ヤノマミや発達障害と“我々”は連続しているのか:正常と異常の境界、言葉と因果的思考

現代文明とヤノマミ★2や発達障害★1との関係のやり取りの続き。 @gmax_jpさんからの返信、「‥正常と異常、健常と病的の境界は文化や社会が定めている」に対して、まとめ主@hijijikikiが滝川一廣『「こころ」の本質とは何か』を参照してのやり取り。 個人が直面する周囲の環境や社会的な条件によって、規範の編み目である共同世界へ上手く乗れるか、折り合いがつけられず、乗り損ねるか、“おくれ”があるために乗ることが難しい、などなどの各人の「わたし」の居場所(のなさ、見つけづらさ)がある。統合失調症と発達障害では、共同世界への折り合いのつけづらさと、乗ること自体への困難という違いはあるが、両者ともに共同世界への参入への苦肉の対応、適応の方策を強いられること、などなど。 ●追加しました。更に&また&更にまた&5回目の追加しました。 続きを読む
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ひじじきき @hijijikiki

@gmax_jp 続2)これまでのヤノマミhttp://t.co/BKFmxbsWや発達障害http://t.co/JS9ZmWm5についてのやり取りと関連深かったので、以下にその抜粋を引用して、その後に私見を書きます。とても長くなるので、引用は宛先なしにツイートします。

2012-07-16 22:12:36

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●以下のツイートの、滝川一廣『「こころ」の本質とは何か』からの引用部分は、まとめ末尾に引用元の文(以下のツイートはその一部分)を掲載してあります。

ひじじきき @hijijikiki

①以下に、滝川一廣『「こころ」の本質とは何か』から引用:【正統精神医学と力動精神医学】「私のスタンス」として、「…人間学的精神病理学の立場。…精神障害を…いわゆる正常な「こころ」のあり方とは異質なものとして切り離してとらえるのではなく、 http://t.co/cJ3t8v3R

2012-07-16 22:14:07
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ひじじきき @hijijikiki

②人間の精神現象のうちにはらまれている可能態として連続的にとらえる立場」p18と述べる。精神医学は「正統精神医学」と「力動精神医学」の二つの流れがあるとして、「この二つの大きな流れが絡みあいつつ、対立しあい、かつ補いあって発展してきた」p19と述べる。

2012-07-16 22:14:43
ひじじきき @hijijikiki

③「正統精神医学は、…脳の生物学的な仕組みにおいて理解しようとする」p19「力動精神医学は、失調を「こころ」そのものの問題として、できるだけサイコロジカルな、心理・社会的な仕組みにおいてとらえようとする…直接にはフロイトの精神分析をルーツとしています」p19-20

2012-07-16 22:15:01
ひじじきき @hijijikiki

④「正統精神医学では、人間は本来的に合理的だという見地に立ちますから、「正常」と「異常」との境界をはっきりさせようとします。合理(正常)と非合理(異常)の間にはなんらかの質的な絶対差があって、非合理なものは「障害」であるはずだという考えですね。」p24

2012-07-16 22:15:17
ひじじきき @hijijikiki

⑤「これに対して力動精神医学では、人間は本来的に非合理だという見地に立ちますから、「正常」と「異常」とを峻別しないで、むしろゆるやかな連続性のうえで理解しようとします。その点では、人間の「こころ」になにがおきても驚かない、というところがあります。」p25

2012-07-16 22:16:33
ひじじきき @hijijikiki

⑥【統合失調症】「人間のこころのはたらきには、なにごともできるだけ「意味」や「関係」(因果)を見いだそうとするところがあります。私たちは無意味や偶然には耐えられない存在」p61

2012-07-16 22:17:00
ひじじきき @hijijikiki

⑦「人間は「意味」と「関係」(因果)という枠組みを用いることで外界と内界とをはじめて統合的に秩序づけてとらえ、それによって社会的に生きています」p61「…統合させようと無理やりにでもなんらかの「意味」や「関係」へと向かわせるバイアス…

2012-07-16 22:17:26
ひじじきき @hijijikiki

⑧‥自体は私たちのこころが必然的にはらむ志向性で、「病的」なものではありません。そのバイアスによって、関係づけのほうが前にでれば「関係念慮(自己関係づけ)」意味づけのほうが前にでれば「妄想」」p62

2012-07-16 22:17:53
ひじじきき @hijijikiki

⑨「統合失調症の妄想は、けっして浮世離れした非社会的、非現実的なものではなく、むしろ、みずからの体験に社会性(共同性)をはらませようと努めた結果の、その意味できわめて社会的で現実的なモチーフを離れないもの」p64

2012-07-16 22:18:12
ひじじきき @hijijikiki

⑩【精神遅滞】「数学も言語も規範(約束・ルール)からなっていますね。このように私たちの認識の世界は、長い歴史をとおして編み上げられた有形無形の約束やルールの編み目から構成されています。こうした規範の編み目を共有することによって、

