3月8日参議院内閣委員会 田村智子議員 「日本の研究力問題」についてーSatoru Muro さんによる書き起こし

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室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

3月8日参議院内閣委員会 田村智子議員 「日本の研究力問題」について 「選択と集中」、プロジェクト型予算、任期付教職員、雇止め問題 【日本の研究力について】 ○田村智子議員 次に、日本の研究力について取り上げます。 科学や技術の発展、また、経済社会を豊かに発展させる上でも、これ重要な課 pic.twitter.com/wjI65qQIqW

2022-03-11 12:45:56
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

題だと考えています。 菅前総理は、施政方針演説で、科学技術立国日本にとって、二十年近くも続く研究力の低迷は、国の将来を左右する深刻な事態ですと述べました。日本の研究力が世界の中で低下しているということについては、我が党も十年以上前から危機感を持って繰り返し国会で取り上げてきました

2022-03-11 12:45:56
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

。 岸田総理の施政方針演説や先日の小林大臣の所信挨拶ではこの日本の研究力について触れておられませんでしたが、低迷しているという認識がおありか、そうであるなら、その原因をどう分析されていますか。 ○小林鷹之大臣 委員今御指摘いただきました我が国の研究水準の状況でございますけれども、こ

2022-03-11 12:45:57
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

れについては、私どもといたしましても、委員の御指摘のとおり、例えば、被引用数、トップ一〇%の補正論文数、こうした実数というのは、低下は、実数自体は低下はしていないんですけれども、中国やアメリカなどの論文数が著しく増加をして おりますので、その反射的な効果として相対的な立ち位置とい

2022-03-11 12:45:57
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

うものが低下をしていると認識しています。 その背景として、例えば、幾つか挙げさせていただきますと、第一に、複雑化する競争的資金の申請などの事務や手続などによって研究者の研究時間の減少を招いていることが挙げられると思います。 また、世界のトップレベルの研究大学が、自己収入を含む様々な

2022-03-11 12:45:57
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

資金を獲得して事業規模を拡大しています。一方で、我が国との、我が国のその事業規模との差というものが当然拡大しております。こうした中で、他方で、これらの世界に伍する研究大学 だけではなくて、多様な大学の強みを引き出すための府省横断の取組、これまでやってきましたけれども、これが必ずし

2022-03-11 12:45:58
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

も十分ではなかった、こうした背景もあるかと思います。 また、三つ目としては、若手の研究者が腰を据えて研究できる環境が十分ではない、そして博士号取得者の多様なキャリアパスが十分開けていないこと、こうした背景があるというふうに認識をしております。 ○田村智子議員 今の論文数のことは、私

2022-03-11 12:45:58
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

、実は二〇一四年に取り上げてから何度も質問をしてきたことなんですね。そこに政府も注目しているということについては、かなり共 通認識になってきたのかなというふうにも思うわけです。 言われたとおり、本当に論文数そのもの、そして引用の多い優れた論文、補正論文数とも、伸び率が欧米各国、中国

2022-03-11 12:45:58
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

、韓国と比較しても日本は異様なまでに鈍化、後退をしています。文科省の科学技術・学術政策研究所、略称NISTEPの調査報告、科学研究のベンチマーキング二〇二一にもこのことが指摘されていて、資料の二ページ目ですね、日本の論文数の推移です。二〇〇〇年頃までは論文数、補正論文数共に増えて

2022-03-11 12:45:59
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

いく。ところが、二〇〇〇年代に伸びが鈍化する。二〇〇〇年代半ばからは 減少に転じてしまう、伸びが減少に転じる。 その後も顕著な回復はない。まさに低迷状態。このように、減少に転じるという変化がなぜ起きたのか、どう分析をされていますか。文科省にお聞きします。 ○寺門成真参考人 お答えい

2022-03-11 12:45:59
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

たします。 文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査によりますと、二〇〇〇年代半ばからの日本の論文数の停滞は、時期によっても異なるわけでございますけれども、教員の研究時間割合低下に伴う研究時間割合を考慮した教員数の減少、博士課程在籍者数の減少、原材料費のような直接的研究の実施に関

2022-03-11 12:45:59
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

わる費用の減少といった複合的な要因が影響していると、かように認識をしてございます。 ○田村智子議員 今の分析が資料の三ページ目、令和三年版科学技術・イノベーション白書で文科省が分析したグラフとして書かれているんですね。教員の研究時間の減少、博士課程に進む学生の減少、研究に必要な原

