「神武以来の天才」は「じんむいらいのてんさい」と読んでいいんです

将棋の加藤一二三九段の通称「神武以来の天才」にも使われている「神武以来」という言葉の読み方・読まれ方を調べました。 「じんむこのかた」だけが正しいというデマに対する証拠の提示が中心になっています。 後半では「神武景気」という言葉も扱っています。 まとめ中、よく出てくる年、昭和31年=1956年、昭和32年=1957年。
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『サザエさん』の神武いらい
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『サザエさん』より、「神武いらいの好景気」。 昭和32年(1957年)1月13日『朝日新聞』朝刊11ページ。 i.imgur.com/sg3Vwfn.jpg 「神武以来」には「じんむいらい」、「じんむこのかた」どちらの読み方もありますが、昭和の流行語としては、「いらい」が優勢だったようです。 pic.twitter.com/XnFj2rKb8z
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『サザエさん』の「神武以来」をもう一つ。 波平「なんでも神武いらいとかでえらいけいきですわ」 i.imgur.com/Jf7XXwI.jpg 『朝日新聞』昭和32年(1957年)2月9日朝刊。 pic.twitter.com/LBd9F81k5m
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まとめのまとめ&証拠
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「神武以来」要約修正版 「じんむいらい」と「じんむこのかた」は、どちらも江戸時代の文献にある読み方です。 そのことを書いている辞典もあります。 この言葉は神武景気の頃、特に昭和31年暮から32年にかけて流行語になりましたが、当時は「じんむいらい」と読まれるのが一般的だったようです。
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昭和30年代にも、流行語の「神武以来」を「じんむこのかた」と読む人達はいたはずです。 ですが、複数の資料から、「じんむいらい」のほうが一般的、優勢だったろうと考えています。 加藤一二三さんに関しても、複数の将棋メディア関係者が「じんむいらい」と読んでいる映像を確認できます。
lvv-vv @lolvv
「神武以来」の読み方は「じんむこのかた」が正しく「じんむいらい」は間違いとの説(誤解)は、特に近年、一部の辞典とウィキペディアと報道の影響で広まったと考えています。 もちろん、例えば浄瑠璃本や曲(『ひふみんアイ』)の歌詞などに「このかた」と指定がある際は、それに従えばいいのです。
lvv-vv @lolvv
先に証拠を貼ります。 江戸時代の本に書いてある「神武以来」の振り仮名の「じんむいらい」です。 右2行目下を見てください。 伊藤単朴『銭湯新話』矢口丹波記念文庫 base1.nijl.ac.jp/iview/Frame.js… kotenseki.nijl.ac.jp/biblio/1001252…
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そして、1957年(昭和32年)のニュース映画に出てくる「神武以来」を「じんむいらい」と読んでいる音声です。 中日ニュース第205号「この一年 -1957年の歩み-」 youtu.be/_SwI-Nx0KG4?t=…
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lvv-vv @lolvv
この対局が公開されているのを忘れていました。 1989年のNHK杯テレビ将棋トーナメント加藤一二三九段対羽生善治五段 22分28秒あたりで、永井英明さんが「じんむいらいのてんさいと当時言われて」とおっしゃっています。 abema.tv/video/episode/…

2020年5月17日、Eテレでこの対局が再放送されたもよう(新型コロナの影響)。
Abemaのほうはいつの間にか公開終了。

lvv-vv @lolvv
現代語研究会編 『現代の流行語』 三一書房、1963年、p.103 に、流行語としての「神武以来」が立項されています。 読みは(じんむいらい)とだけ書かれています。 国会図書館のデジタルコレクションにて、国会図書館または図書館送信参加館で確認できます。
lvv-vv @lolvv
『朝日新聞』の「天声人語」、昭和34年(1959年)7月27日。 日本人女性が初めてミス・ユニバースに選ばれたことを、「”神武いらい”ならぬ”天照大神いらい”である」と表現しています。
「じんむいらい」も辞書に載ってます
lvv-vv @lolvv
「神武以来」に「じんむいらい」という読み方があることは『日本国語大辞典』、『角川古語大辞典』、『江戸語大辞典』、『江戸語辞典』に書いてあります。 調べた限りではこれだけですが、他にもあるかもしれません。
lvv-vv @lolvv
↑追記 平凡社の『大辞典』(収録語数日本最大)にも載っていました。 ジンムイライ 神武以来 dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid…

2020年5月17日現在、国会図書館内限定公開になっている。
投稿した当時は全公開だった。

lvv-vv @lolvv
「神武以来」=「ジンムイライ」を載せた『大辞典』第15巻は昭和10年の発行ですから、昭和30年代、神武景気当時の人々は、この辞書を参照することができたわけです。一方、「じんむこのかた」だけを載せた辞書が初めて登場するのは、知る限りでは、昭和44年の『広辞苑』第二版を待たねばなりません。
lvv-vv @lolvv
「神武以来」=「じんむいらい」「じんむこのかた」、ちゃんと両方載せている日本最大の国語辞典、『日本国語大辞典』の専門校閲には加藤一二三先生も名を連ねられています。
lvv-vv @lolvv
ただ、『日本国語大辞典』では、前掲の『銭湯新話』を用例に示していますが、「シンムイライ」となっていて、異本から採ったのか、濁点を見落としたのか、よくわかりません。
lvv-vv @lolvv
ネットで「神武以来」を検索すると出てくる『大辞林』や『難読語辞典』には「じんむこのかた」しか載っていないので、それで「いらい」は誤りという思い込みが生まれてしまうのかもしれません。
lvv-vv @lolvv
現在はコトバンクに『精選版 日本国語大辞典』の「じんむいらい」も載っているのです。下の方にちょろっとですけど。 kotobank.jp/word/%E7%A5%9E…

コトバンクは仕様が変わってしまい、『精選版日本国語大辞典』に載っていることが、わからなくなった。

lvv-vv @lolvv
神武「いらい」と「このかた」両方載せている辞典。 片方だけ載せている辞典。 どちらも載せていない辞典。 あと「神武此の方」の語釈に「神武以来」を載せている『大辞泉』。 と、色々見ましたが、どちらかが間違いだと書いている辞典は一つもありませんでした。
lvv-vv @lolvv
「神武以来」=「じんむこのかた」オンリーのネット代表は『大辞林』、紙派の代表選手は『広辞苑』(1969年の第二版以後)でしょうか。 『広辞苑』では西鶴『織留』の冒頭部分が見出し語(じんむこのかた)を略した形で用例に使われてるんですが・・・
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コメント

かつま大佐(永遠の10歳📛) @kamiomutsu 2019年1月19日
むしろ「神武此の方」なんて表現になじみが無さ過ぎる。慣用句の類でもないわけで。
sukebenayaroudana @Sukebenayarouda 2019年1月19日
じんむじゃなくてずんむだ!
cocoon @cocoonP 2019年1月20日
そもそも以来をこのかたと訓じるのは当て字じゃん……。「経緯」を「いきさつ」と読まないのは誤り!みたいな頭の悪さを感じる。
ざ わ ( H N ソ ー シ ャ ル デ ィ ス タ ン ス 対 応 中 ) @zawayoshi 2019年1月20日
なんか「神武以来」を「"じんむいらい"でなく"じんむこのかた"って言う方がカッコよくね?」って感じだったんじゃないかと。
山吹色のかすてーら @sir_manmos 2019年1月22日
谷川浩司が岩戸、羽生善治が神代、藤井聡太はビッグバンでOK?
nekosencho @Neko_Sencho 2019年1月22日
もう「ひふみん」でいいよ
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