〈評価的用法/記述的用法〉と概念連関
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「非難されるべき行為」としてのレイープを、デートや婚姻しているカップルのあいだの無理強いにまで拡大したわけだ。 against their willな性行動はぜんぶ(不当な)レイプ。
2010-08-22 00:03:14なにが(不当な/非難されるべき/法的に罰されるべき)レイプであるのか、という価値評価的用法での「レイプ」と、単なる記述的用法による「レイプ」とは一応別。
2010-08-22 00:05:47@eguchi1965 記述的用法と価値的用法の話、ご説明ありがとうございます。ただ少しわからない点があります。記述的な語と価値的な語があるのはそのとおりだと思います。また、「レイプ」という語が用いられるときに通常価値判断が含まれているのもそのとおりだと思います。
2010-08-22 02:53:47@eguchi1965 しかしそこから、それは「レイプ」という語そのものの価値的用法によるのだ、と言えるのかどうかは少し迷います。「レイプ」が通常「悪いこと」を指すのは、別の価値判断を前提にしてのことのように思うからです。
2010-08-22 02:54:26@eguchi1965 たとえば300年くらい前も「レイプ」という語は価値評価的に用いられていたでしょうけれど、そこにあったのは「人の財産に手を出すのは悪い(評価)」「レイプは夫(/父)の財産に手を出すことだ(記述)」「ゆえにレイプは悪い(評価)」という推論だったかもしれません。
2010-08-22 02:55:00@eguchi1965 このとき、レイプの「悪さ」は、より一般的な価値的前提のもとにその語が置かれていることにあるのであって、「レイプ」という語そのものが価値的であるからではないような気もします。
2010-08-22 02:56:47@eguchi1965 同様に、「フェミニズムが変更したのは評価的概念としてのレイプだ」と仰られていますが、そこにある推論は「意に反することを強制するのは悪い(評価)」「レイプは意に反して性交を強制することだ(記述)」「ゆえにレイプは悪い(評価)」という推論かもしれません。
2010-08-22 02:57:08@eguchi1965 もしそうなら、行われているのは「レイプ」という語の価値的中身を直接変えることではなくて、その記述的用法を変えることで、その語がそのもとに置かれる価値的前提を変える、ということかもしれません。
2010-08-22 02:58:03@eguchi1965 そう考えると、「被害者によって能力がおよぶかぎり…」という定義も、その定義を用いることに評価が含まれていない、と言えるかどうかは、それがどういうふうに用いられるかに依存しているように思います。
2010-08-22 02:59:22@eguchi1965 人間社会では普通は「被害者が抵抗しているのにやることは悪い」という価値的前提があるでしょうから、そのもとに置かれれば、その定義を使うことだって「悪い」という評価を下すことになるでしょう。
2010-08-22 02:59:54@eguchi1965 その定義の使用に評価が含まれていないことの例にコオロギを出すのは、トリックであるように思います。そこに「悪さ」が感じられないのは、その定義を用いているからではなく、価値的前提がないコオロギの行動に対してその定義を使っているからではないでしょうか。
2010-08-22 03:00:31