康被害)の同定と予防接種被害者救済制度認定
  2. 被害者の救済→補償、適切な医療の提供
  3. 国のワクチン政策の検証と対策

予防接種健康被害救済制度は既に存在しており、9割近く(軽度を除けば9割以上)が認定されており、因果関係の有無に関わらず救済が為されている。また、ワクチン政策の検証も徹底的に行なっており、その結果として重大な懸念は発生していない。研究会を自称する団体等が根拠のない言い掛かりをつけているだけである。

妄想100%の記者会見

ワクチンが原因ではない決定的証拠を示した2024年3月28日の記者会見

2024年3月28日の記者会見(ニコニコ動画)によれば、ワクチン接種後症候群の大半の原因が新型コロナワクチンではなくコロナ禍以前からのビタミンD不足だと特定しながら、ワクチン接種が原因だと言い張っている。しかも、やはり、査読のある論文誌に寄稿するなどの科学的手続きから逃れて素人を啓蒙するだけの中身のない会見である。さらに、公式サイトでは「記者会見を行いました」とだけ発表して、資料すら公表していない。そんなに第三者の検証を受けるのが怖いのか?

後日、記者会見2024年3月28日のページが追加されたが、発表内容は動画でしか公表されていない。レビュー論文一覧和訳なる物も公表されているが、最初の5つの論文はいずれも接種と未接種の比較がなく、うち、3つは接種後症例は軽症でワクチンの有益性の方が上回るとする論文である。残り2つも追加調査がなければ結論づけれられないとするものである。いつになったら、ワクチンの危険性を示す科学的根拠を示すのだろうか。

(02:12)福島雅典「この間、鋭意、診断基準の作成に向けて世界中の文献を集める、そして、それをデータベース化して各方面にお配りするという最初のステップはクリアしまして」

既に看破した通り、ワクチン問題研究会は、何の成果も示していない。検索ワードに引っかかった論文の件数を示しただけである。それが、肯定的結果を導いているのか、否定的結果を導いているのかの区別していないし、その中から根拠となる論文の抽出すらしていない。これは、科学的に見れば、最初の一歩にすら到達していない。それで「最初のステップはクリア」とは、何言ってるのか意味がわからない。

(04:55)福島雅典「それらの患者さんはもちろん、ワクチンと関係ない、コロナと関係ない方が前からずっといるわけで、そういう人たちに対してもこれは新しい糸口、突破口を見つける発見をなさいました」

えっ、ワクチンと関係ない? 何の話をしてるのか?

(05:50)福島雅典「ビタミンD欠乏症パンデミックという言葉がすでに2010年に使われています」

えっ、2010年? 新型コロナワクチンは影も形もないが?

(11:23)藤沢明徳「ここにこれだけワクチン接種後症候群の具体的症状が絵で示されているが、約半数にあたるものが慢性疲労症候群の症状と重なってくることがこれを見てわかると思います」

これが事実なら、文藝春秋2024年4月号の記事と同様、「ワクチンの副作用」ではない可能性が高いことを示唆している。

慢性疲労症候群は1990年代頃から報告されている原因不明の疾患であり、15〜65歳における日本人患者数は推定約24万人とされる。

これほどポピュラーな疾患であれば、新型コロナワクチンとは全く無関係に慢性疲労症候群が起きたとしても何の矛盾もない。推定約24万人もいる疾患なら、日本人の殆どが新型コロナワクチンを打っているのだから、その中に、接種とは全く無関係に慢性疲労症候群を発症する人も多数いて当然である。

(22:51)児玉慎一郎「(慢性疲労症候群について)いろいろ論文を調べたところビタミンD欠乏がすごく着目されている」


(23:15)児玉慎一郎「(慢性疲労症候群について)この論文はビタミンD補充を推奨する論文です。そう言った論文も数多くありました」


(28:12)児玉慎一郎「(非公開スライドでビタミンD欠乏が酷いほど症状が酷いと言っている模様)」


( 30:16)児玉慎一郎「(非公開スライドで)典型的な例ではビタミンDの値が伸びていくほど症状数がドンドン減ってきて逆相関、鏡面像を呈しております


( 32:03)児玉慎一郎「日常診療においてワクチン接種後症候群を訴えた患者の相当数が慢性疲労症候群と診断され、その患者はビタミンD血中濃度が低下している例が多く、血中濃度が低下している例ではビタミンD補充療法で改善した

