魔術書『聖キプリアンの書』と聖人キュプリアヌスの伝説

魔術師ながらキリスト教徒の娘ユスティナに恋し、悪魔たちの手を借り、自身も魔術を駆使して彼女を自分のものしようと企むも失敗、その体験を経て最終的にキリスト教に改宗し殉教したと伝わる聖人キュプリアヌス。 そんな「元魔術師の聖人」像が、やがて「魔術を行う人々の守護者」像へと変じる不思議。
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mare nostrum @marenostrum2

釜で茹でられる聖ユスティナと聖キュプリアノス。聖キュプリアノスさんは元魔術師のストーカーだったけれど回心したんだ。燃やされているのは喪‥じゃなくて偽神の祭官。 Clermont Ferrand BM ms.69 f.557v pic.twitter.com/ugNbSXrYEk

2013-09-05 22:52:40
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CMTC @MontyGlycon0

「彼についての文章の内容をまとめると」と書いたが、この章全体をだいたい全部網羅してしまった。『黄金伝説』におけるキュプリアヌス、かなりキャラが立っている。『黄金伝説』はイタリア人司教の著作だが、16世紀になると正確性が批判された。しかしヨーロッパで広く読まれ文化に影響を与えた。

2016-04-22 02:39:20
CMTC @MontyGlycon0

『黄金伝説』にある悪魔達との軽妙なやりとり、イエスの全ての悪魔を退ける力を知ることで改宗を選ぶくだり、こうした描写からすると、この影響でキプリアヌスが呪術師や魔女の守護者、パワーソースと化すのは、イオアン・カッシアンが「邪眼の聖人カシヤーン」になるよりは有り得る事のように思える。

2016-04-22 02:55:13
まとめ 「邪眼の聖人カシヤーン」の謎 四年に一度訪れる2月29日を祝日とする、邪眼を持つ聖人カシヤーン……という民間伝承と(たぶん)モデルになった聖人についてのまとめです。 「ユーラシア・ブックレット」後継シリーズ、群像社から発売 http://www.shinbunka.co.jp/news2015/10/151026-04.htm#PSUKCJ3.twitter_tweet_ninja_m まとめにも取り上げさせて頂いたクリメント北原史門氏の『正教会の祭と暦』はこの新シリーズの一冊です。 10598 pv 24 1 user
にゃる@ネクロマンティック @nyarl_nyarl

ヴードゥーでもブラジルのキンバンダでも、真の神は世界を創造した唯一神である。信仰の中核であるロアもExuも神でないことは強調されている。(オリシャも神そのものとは違うらしいが、ここはちょっとあやふや。)だが唯一神は世界を創造した後で何処かに姿を消し、精霊たちが世界を回している。→

2014-01-26 01:02:22
にゃる@ネクロマンティック @nyarl_nyarl

→創造神がシャーマニックな実践の場から姿を消してしまうというのは、確かLeitchの本にも書いてあった。この構造は、黒いグリモワールにも似ている。特にVerumでは、儀式道具のシジルなどもほぼ全て魔霊たちのもので、天使が出てこない。つまり魔霊だけでシステムが完結している。

2014-01-26 01:10:11
CMTC @MontyGlycon0

神を一人とはしている、(聖書や伝統的キリスト教の価値観と一致しているかは別として)聖書の神を認めてはいる、といった条件が揃えば、キプリアヌスを魔術的存在に変化させたり、そうしたキプリアヌス像が反映された『聖キプリアヌスの書』を取り込むにあたっての心理的なハードルも下がるだろう。

2016-04-22 03:09:55