概ね訳「Q&A ボーイングの737MAXクライシスの原因」

737MAXの件(https://togetter.com/li/1353074)番外 この度の737MAX関連報道でピューリッツァー賞を受賞した私の推し記者、ドミニク・ゲーツさんの記事を読め…
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サキノハカ @sakino_haka

「事実上、彼らは乗組員を航空機のバックアップシステムとして数えています。 2番目の欠陥は、MCASは非常に稀な状況でだけアクティブ化されるはずでしたが、AOAベーンが故障したままの場合には、その設計のせいで繰り返しアクティブ化してしまうことでした」

2020-11-19 09:54:39
サキノハカ @sakino_haka

「どちらの墜落でも、パイロットがMCASによる機首下げの動きに対抗するために何度も行動しても、MCASは10秒ごとに再び作動し続けました」

2020-11-19 09:55:59
サキノハカ @sakino_haka

「第三に、システムに不要なほどの権限が与えられていました。操縦桿を引き戻すパイロットからの機首上げコマンドがあっても、MCASはそれを打ち消すほどの力で機体の水平尾翼を動かして機首を押し下げることができます」

2020-11-19 10:07:31
サキノハカ @sakino_haka

「第四に、ボーイングはパイロットが何が悪いのかを理解し、4秒以内に適切に反応すると仮定していました。パイロットはそのような緊急時に、コックピットの大きなホイールを回して手動で機首上げ操作を行うチェックリストに従うことが期待されていました」

2020-11-19 10:09:53
サキノハカ @sakino_haka

「この姿勢制御ホイールはケーブルで水平尾翼に繋がっています。しかし、エチオピア航空の事故のフライトでは、高速飛行による物理的な力が障害となり、乗組員はこのホイールを動かすことができませんでした」

2020-11-19 10:12:32
サキノハカ @sakino_haka

「またMCASとは別に、クルーに何が問題であるかを示す潜在的なインジケーターがありませんでした。ボーイングは2つのAOAベーンの示す値が一致しなかった場合にパイロットに警告する警告灯をつけられるようにしていましたが、これは航空会社がオプションの追加料金を支払った場合にのみ機能しました」

2020-11-19 10:17:00
サキノハカ @sakino_haka

「ライオンエアもエチオピア航空も(脚注:AOAベーンが片方故障するだけでこれほど致命的な事態を招くとは当然知らなかったので)そのオプションはつけていませんでした」

2020-11-19 10:18:38
サキノハカ @sakino_haka

「ボーイングは、墜落事故の1年前の2017年にこの欠陥について知っていましたが、重大であるとは考えていませんでした。ボーイングは、2020年のソフトウェアアップデートでこのエラーを修正することを計画していました」

2020-11-19 10:19:39
サキノハカ @sakino_haka

「ボーイングがFAAに提出したシステム安全性評価では、低速シナリオでMCASシステムのパワーが4倍になることは考慮されておらず、繰り返しのアクティブ化することも対象になっていませんでした(脚注:安全性評価作成後に上記の変更が行われ、提出分は前仕様の評価のままだった)」

2020-11-19 10:27:27
サキノハカ @sakino_haka

「事故後、MCASの修正を開発しているあいだに、FAAは別の問題を発見しました。ジェットの飛行制御コンピューター内のマイクロプロセッサーのグリッチが、MCASがアクティブ化されていなくても、理論的には2つの墜落と同様のシナリオを引き起こす可能性があるというものです」

2020-11-19 10:29:15
サキノハカ @sakino_haka

「元のMCASは、航空機の2台の飛行制御コンピューターのうち1台からのみ入力を受け取ります。これが起こった事例今の所知られていませんが、これにより737MAXは理論的にはコンピュータのハードウェア障害に対して脆弱なままになる可能性があります」

2020-11-19 10:30:59
サキノハカ @sakino_haka

「Q. 737MAXの開発中にボーイングがこれらの欠陥を見つけられなかったのはなぜですか? A. FAAは、MAXが安全に飛行できることを証明するために必要な分析とテストのほとんどをボーイングに委任しました」

