「飛沫感染」と「空気感染」、どこまで区別されるべき?
- fuka_fuka_mfmf
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わいたんべさんの感想も聞きたいなーということで勝手ながらナルト飛ばしてみよう @y_tambe / “朝日新聞さん、僕はそのやり方はどうかと思う - aggren0xの日記” http://t.co/ZPb2kh6o
2012-05-15 12:02:54メンションを受領するやいなや解説を開始するy_tambe先生
@fuka_fuka_mfmf んー、例えば、国内の医学微生物学教科書の定番である、戸田新細菌学の改訂33版(2007)、p.207 『インフルエンザウイルスや結核菌は飛沫核の状態でも感染が起こり,これを飛沫核感染という』と明記されてます。
2012-05-15 12:14:02@fuka_fuka_mfmf 今は季節性fluと同様の扱いになってる "2009 H1N1 flu"についてのCDCのページ http://t.co/1lOsWkMb にも(続
2012-05-15 12:18:15@fuka_fuka_mfmf 続)"also potentially be transmitted by contact with mucous membranes or small particle droplet nuclei. "という文章がある。(続
2012-05-15 12:18:56@fuka_fuka_mfmf この"droplet nuclei"と"droplets"は別物で、前者は「飛沫核」と言って、これが感染性を持ってるのが「いわゆる空気感染」。後者が「飛沫感染」です。
2012-05-15 12:20:21@fuka_fuka_mfmf 前にも書いたのだけど、インフルエンザウイルスが飛沫核感染「できるか」、と言われたら、少なくとも過去の実験の結果の積み重ねがあり、実験室レベルで飛沫核感染が可能ですから「YES」。これは多分疑いようがない(続
2012-05-15 12:23:07@fuka_fuka_mfmf 続)ただそれと別に、実際にその寄与がどうなのか、という辺りと絡んだ論争があって、近年は「少なくとも一般社会においては、飛沫核感染の寄与は小さいのではないか」という説も出ている。ここまで事実。ただまだ覆ってるとは言いがたいというのが、僕の「意見」
2012-05-15 12:25:03@fuka_fuka_mfmf んで、仮に「飛沫感染がメイン」ということになれば、それは「自身が感染するのを防ぐのにマスクが有効」という話にもなるはずで。そこらへんの整合性がどうなるの、という部分があったりする。まぁこれも「正しいマスク装着を」という部分は揺るがないけど。
2012-05-15 12:29:46@fuka_fuka_mfmf 同じく、CDCより:呼吸器感染病原体についてのエクセルファイル中にもインフルエンザでは"Primarily large droplet; likely small particle nuclei,"という形の記載がある。
2012-05-15 12:35:15誤解しちゃいかんのは、これが「従来から、飛沫感染と飛沫核感染(=いわゆる空気感染)の両方がある」という説が支持されてきて、近年になって、後者の寄与に疑義が出されてるのだということ。少なくとも、戸田新の、しかも最新版まで見ても、インフルエンザは「いわゆる空気感染」するという扱い(続
2012-05-15 12:38:51続)だから「インフルエンザが空気感染するとか言う医師は不勉強」とか、そんなことは口が裂けても言わない。少なくとも僕はね。「最近出てきた異論と、それに対する専門家間の論争」と、それを受けてCDCのスタンスが微妙に「今変わりつつあること」を知ってるかどうかという程度の問題。
2012-05-15 12:41:39まぁこの「今」というタイムスパンが、CDCでは、もう数年前からだったりもするので、そこらへん国内の対応が遅い、という批判はあるかもしれんけどね。
2012-05-15 12:48:22臨時講義@ランチタイム、終了。おつかれさまでした
y_tambeさんより補足
@y_tambe @cicada_colon つぶやきを使わせていただきました。問題ありましたら対応しますのでご連絡ください。 http://t.co/MwyZkhI6
2012-05-15 20:22:47というか、"droplet transmission"を「空気感染」と訳するのは、かなり齟齬が大きいというか、思い切り初歩の初歩でのつまづきなので。これを「間違いとは言いきれないのでは」と庇ったりもしない。いやまぁ、そもそも「空気感染」という言葉が曖昧なので…という話になる。
2012-05-15 21:48:26つか、話を「droplet transmissionの訳はそうじゃないでしょ」という、朝日への質問にしてる時点で、そもそも、最初の話と逸れてるのです。「インフルエンザは空気感染するか」という問いに対してはYES、というだけ。
2012-05-15 21:50:55論文のタイトルが「droplet transmission」になってるってのを突っ込むのは、「そのフェレットの話がヒトに当てはまる保証は?」と言うのと同程度の話。「今回の実験では飛沫で感染させてるけど、飛沫核でも感染する保証は?」という話。
2012-05-15 21:53:52朝日新聞の『哺乳類間を空気感染するようになった』という文章は、正しくはない。ただ、それに対する指摘は「元々の実験で見てるのは、厳密には飛沫感染だから」であって、「インフルエンザは飛沫感染し、『空気感染』しないから」というと、正そうとする方が間違ってて、そっちの方が深刻。
2012-05-15 21:58:45あとまぁ「空気感染」という用語の曖昧さ、という問題があって。その起源は恐らくフラカストロにまで遡るのだけど、その時代の「空気感染」には、飛沫感染と飛沫核感染の区別がなかったわけで。
2012-05-15 22:01:20