以上の説明に全く嘘がないのであれば、ワクチン接種後症候群とされる事例の大半の慢性疲労症候群と類似の症状の原因は明らかにビタミンD欠乏である。つまり、ビタミンD欠乏というワクチン接種とは別の原因を特定しているのである。そして、ワクチン接種とビタミンD欠乏との関連性は一切検証していない。それでも、ワクチンが原因だと言い張っている。しかも、これは科学とは到底言えない呪術にすぎない。例えるなら、低気圧が来て雨が降ったことが既に判明していて、雨乞いと低気圧の関係を全く検証せずに、「雨乞いのおかげで(低気圧が襲来して)雨が降った」と言い張るようなものだ。このような呪術的な主張で新型コロナワクチンと無理やり関連づけるよりは、接種とは無関係のビタミンD欠乏によって起きたと考える方が遥かに自然である。

(37:49)福島雅典「コロナの後遺症の患者に対するガイドラインではビタミンDを測定しなさい、ビタミンB12も測定しなさいと規定している。コロナ患者に対し、ビタミンDを投与して血中濃度を上げないと予後が悪いと完璧に確立した事実」

ワクチン問題研究会がしている話は、新型コロナ患者の症状の原因や治療法の話ではなく、ワクチン接種後症候群の原因や治療法の話である。それなのに、何故、ワクチン接種との関連性ではなく、新型コロナとの関連性の話をするのか。

(41:31)福島雅典「これは完全に失態ですよ。日本の医者の失態だ」


(42:49)福島雅典「全く御頭てんてん。勉強してないんだから。」


(43:04)福島雅典「学問に対して、あるいは、科学に対して、医学に対して真摯な人だったら、これは一辺きちっと患者さんを調査しろと言う所から始まるわけです。原点からもう既に腐ってる」


(44:00)福島雅典「出鱈目じゃないですか。不勉強もいい加減にしろってことですよ」

福島雅典が「きちっと患者さんを調査」せずにワクチンが原因だと決めつけ、かつ、自ら示した他に主原因がある調査結果も無視してワクチンが原因だと言い張り続けるのは、「原点からもう既に腐ってる」ために「学問に対して、あるいは、科学に対して、医学に対して真摯」ではなく「勉強してない」「全く御頭てんてん」であるせいなのか。

(45:47)福島雅典「コロナの前です。2019年から2020年の3月まで健康診断をした健常な人たちの5千人を超える人たちの血中のビタミンDを測ったら、98%が不足状態であるということがわかった」

だったら、ビタミンD不足の主原因は、新型コロナ感染でもワクチン接種でもなく、コロナ禍以前からの生活等の問題だろう。

(47:13)福島雅典「ワクチン接種後の副作用とビタミンDをランダム化して調べたものがあるんですよ。そうするとやっぱりビタミンDを投与した群と投与していない群で副作用の出方が違っていた」

これは未接種者と接種者をランダム化して調べた研究ではない。単に福島雅典が「ワクチン接種後の副作用」と呼ぶ症例がビタミンD投与で改善したに過ぎず、ここまでの説明と同様、ワクチン以外の原因を示唆するに過ぎない。

(47:57)福島雅典「抗体の中のIgG4について、これは全く感染については役に立たない。むしろ免疫を寛容にする」

これは科学的根拠のない根拠のない妄想である。新型コロナワクチン接種でIgG4が増えるとする研究論文はあるが、その人体への影響については調べられておらず不明だと明記されていることは既に説明した通りである。

(49:40)福島雅典「ここまで来ると我々は過去を思い出さざるを得ない」

この逸話はワクチン接種後症候群とされる事例の原因や治療法とは全く関係がない。彼は、返す刀で政府や医学界を批判するが、その前に、自分たちが根拠もなくワクチンが原因だと決めつけていたことを反省すべきだろう。ここまでの話を真に受ければ、これまでワクチン後遺症とされてきたものは、以前からあった原因不明の難病であり、無理やりワクチン接種と関連づけられていたに過ぎないことがわかる。これを踏まえて「ワクチンが原因だと思っていたが実はそうではないことがわかった。原因不明の難病が適切な診断や治療を受けられずにたらい回しにされていたことが問題の本質であり、今後はワクチンとは無関係に原因不明の難病の解決に尽力する」と言えば、まだ、世間も受け入れてくれよう。しかし、そうした自分たちの致命的な過ちを全く反省をせずに、政府や医学界を批判するだけでは、真っ当な人は相手にもしない。