2022-03-11 12:46:00
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

材料費の減少と。これらは安定的に研究に取り組める条件が劣化した、研究に必要な予算が減少した、こういうことを示しているんですね。研究条件と予算の劣化、まさに政治の問題ですね。 次のページ、これは組織区分別、つまり国立大学、国立開発研究法人、私立大学、公立大学、企業、それ以外という組

2022-03-11 12:46:00
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

織別で論文数の増減傾向を示したものです。 一九九八年から二〇一八年に至る全期間を通じて、企業は常に減少傾向、日本の論文数全体にマイナスの影響を与えています。研究者を含めた労働者のリストラ、あるいは研究への投資、これを絞ってきた表れだというふうに推測されます。 一九九八年からの五年間

2022-03-11 12:46:01
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

、国立大学と国立研究開発法人は論文数を伸ばしています。ところが、二〇〇三年からの五年間で国立大学は大きく減少に転じてしまう。二〇〇八年からの五年間は、これに加えて国立研究開発法人も減少に転ずる。二〇一三年からの五年間では、国立研究開発法人は更に減少幅が大きくなって、トップ一〇%補

2022-03-11 12:46:01
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

正論文数で見ると、国立大学、国立研究開発法人とも顕著な減少傾向となります。 この国立大学と国立研究開発法人の研究力の大幅な低下、低迷、これ は国の科学技術政策あるいは大学政策が直結しているんじゃないかというようにも思いますが、大臣、いかがですか。 ○小林鷹之大臣 これも、田村委員御

2022-03-11 12:46:01
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

指摘のとおり、この図を見れば確かにおっしゃるとおりだと思っていまして、近年、特に国立大学、そして国立研究開発法人の論文数というのは減少してきております。その背景としましては、研究時間の減少を始め、先ほど三つ申し上げましたのでもう繰り返しませんけれども、そういう背景があるものと認識

2022-03-11 12:46:02
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

しています。 したがって、政府としては、研究時間の減少の課題につきましては、昨 年四月からスタートした第六期の科学技術・イノベーション基本計画などを踏まえまして、競争的資金の簡素化、デジタル化、そして迅速化を通じまして、研究者の方々の研究時間の確保に取り組んでいるところであります。

2022-03-11 12:46:02
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

また、大学の事業規模の話でございますけれども、これにつきましては、この国会審議で何度も出ておりますけれども、十兆円規模の大学ファンドを創設いたしまして、その運用益によって世界に伍するトップレベルの研究大学を支援をし、事業規模を国際的にも競争できるようにすることとしております。あわ

2022-03-11 12:46:02
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

せて、この十兆円ファンドの 支援を通じて、若手の研究者が活躍できる環境を整備することにもしております。 さらに、政府全体として、この国立大学、国立研究開発法人の運営費交付金などの基盤的経費、これを確保するとともに、創発的研究支援事業や若手への任期なしのポストの充実などを促す研究費改

2022-03-11 12:46:03
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

革のための取組を行っているところでございます。 引き続き、これらの施策に政府全体で取り組むことによって、大学における研究力の強化に取り組んでまいります。 続く

2022-03-11 12:46:03
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

続き 【運営費交付金、基盤的経費の削減】 ○田村智子議員 根本的なところの分析ないと思うんですよ。これ、劇的転換のときに何があったかなんですよ、 やっぱり。 二〇〇四年に国立大学は独立行政法人となって、運営費交付金、基盤的経費が年々減らされていきました。国立研究機関は独立行政法人と

2022-03-11 12:49:53
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

なってもしばらくは踏ん張っていたけれど、やはり基盤的経費削減の影響が現れたというふうに言わざるを得ないんですよ。 我が党は、独法化による運営費削減は日本の研究基盤を損なうものとして強く反対してきました。しかし、政府は、限られた予算を重点配分する選択と集中によって研究力は向上すると

2022-03-11 12:49:54
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

強弁してきたわけです。 資料の五ページから六ページ、NISTEPの二〇一九年の調査報告、研究論文に着目した日英独の大学ベンチマーキングというのも見てみたいと思うんですね。 イギリス、ドイツの大学と日本の大学を比べると、日本は極端に一部の大学に論文数が集中しているんです。アメリカや韓

2022-03-11 12:49:54
室生 暁 | 解剖学研究者 @SatoruMuro

国などと比べても同じです。日本以外の国は上位の大学に続く大学の層が厚い。国際的には共著論文が増加の傾向で、ある大学の論文はその大学で生み出され、その大学だけで生み出されているわけではないと。上位層を活性化しながら、上位に続く層の厚みが形成されて、共同研究、共著論文なども促進されて

2022-03-11 12:49:54
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