消えゆく学会 ~問い直される学会の役割と社会との関係性~

自分で読むようにまとめました。 関係者でもなんでもないですが、気になる内容でしたので。 重複してどなたかがやられていたらすみません。 企画そのもののサイトは以下のようです http://ymatsuo.com/jsai/ 続きを読む
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Toyoaki Nishida @toyoakinishida

⑦フラッグシップとしての学会.同じことをやっていてもばらばらであれば,外からはなかなか見えない.第一歩は,意図やめざすものに同じ名前をつけること,第二歩は,組織化して集まること.

2011-07-30 22:23:08
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

第二段階まで進むまではそう容易ではない.人工知能,知能情報学,知能システム,知的システム,知的情報処理,知識工学,知識情報処理,知識ベースシステム,….同じような内容の言葉はいくつもある.

2011-07-30 22:25:14
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

各用語は異なる側面に重点が置かれていて,少しずつニュアンスが異なっている.

2011-07-30 22:29:05
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

そのいずれかにこだわりを持って他を受け入れなけれない人ばかりだとすると,世界には,人工知能,知能情報学,知能システム,知的システム,知的情報処理,知識工学,知識情報処理,知識ベースシステム,…のそれぞれを研究している人が少しずついることになる.

2011-07-30 22:29:37
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

そうした状態を外から見ている人にとっては,皆なんとなく同じようなことをしているが,まだまとまっていないのだ,この研究テーマはまだまだ成熟していないということになる.

2011-07-30 22:30:25
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

それならば,そうした研究テーマに対して学科を作ったり,研究費配分項目を作ったりすることはなくなる.

2011-07-30 22:32:59
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

自分の研究テーマやその名称に対するこだわりは必ずある.たった一人ででも,研究費が出なくても重要だと思う問題に取り組むのが研究者というものだ.

2011-07-30 22:34:32
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

しかし,まとまらなかったら,そうした研究者はいつまでたっても別の視点,たとえば,「物理学」のジャンルの中で研究評価を受けることになり,よほどのことがない限り高く評価されない.

2011-07-30 22:36:32
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

他人から高く評価されることは,研究の目標ではないが,研究を継続していくためには研究費もいるし,職もいる.また,仲間もサポーターも必要だ.

2011-07-30 22:38:11
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

高く評価されることは研究の手段として必要.それがないと,研究が継続できず,断念せざるをえなくなるのだ.

2011-07-30 22:39:10
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

例えば,100の研究費をすべての学術分野 ― 哲学,文学,法学,瀬経済学,経営学,社会学,心理学,教育学,数学,天文学,物理学,化学,…に配分することを考えてみよう.

2011-07-30 22:45:14
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

1分野に1配るのだろうか,それとも傾斜をつけるのか,さらに何を1分野と数えるのか,…これを民主主義の世界でどうするのか?

2011-07-30 22:48:29
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

分野代表が出てきて徹底的に議論しても,まとまらないだろう.だから,それを聞いている政治家が決める?

2011-07-30 22:50:45
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

あるいは役所が調査して案を作成する?あるいは,国民が直接投票して分野への研究費配分する?

2011-07-30 22:53:15
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

2006年の正月の番組で小柴先生がアインシュタインとモーツアルトとどちらが偉いか,話しておられたが,一般には分野を越えて研究者(あるいは研究提案)AとBとどちらが優れているかなどと言う議論は知的好奇心のレベルを出ないだろう.

2011-07-30 23:01:12
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

分野を跨って,研究費配分を決める,あるいは,大きな賞の受賞者を決める,といった場合,分野A,B,…の代表者がいる中で,共通の基盤もなしにA,B,…の配分比率を議論しても有益な結論が得られるはずはない.

2011-07-30 23:06:28
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

そこでたいていは,研究人口論文数推薦件数などを指標にして,大体競争率がひどく違わないようにせざるを得ない.

2011-07-30 23:09:41
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

もちろん,すべてがそうであるわけではない.独自の基準やboardを持っていると自負しているところはそのboardを全面的に信頼して,選定を行う.

2011-07-30 23:12:38
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

しかし,そうした「私的」な機関は名声の構築と維持にとても長い歳月を要するので,非常に限られた存在になる.

2011-07-30 23:15:50
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

民主的なコンテキストで研究分野間の調整をしようとすると,(それが曲者だとわかっていても)ある程度「客観的な」指標に基づいて決めざるを得ない.

2011-07-30 23:18:57
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

○○学がある程度研究者を引き付けて,教育評価体制を備えたdisciplineとなっているかどうか,という判断をするとき,○○学会の存在が重要な決め手になる.

2011-07-30 23:20:35
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

もちろん,○○学会が単に存在しているだけではなく,きちんとした活動をしているか,○○学会が標榜する学問課題の研究者がちゃんと参加しているか,隣接の研究領域から認知され名声を得ているか,といった様々な面から吟味して良い評価が得られていなければならない.

2011-07-30 23:26:10
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

名前を統一するためには,関連研究者がその名前に魅力を感じて,「それはよい」とひざを打つくらいでないといけない.

2011-07-30 23:28:34
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

○○学は多くの人が使っているが,皆バラバラに使っていて,共通の定義が見出されない,というのではたいしてスケールアップできない.

2011-07-30 23:31:12
Toyoaki Nishida @toyoakinishida

人を組織するのはもっと難しい.

2011-07-30 23:31:36
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