彼らは、「ワクチン後遺症の治療法を見つけた」と主張したかったのだろう。そして、その主張を裏付けようとしたのだろう。しかし、勇足のあまりに深追いし過ぎて、ワクチン接種以外の主原因を示してしまった。

彼らの主張は次のとおり。

  • “ワクチン接種後症候群”の65%が(1990年代からある)慢性疲労症候群と酷似
  • 慢性疲労症候群の原因はビタミンD欠乏
  • ビタミンD欠乏慢性疲労症候群はビタミンD補充療法で改善
  • “ワクチン接種後症候群”の慢性疲労症候群酷似事例も同様
  • 何故か、ワクチンとビタミンD欠乏等の関連性は検証せず
  • 何故か、感染とビタミンD欠乏やビタミンD補充療法の関係について言及
  • 2019年4月〜2020年3月の日本人対象の5千人規模調査で98%がビタミンD不足か欠乏

真っ当な人なら、最初の一つでワクチン接種とは無関係な慢性疲労症候群が“ワクチン接種後症候群”扱いされている可能性に気づく。そして、4つ目までで、その可能性が極めて高いと確信を持つだろう。しかし、この後、ワクチンとビタミンD欠乏等の関連性を示せば、まだ、ワクチンが原因だと言い張ることができた。接種者と未接種者のビタミンD血中濃度を比較すれば良いのだ。ただし、その場合も「ワクチンを接種すべきではない」とは言えず、単に、ワクチン接種時にはビタミンDの摂取に努めればよいだけである。それなのに、何故か、そんな簡単な調査を一切せずに、逆に、コロナ禍以前からビタミンDが不足していた事実を示してしまう。これでワクチン問題研究会は完全に詰みである。

自称研究会らの反科学煽動者たちはワクチンが原因である科学的根拠を何一つ示さず、接種後に亡くなったり具合が悪くなった人がいるだけで「ワクチンが原因としか考えられない」と言い張ってきた。ところが、本記者会見では、コロナ禍以前からのビタミンD不足というワクチン以外の主原因を示してしまった。つまり、自分たちで「ワクチンが原因としか考えられない」状況をひっくり返してしまったのだ。しかも、ワクチン接種開始前から24万人もの日本人患者がいた疾患なのだから。日本人の8割が接種したらワクチンとは無関係な発症がそれなりの数になるのは当たり前である。接種してもしなくても、それなりの数の患者が発生するのだから、ワクチンが患者を増やす根拠が何もない。もしかすると、「主原因が別でもワクチンも補助的な原因かもしれないじゃないか」と食い下がるかもしれない。しかし、「ワクチンが原因としか考えられない」とは言えなくなった以上、補助的な原因としてもワクチンを想定する理由が何もなくなっているのである。何の理由も示さずにワクチンが原因と主張するなら、何でも原因にできてしまう。

例えるなら、物を宙に浮かべて「超能力以外に考えられない」と主張していたのに手品のタネがバレた状況に等しい。この状況で「手品も使っているが超能力も併用している」と言っても全く何の説得力もない。何故なら、超能力がなくても宙に浮かべることが可能なことを既に示してしまっているのだから。「超能力以外に考えられない」状況をひっくり返した以上、超能力を想定する理由が失われてしまっている。これで超能力を主張するのは荒唐無稽である。自称研究会らはこれと同じことをやってしまったのだ。

以上は、慢性疲労症候群酷似症例以外も同じである。自称研究会らの反科学煽動者たちは、ワクチンが原因である科学的根拠を一つも挙げず、かつ、ワクチン以外の原因の可能性を一切調査することなく、「ワクチンが原因としか考えられない」と言い張ってきたのだ。しかし、今回の記者会見でワクチン以外の原因が存在する可能性を示してしまった。可能性を示した以上、「ワクチンが原因としか考えられない」とは言えなくなったのである。

