三国志こばなし集2024年1月号(下)三国時代編

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荀彧「やれやれ困ったものだ…」 荀攸「叔父上？」 彧「公達か…」 攸「何を右往左往しているのです？」 彧「殿の上奏を確認したのだが、とても陛下にお見せできない文面だったんだ…」 攸「そんな不敬な内容なので？」 彧「断じて違う！」 攸「ならばためらう意味が理解できませんが」 彧「…これだ」

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攸「どれどれ」 彧「笑うなよ」 攸「荀彧は立派な道徳と行為を積み重ね、幼い頃から成年に達するまで何の悔いるところもなく…」 彧「いやはや」 攸「荀彧の功業に頼って、私は成功を収め、おかけで…」 彧「どうしたものかな、公達」 攸「どう思われた、華歆殿？」 華歆「ラブラブ君臣大いに結構！」

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彧「結局陛下に差し出さなかったが」 攸「だが？」 彧「そしたら殿から私に手紙が」 華「恋文ですかな？」 彧「違う！」 攸「どれどれ…」 彧「読むな！」 攸「君といっしょに仕事をして以来、君が行ってくれた補佐、人材推挙、計画、策謀はなんと多かったことだろう…」 彧「…」 華「恋文でしたな」

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荀彧…公然と上奏文や私文書でいちゃつき始めるラブラブ君臣。 荀攸…耳が真っ赤じゃないですか叔父上。 華歆…間違っても私にこんな手紙は来ませんよ。

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劉備「子龍は全身胆っ玉だよな！」 簡雍「んじゃあ雲長は？」 劉「…心臓か？」 簡「益徳」 劉「肺」 簡「黄忠爺さん」 劉「腎臓にしようか」 簡「馬超」 劉「したら脾臓だな」 簡「これで五臓将だぜ！」 劉「なるほど…悪くねえ」 簡「相棒の六腑も考えようぜ！」 劉「てめえは膀胱な」 簡「おい！」

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劉「孔明は胃かな」 簡「少食だぜ？」 劉「胆嚢が孝直」 簡「あ〜」 劉「小腸と大腸が糜竺と孫乾で…」 簡「どっちがどっちだ？」 劉「三焦ってなんだ？」 簡「身体の気を流すんだとよ」 劉「…誰だ？」 簡「大将でいいんじゃねえか？」 劉「なるほど！」 簡「…んで、五臓将と六腑相でどうすんだ？」

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趙「殿。私は全身胆との褒め言葉をいただきましたが」 劉「だから全身胆っ玉じゃねえか」 趙「なぜ我らが臓器の着ぐるみを纏うのですか！」 簡「膀胱よりゃマジじゃねえか！」 孔明「似合ってますね孝直」 法正「許さん」 劉「よし！五臓将と六腑相で子供らに人体の教育だぜ！」 張飛「気持ち悪い…」

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劉備…子供たちが一目散に逃げちまった！ 簡雍…全身膀胱の着ぐるみ。厠が近いから。 趙雲…全身肝の着ぐるみを着せられすごく不本意。 孔明…全身胃の着ぐるみ。本人は至って少食。 法正…全身胆嚢の着ぐるみ。胆汁出してそうとか言うんじゃない。 張飛…全身肺の着ぐるみ。声がデカいから？

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孫権「お前の友の中で碁が上手い者は？」 諸葛瑾「曼才殿ですな」 歩騭「彼の打つ手の鋭さには毎度冷や汗をかかされます」 孫「ふむ…その才を軍事で活かしてみたいものだ」 諸「殿が強引に馬に乗せなければ…」 孫「それだ！」 歩「だから殿が無理やり厳畯殿を乗せなければと」 孫「そうではない！」

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厳畯「馬車に乗って指揮を取る？」 孫「古の孫臏だって、脚を失いながら戦に出ていたではないか！」 厳「…なるほど」 孫「馬に乗れなくても弓が下手でも将の仕事ができれば関係あるまい！」 厳「承知しました！」 孫「では早速馬車に乗れ！」 厳「はっ！」 孫「…」 厳「ぐわあ！」 諸「やっぱり…」

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孫「案ずるな厳畯！次の手段がある」 厳「…この座席は？」 孫「チャイルドシートだ」 歩「私がセットしますぞ厳畯殿」 厳「お願いします歩騭殿！」 孫「…」 厳「ぬう！」 歩(馬車が蠢いている？) 厳「私を乗せてくれ！」 歩(チャイルドシートが？) 厳「座りました！」 歩「ぐわあ！」 厳「歩騭殿！」

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孫権…遂には馬車ごと粉砕するとは… 厳畯…馬車から発車するように落下し、チャイルドシートが爆発し、挙句に馬車が木っ端微塵になった。なんで？ 諸葛瑾…遠目で厳畯らの惨状を見て唖然。 歩騭…チャイルドシートの爆発に巻き込まれ負傷。