2012-07-16 22:18:47
ひじじきき @hijijikiki

⑪個々の脳の内側に生起する認識が個々の脳を超えて社会的に共有可能なものになるのです。村瀬さんはこうした共同的な認識世界を<範の世界>と名づけています。‥すでに歴史的に長大な時間をかけて‥現在に至った社会的・文化的な(つまり規範的な)認識の世界を、生まれてきた子どもは

2012-07-16 22:19:13
ひじじきき @hijijikiki

⑫ほとんどゼロから遅ればせにキャッチアップしてゆくわけですから、‥認識の発達とは「おくれ」を必然的にはらむのであって、一方に遅れない正常な子がいて、他方に遅れる異常な障害児がいるというわけではない。誰にとっても理解(認識)とは「おくれる」のだと村瀬さんは主張」p92-3

2012-07-16 22:19:39
ひじじきき @hijijikiki

⑬「(精神遅滞の子たちの世界は)とても不安が高い世界‥まわりの大部分の人たちは理解でき、対処できている世界を、自分(だけ)は理解しきれず対処しきれないまま、でもそこを一緒に生きねばならないからです。世界はこの子たちの認識レベルにあわせられてはいません。

2012-07-16 22:20:15
ひじじきき @hijijikiki

⑭おくれをもつ人々へのもっとも大きな誤解は、ものごとがわからないから苦労知らずに無心で無邪気に生きられるだろうというものです。正反対ですね。安全感をもつのにむずかしく、むしろ人知れぬ苦労のなかを生きています。」p99

2012-07-16 22:20:51
ひじじきき @hijijikiki

⑮「この不安の高さは、こだわりの強さとしてもあらわれてきます。‥理解しきれず対処しきれない世界をなけなしの力で生活してゆくとき、自分がすでになじんで安心できるパターンやシチュエーションに固執し、未知のパターンや慣れないシチュエーションを極力避けるのは、

2012-07-16 22:21:21
ひじじきき @hijijikiki

⑯ごく自然な知恵です。これが強い固執やこだわり、頑固さの姿をとって現れてくる」p100「遅れのある子どもたちは、そこ(世界を共同的に体験すること)に遅れるため、感覚の本来もつ直接的な体験世界、個的な体験世界をずっと前面に残していることになります。

2012-07-16 22:21:43
ひじじきき @hijijikiki

⑰‥プリミティブな感覚的な遊びへの没入ぶりです。‥私たちの目にはそういう遊びは無意味で強迫的な反復に映り、ときには「常同行動」といった症状名を与えたりします。‥私たちも、こうした感覚の直接性を享受できないわけではありません。

2012-07-16 22:22:04
ひじじきき @hijijikiki

⑱‥「意味」を通してものごとにかかわる方向へとこころの世界を発達させてきたため、‥「意味のない」感覚刺激には、私たちはじきに飽いてしまうようになりました。音楽や映画を楽しむのは「鑑賞」で、蛇口の水や紙破りを楽しむのは「常同行動」とは、すでに「意味」を介して

2012-07-16 22:22:29
ひじじきき @hijijikiki

⑲世界とかかわることが常態となっている私たちゆえの区分けなのです。」p102-3「おくれをもつ人たちは、そうでない人々にくらべたとき、ずっとわが身ひとつで世界に向かわんとしている人たちにみえます。その意味でとても「自立」しています。知的なハンディゆえに

2012-07-16 22:22:56
ひじじきき @hijijikiki

⑳「依存的な存在」「非自立的な存在」と決めつけては精神遅滞への理解をあやまつでしょう。認識のおくれゆえに社会的な意味での生活の自立(自活)にはハ-ドルが高くても、こころのありようとしてはむしろ自立した(しすぎた?)ありようを大きくもったひとたちではなかろうか」p107-8

2012-07-16 22:23:23
ひじじきき @hijijikiki

21)「この(おくれをもつ)子どもたちは‥かれらは自分なりのしかた、自分にできるしかたで、この世界をなんとか享受しようと奮闘しています。ところが、その奮闘は、わたしたちの社会規範からは逸脱や迷惑や触法行為とされてしまう。ときとして、そんなことが起きます。」p108

2012-07-16 22:23:59
ひじじきき @hijijikiki

22)「こころの個体性と共同性との矛盾を統合失調症の病理の根っこにみてきましたが、認識のおくれをもつ子においては、その矛盾はこんなかたちで現れてくるのです。発達の相対的な差にすぎず、けっして例外的な異常現象ではないおくれが、

2012-07-16 22:24:23
ひじじきき @hijijikiki

23)私たちの高度に社会的な共同世界をつくりあげ、そこをともに生きている現実のなかでは、このような大きな矛盾を生まざるをえない」p109

2012-07-16 22:24:42
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