(53:23)福島雅典「やっぱりね、ちゃんと事実を事実として認めるってのは人間として最も基本的な指針だと思います」


(53:37)福島雅典「これを知らずに来たのは日本の医学界の大きな過失です」


(54:26)福島雅典「もう一度ね、脚下照顧ですよ。足元を見直さないといけない。足元が完全に崩れつつあるんだってことです」

ここまで激しいブーメランも珍しい。ビタミンD不足が主原因で、かつ、ビタミンDで症状が改善するなら、科学的根拠も示さずにワクチンが原因だと言い張って、診断や治療を妨害してきたのは自称研究会の方だろう。他者への文句はそのことを真摯に反省してから言え。

2024年1月11日の記者会見記事

CBCニュース(2024年3月2日)によると、堂々と非科学宣言をしている。

検査法の目的については「接種被害がmRNAワクチンによることを科学的に証明するための検査法を開発する」と。
〜(中略)〜
最終的には「新型コロナワクチンの有害性を立証したい」というふうに考えているんです。

ここまで堂々と悪びれもせずに結論ありき宣言をするとは驚きである。「証明するため」「立証したい」のであれば、現時点では証明・立証できていないのだから、科学的証拠がないということである。であれば、予断を持たずに中立的な検証を行うのが科学的姿勢であろう。しかるに、「接種被害がmRNAワクチンによる」「有害」と結論が決まっていて、それに合わせた証拠集めをするのでは極めて非科学的である。

ワクチンを接種した後に、長期的に副反応で苦しんでいる方がいます。
一般的には“ワクチン後遺症”と呼んだりもしています。

科学的証拠がないのに「副反応」「ワクチン後遺症」と決めつけることは極めて非科学的である。

その他は、2023年9月7日の記者会見等と同じ。

2023年9月7日の記者会見post

主張内容をまとめると以下の通りであり、科学(医学)の土俵に全く立っておらず、無知な素人相手への啓蒙(場外乱闘)でしかない。

  • 非科学的な方針
    • 検証しないうちに、副反応や後遺症だと結論が出ている
    • 因果関係の検証の否定
    • 論文寄稿等の科学的な手法を採ることへの批判
    • それでいて政府や医学界が非科学的と批判
  • 質より量の印象操作
    • 制度や数値の意味等を説明せずに複数の制度の都合の良い数値をチェリーピッキング
    • 中身が一切不明な何百もの「学会発表」
    • 中身が一切不明な何百もの論文検索数
  • 結論に影響しない話題
    • 「不平等条約を結ばれた」
    • 「動物実験やっちゃいけないという条項がある」→人間相手の膨大なデータがあるのに今更?
  • 荒唐無稽な陰謀論
    • 「『厚労省は全職員、100%、6回目うってますよ。』ってなぜ言えない」「みんな黙っちゃう」→陰謀があってもなくても一般の接種率と大きく変わるわけがない
    • 「厚労省は隠ぺいしようとしてる」
    • 「箝口令までしかれちゃう」
    • 「ファシズムを行使した」
  • 裏付けのない空想・噂話
    • 「ワクチンでおかしくなった人が必ずいます」
    • 「伊達で報告しません」→制度の趣旨や実態と不一致
    • 「氷山の一角」
    • 「ロット間にどういう違いがあるか」
RK @0202_le

福島先生「医師として、また科学者として、とてつもない危機に直面している。」「知る権利がとことん踏みにじられている。これは憲法で保障されている幸福追求権、生存権を正面から無視し続けているという政府の態度です。絶対に許せない。」 #コロナワクチン #ワクチン問題研究会 #記者会見 pic.twitter.com/hxyGIcxPkU

2023-09-07 16:59:29
RK @0202_le

記者会見を今から始めるにあたりまして何故こんな記者会見をしなければいけないか。普通学会を設立しましたということで記者会見なんて大げさことはしないです。だけど今申し上げたように深刻な危機、私は日本をダメな国にしたくないと思うからです。 これは深刻です。私医師として、また科学者として

2023-09-07 19:25:50
RK @0202_le

とてつもない今危機に直面している、あるいは危機が始まっている、と認識してます。そして何よりもマスコミが聞いてくれない。聞いてくれてたらこんなことにはならなかったはずだ。何年先、何十年先、そういう悔いを我々は次の世代に絶対残したくないという決意を持っています。深刻な危機にあると