2020-11-19 10:37:28
サキノハカ @sakino_haka

「この作業は、FAAに代わって作業し、その認定代理人(AR)であるボーイングのエンジニアによって行われました。具体的には、ボーイングのARは、新しいMCAS飛行制御システムが故障する可能性のある方法と、故障した場合の飛行機への影響の分析を含むシステム安全性評価を実施しました」

2020-11-19 10:38:25
サキノハカ @sakino_haka

「元ボーイングCEOの デニス・マレンバーグは、737MAXはボーイングの伝統的な基準に従って設計および認定されていると繰り返し述べています。『私たちは、安全な飛行機を一貫して製造する設計および認証プロセスの手順を正確に実行しました』と彼は言いました」

2020-11-19 10:39:15
サキノハカ @sakino_haka

「ただし、一部のボーイングのARは、安全性テストを制限し、分析を迅速に進めるという管理者からの強い圧力に不満を持っていました。こういった圧力へ異議を唱えたARの一人は737MAXプログラムから更迭されました」

2020-11-19 10:41:15
サキノハカ @sakino_haka

「ボーイングがFAAに提出したシステム安全分析には、飛行試験段階でMCASに加えられた変更の評価が含まれておらず、システムの欠陥を見逃していました」

2020-11-19 10:43:04
サキノハカ @sakino_haka

「米国下院運輸インフラ委員会のヒアリングで明らかにされたボーイングの内部文書によれば、2015年にはMAX設計に取り組んでいるエンジニアが、737MAXは単一の迎え角センサーの故障に対して脆弱なのではないかと疑問視していました」

2020-11-19 10:43:34
サキノハカ @sakino_haka

「そして2018年6月、最初の墜落が起こる前に、別のボーイングのエンジニアリングメモは、パイロットによる反応が4秒ではなく10秒かかった場合、『壊滅的(な結果を招く)』であると認めました。しかしこれらのメモは設計に変更を与えられませんでした」

2020-11-19 10:44:53
サキノハカ @sakino_haka

「本紙シアトルタイムズも明らかにしたように、ボーイングの内部告発者は、ボーイングのマネージャーが737MAX開発中に複数の安全性のアップグレードを拒否したと主張する倫理的苦情を申し立てました」

2020-11-19 10:58:33
サキノハカ @sakino_haka

「マネージャーらは、航空会社を混乱させるような追加のパイロット訓練の必要性を回避するために、飛行システムへの変更は最小限にすることを望んでいました。内部告発者の元同僚が彼の証言を裏付けました」

2020-11-19 11:02:24
サキノハカ @sakino_haka

「Q. MAXの認証中にFAAがこれらの欠陥を見つけられなかったのはなぜですか?」

2020-11-19 11:11:32
サキノハカ @sakino_haka

「A. 2004年にFAAとボーイングが新しい航空機種の開発で協力する方法が変更されたため、FAAの安全技術者(新しいジェット機のシステムを認証し、ボーイングから提出されたテストおよび分析文書を評価する仕事を行う)はボーイングのARとの直接の接触はほとんどありません」

2020-11-19 11:12:21
サキノハカ @sakino_haka

「FAAと会社の間のコミュニケーションは、主にマネージャーを通じて行われました。ボーイングの技術専門家ではなくFAAの管理者が、どの認証作業がボーイングに委任され、どれがFAAによって保持されるかについて最終的な権限を持っていました」

2020-11-19 11:15:55
サキノハカ @sakino_haka

「737MAXの認証が進むにつれ、多くのFAA技術スタッフが、より多くの作業をボーイングに委任するようにというボーイングのマネージャーからの圧力に不満を漏らしました」

2020-11-19 11:17:22
サキノハカ @sakino_haka

「また、ボーイングがMCASやその他の飛行制御システムの障害を分析するシステム安全性評価などの文書を提出したとき、これらの文書はプロセスの後半に提出されたために、レビューする時間がほとんどありませんでした」

2020-11-19 11:18:07
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