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司馬懿「お初にお目にかかります曹丞相」 曹操「風痺は？」 司「騙し騙しというところでして」 曹「難儀な病よのう」 許褚「…」 司「おお…その巨漢の方は？」 曹「許褚だ。私は虎痴と呼ぶ」 司「…お爺様の方が？」 許「ん？」 司「お爺様と同じくらい大きな方と会うとは久しぶりで…」 許「司馬懿」

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司「許褚殿？」 許「貴殿のお爺様とは、どれほど巨漢だったのだ？」 司「…暫しお待ちいただけますか？」 許「うむ」 曹「珍しいな虎痴」 許「体躯で負ける訳にはいきませぬ」 司「お待たせしました」 許「！」 司馬朗「久しぶりに持ち出したな…」 司馬孚「重いときたらありません」 曹「それは？」

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懿「穎川の民がお爺様の等身像を作りまして」 許「手伝おう」 孚「助かります」 許「む!?」 曹「虎痴？」 許「手強い…」 懿「立てますよ」 許「！！」 曹「おお！虎痴に勝るとも劣らぬ巨漢よ！」 朗「腹囲は」 許「…」 孚「互角です！」 朗「身長は」 許「…」 懿「お爺様の方が…？」 許「なに!?」

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曹操…祖父の司馬儁は腰回りが十囲(1.2m)で身の丈八尺三寸(192cm)だと!? 許褚…腰回りは互角でも身の丈八尺(184cm)でまさかの敗北。 司馬懿…しかし、何食ったらあんなデカくなるんでしょうね、お爺様。 司馬朗…私たちも身長は高い方だが。 司馬孚…お爺様ほど恰幅よくはなれそうにありません。

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陳羣「なぜ私はえっ陳羣と呼ばれるようになったのだ…」 郭嘉「えっちだからじゃないですか？」 陳「違う！」 郭「元々えっちなのにえっちなのを隠すから、えっ陳羣と呼ばれるのですよ？」 陳「ならばお前をはだ郭嘉と呼んでやろうか！」 郭「…やっぱえっ陳羣じゃないですか」 陳「お前の仕返しだ！」

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曹操「おやえっ陳羣」 陳「殿！」 郭「私にはだ郭嘉などというえっちなあだ名をつけようと画策しております」 曹「満場一致のえっ陳羣ではないか！」 陳「じゃあ殿は妄曹操殿です！」 曹「このえっ陳羣め！」 郭「えっ陳羣直々にえっちなあだ名をつけて欲しい者は一列に並んでくれ！」 陳「やめろ！」

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荀彧「また陳羣殿をいじめてますね！」 夏侯惇「満寵呼ぶぞ！」 曹「こいつは私に妄曹操などとえっちなあだ名をつけたのだぞ！」 郭「私ははだ郭嘉です」 荀「え」 夏「陳羣…」 陳「違う！」 荀「…もし私につけるなら？」 陳「不荀彧殿」 荀「うわ〜！」 夏「俺は？」 陳「テカテ夏侯惇殿」 夏「…」

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陳羣…皆が私をえっ陳羣を見るような目で見始めましたぞ！ 曹操…案の定のえっ陳羣ではないか。 郭嘉…むっつりスケベが生ぬるくなるえっちぶりです。 荀彧…ちょっと弁護できないな。 夏侯惇…即答されたもんな。

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孔明「なぜ私まで蔡瑁の屋敷に？」 黄月英「折悪く、義母様が蔡瑁の姉ですから」 黄承彦「折悪くとか言うな姑に向かって」 龐統「やれやれ」 孔「なぜ士元まで？」 龐「あたしの兄貴の嫁さんが、折悪くあんたの姉さんだからだよ」 孔「士元まで折悪くとか言わないでください」 司馬徽「よいぞよいぞ」

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承「何もよくないだろう、水鏡先生」 司「それもまたよいぞ」 承「よくない！」 蔡瑁「何しに来やがった！迷惑な隠者に学生ども！」 孔「帰っていいんですか？」 龐「身内の集いでもなけりゃ、わざわざあんたの面なんか見に来ないって」 月「じゃあ帰りましょうか」 蔡「帰るな！何しに来やがった！」

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孔「…ものすごく帰りたいです」 月「お客様を何だと思ってるの？」 龐「劉表さんに苦情の手紙書くよ？」 蔡「小賢しい真似をやめろ！」 承「来るたびに思うが悪趣味な屋敷だ」 司「酷いぞ酷いぞ」 孔「私と士元の悪戯書き消えてないですかね」 月「私の割った調度も」 蔡「何しに来やがった貴様ら！」

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孔明…身内の集いで蔡瑁の屋敷に行くのが嫌で仕方ないから、あちこちに悪戯書きして憂さ晴らし。 黄月英…うっかり割った調度を誤魔化し続けていまだにバレてない。 黄承彦…屋敷の間取りも素人に任せたとしか思えん趣味の悪さだ。 龐統…飯も毎回不味いんだよね。 司馬徽…酷いぞ酷いぞ。

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蔡瑁…荊州の大豪族だからアホみたいにデカすぎる屋敷を建てたが、来る客来る客に空間や間取りに調度品のセンスの悪さや庭の趣味の悪さで失笑を買い続けている。