フェミニスト会話分析をめぐって──小宮『実践の中のジェンダー』への斉藤正美さんのコメント
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あれはZimmermanの授業ではなく、別の教員がZimmermanをゲストによんだ日だったかもしれないという気がしてきた。20年も前のことなので記憶がとんでいるw いづれにせよ、Zimmerman & Westがセットで授業に来たことの記憶はしっかり残っているんだが。
2012-11-18 00:01:15閑話休題。
@msmsaito 私が「フェミニストかどうか」という斉藤さんのご質問には、三つの水準があるように思います。 (1)『戸惑い』本への感想を述べた際の私の立場 (2)データ分析の際の性別カテゴリーの扱いというCA-CDA論争上の立場 (3)私の研究が全体として指向している立場
2012-11-18 01:05:20@msmsaito (1)については、私は必ずしも特定の政治的立場から感想を述べたつもりはありませんでした。(自覚せずに「フェミニスト」側にシンパシーをもってしまっている可能性はおおいにありますが)
2012-11-18 01:06:33@msmsaito (2)については、拙著(お読みくださりありがとうございます)の3章で、「データに対する性別カテゴリーの関連性を、研究者のほうで前提することはしない」という会話分析の立場を支持しています。
2012-11-18 01:07:43@msmsaito なおこの点について、多数のフェミニストCAないしCDAの研究への言及がなぜないのかというご質問については、少なくとも(2)の論点については、あの論争で論点がほぼ尽きていると考えているから、というのがお答えになります。もちろんそれなりに読んではおります。
2012-11-18 01:09:07@msmsaito (3)については、拙著のあとがきにも書いたように、自分の研究が、そのつどの主題におけるフェミニズムの主張の擁護になることを願って研究しています。
2012-11-18 01:10:08@msmsaito 私自身が「フェミニスト」という言葉を使うときは、「社会の中での女性としての生活経験をもとに、女性の抑圧に異議を申し立てる人」くらいの意味で使うことにしています。
2012-11-18 01:11:38@msmsaito 理由は、特定のカテゴリーのもとで生じる経験について、そのカテゴリーに属する人にまずは語る権利があるということを重んじたいからです。もちろん私の用法がつねに正しいと主張するつもりはありません。
2012-11-18 01:11:58@msmsaito いろいろと不十分な説明で申し訳ありませんが、時間切れになってしまったので『戸惑い』感想の件についてはまた後日つぶやきます。
2012-11-18 01:15:2211月18日朝
.@frroots1)小宮さんは、「フェミニズムの主張の擁護になることを願って研究」されているとおっしゃるにもかかわらず、肝腎のデータ分析になると、主流派男性たちの会話分析の考え方に舞い戻ってしまわれるのです。
2012-11-18 09:39:09.@frroots2)またご著書では、ある章ではバトラーを、ある章では、主流派を批判してきた「フェミニストCA」を、簡素にとりあげています。問題は、その取りあげ方が断片的なことなのです。
2012-11-18 09:39:38.@frroots3)例えば、ご著書で「シェグロフの勧めにしたがって性別規範やジェンダー/セクシュアル・アイデンティティを記述しようという試みはいくつも出てきている」(117頁)とKitzingerやWestを含め多くのフェミニストの論文を挙げていますが、その内容は問題含みです。
2012-11-18 09:43:07.@frroots 4)この書き方は、読者にフェミニストが主流派であるシェグロフのアドバイスに従ったと、誤読させる可能性が大だからです。
2012-11-18 09:43:16.@frroots 5)なぜなら、ウェストが98年にシェグロフに勧められたりするずっと以前からジェンダーを研究していたことは、先述のように当の小宮さんも書いています。にもかかわらず、ここではシェグロフに命じられたウェスト、という位置関係がつくられているから、問題なのです。
2012-11-18 09:44:04.@frroots 6)さらに、Kitzingerも、98年のずっと以前からジェンダー分析を行ってきています。そしてその分析結果から、会話分析が前提としている考え方に疑問をなげかけたというのが、本当のところです。
2012-11-18 09:44:12.@frroots 7)こうしたフェミニストCAの業績を、あろうことか、小宮本は、男性中心の主流派CAの立場にたって、矮小化して紹介しています。
2012-11-18 09:44:50.@frroots 8)フェミニストからの主流派会話分析への批判点を紹介せず、主流派男性の会話分析こそが正しいという立場に立つのであれば、「フェミニストの主張の擁護」とはとても呼べないと考えます。
2012-11-18 09:45:05特に、言語とジェンダー研究は、90年代、2000年代前半にかけてかなり集中して読んできた分野でもあり、日本語で系統だてて翻訳が出ていない分野でもあるから、断片的な紹介のされ方が気になる。。
2012-11-18 09:54:03@msmsaito 拙著へのコメントありがとうございます。ご指摘いただいた点については、「フェミニストCA」というときに、ふたつの意味を区別して考えるのがよいと思います。
2012-11-18 11:38:59@msmsaito 区別すべきなのは以下のふたつです。 (1)ジェンダーやセクシュアリティにかかわるトピックを研究対象とし、その成果をもとに、なんらかのフェミニズム的主張をおこなう研究 (2)データを分析する際に、研究者の側で性別カテゴリーの関連性を前提にして分析をすすめる研究
2012-11-18 11:39:57@msmsaito 拙著3章で検討しているのは(2)の論点です。そこで私は、この論点については、CDAのCA批判は的を外していると指摘し、「参与者の指向に即した分析」というCAの立場を支持しています。
2012-11-18 11:40:21