2023-09-07 19:25:51
RK @0202_le

思います。民主主義の危機です。知る権利がとことん踏みにじられている。これは憲法で保障されている、幸福追求権、生存権を正面から無視し続けているという政府の態度です。絶対に許せない。これを深刻に受け止めて真剣に対峙しないといけないと思っています。

2023-09-07 19:25:51

「とてつもない今危機に直面している」「あるいは危機が始まっている」の根拠が何一つ示されていない。根拠が示されていない以上、「普通」は「しない」「学会を設立しましたということで記者会見なんて大げさこと」をした言い訳にならない。

RK @0202_le

福島先生「直ちに全医師・全科学者はこの大問題に正面から取り組むべきなんですよ。」「患者さんが訴えても『そんなあなた、気のせいでしょ。』『どこかの病院行ってください。』『うちは反ワクじゃありません。』冗談じゃないですよ。」 #コロナワクチン #ワクチン問題研究会 #記者会見 pic.twitter.com/UyRxLwEYV3

2023-09-07 19:02:42
RK @0202_le

それらの患者さんに適切な医療をまさに真剣に届けるべき時にきている。 患者さんたちが立ち上がって記者会見をして、医師会長もすぐに反応して、「ちゃんと向き合うことにします。」今頃でも遅くない。直ちに全医師・全科学者はこの大問題に正面から取り組むべきなんですよ。何をしないといけないか?

2023-09-07 19:02:43
RK @0202_le

単純です。診断基準を作成して、検査法を確立して、このワクチン接種後症候群の実態を明らかにする。疾患の実態を明らかにする。そのためには情報を広く集め、日常診療に必要なエビデンスを集約して、普及する。ガイドラインを作り出して、患者さんに、憲法に保障される、いつどこでも最高水準の医療を

2023-09-07 19:02:43
RK @0202_le

受けられる、それがこの国の医療に関する国是なんですよ。患者さんが訴えても「そんなあなた、気のせいでしょ。」「どこかの病院行ってください。」「うちは反ワクじゃありません。」冗談じゃないですよ。医学の放棄、医療の放棄、サイエンスの放棄じゃないですか。この国をだめな国にしてはならない。

2023-09-07 19:02:43
RK @0202_le

それは、事実は事実として認めることです。見ざる聞かざる言わざるは人間性の放棄じゃないですか。だから事実を事実として訴えても、知らんぷり、報道しない。そんなことあるんですかね。一体何なのということです。 これほど広汎な被害が拡がっている、その事実。医師が日常診療において留意するべき

2023-09-07 19:02:44
RK @0202_le

事実がきちっと伝えられない。国民のみなさんが知っておくべき事実が伝えられない。おかしいんじゃないですか。 pic.twitter.com/3H87b47Fuu

2023-09-07 19:02:45
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「直ちに全医師・全科学者はこの大問題に正面から取り組むべき」とする根拠が何も示されていない。診断基準がないのは症例定義がないからであり、症例定義がないのは科学的手順に従った報告があがってないからである。つまり、診断基準がないのはお前らが科学の土俵から逃げ続けた結果であり、それなのに今更「診断基準を作成して」云々は盗人猛々しい。

事実だと認めてもらいたいなら、まず、お前らが科学の土俵に上がれ。「研究会」を自称しているのに、科学の土俵に上がって科学的成果を発表するのではなく、何の根拠もない妄想を記者会見で大々的に発表するのは全く逆である。態度を改めるべきはお前らの方である。

尚、副反応疑い報告・接種後死亡報告は以下のとおり。

まとめ γ(因果関係評価不能)多数は報告の不備【自己まとめ】【拡散希望】 報告医が検証に必要なデータを提出していないからγ(因果関係評価不能)になるのであって、恣意的にγにしているわけではない。 75231 pv 56 1 user 17
RK @0202_le

福島先生「因果関係問うてたらいつまで経っても始まりませんよ。薬剤疫学の基本中の基本は問題が起きたら薬のせいとまず考えなさい。これがスタートなんですよサイエンスの。副反応疑い報告、死亡者2076件、重篤者8638件、副反応疑い36457件 ほとんどが氷山の一角、みんな泣き寝入りです。」#記者会見 pic.twitter.com/pSPSyikbnl

2023-09-07 20:25:09
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