ペアレンタル・インベストメント(PI)、「ハーレム脳」と「一夫一妻脳」のキメラと月経周期、テストステロンと浮気性、オスの性的魅力↔︎メスの浮気可能性

MPIとFPIの比率におけるホモ・サピエンスの特徴。 婚外性交(EPC)の構造。 グッド・インベストメント指標vsグッド・ダッド指標。
4
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

Q.なぜ女は高年収の男性が好きなのか?A.ライバルにマウントがとれて快感だから?──その答えは生物学的には不十分だ。高ステイタスの彼氏や旦那を他の女性が羨むのはなぜかというそもそもの説明に欠けるからだ。親の投資/ペアレンタルインベストメントという生物学的観点はこれを完璧に説明する↓ pic.twitter.com/TgU9mNhAC7

2021-01-29 22:12:10
拡大
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

女性は裕福な暮らしが好きだ。むろん男性も好きだがそれを異性に対して要求する気持ちは薄い。シンデレラに憧れる女性は多い一方、男がアラジン(貧乏な泥棒から王女と結婚する玉の輿をした)に憧れを抱くとしたら、裕福な生活を手に入れたことよりも、美しい姫を手に入れた部分に焦点が当たるだろう。 pic.twitter.com/EoxJCDAOVT

2021-01-29 22:12:13
拡大
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

どうして女性は、豊かな暮らしを与えてくれそうな男に惹きつけられるのだろう。その心理の生物学的背景には、子どもたちを養い育てていかなくてはならない母親としての使命がある。異性とはある意味では、自らの再生産のため、自分の遺伝子を後世に受け継ぐために生物が利用可能な繁殖資源なのである。

2021-01-29 22:12:14
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

「夫は自分の子どもを産ませるために妻を利用し、妻は子をつくり、子育てを手伝わせるために夫を利用するのだ。結婚というのは、協力的事業と相互搾取との境界線を絶えず揺れ動いているものなのである」───と動物行動学者のマット=リドレーは述べている。amazon.co.jp/dp/4150504180/…

2021-01-29 22:14:18
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

動物界において順位の高いオスは潤沢な食糧資源や安全ななわばりを得ていることが多い。安全な子育て環境は捕食圧を避けるのにいいし、豊富な食糧は強い息子や肥沃な娘を育て上げるのに不可欠だ。メスはステイタスの高いオスに惹きつけられる心理を進化させることで、子育て環境を整えることができた。 pic.twitter.com/iv4CzIbCeC

2021-01-29 22:19:55
拡大
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

もっとも、タワーマンションに住むことが子育てにとって良い環境かどうかはわからない。しかし、高い価格がついている品物は質も高いというヒューリスティックをわれわれ人類は日々の暮らしの中で十分に脳に発達させているから、地位財(positinal goods)への女性の憧れは強い。

2021-01-29 22:23:18
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

女性が高年収男性に感じる魅力の生物学的根源は、その潤沢な子育て資源にある。名の知れた企業に勤めるなど社会的地位が高い男は女性からRHP(=資源保有ポテンシャル)が高いと認識される。男性が子育てリソースを自分の子供に惜しまず注いでくれることは、女性の遺伝子生存戦略にとって重要な要素だ。

2021-01-29 22:25:50
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

父親の子育て参加(MPIの高さ)はホモ·サピエンスという種を際立たせる生物学的特徴だ。ある研究者は、サピエンスのメスはオスを「ベイビー/赤ちゃん」として飼いならしてきたとも言う。男がバブみを求めるようになれば、妻/彼女を見捨てずに家庭に戻ってくるようになるだろう twitter.com/selfcomestomin…

2021-01-29 22:26:37
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

人間の男女が育む「愛」の正体とは何なのか? それは動物のオスとメスを惹きつける「性的欲望」とはまた質の異なるフィーリングのように感じられる。神経生物学者のラリーヤングは、オキシトシンは本来何のためのホルモンなのかという点に着目し、衝撃的な理論を唱えている:"愛しのベイビー"仮説だ。 pic.twitter.com/0efiBXRvYm

2020-04-18 04:38:19
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

ただし霊長類の育児のやり方の進化的基礎はあくまで、ママ友や祖母と協力して子供を育てる体制"アロマザリング"だ。現代の狩猟採集社会でもアロマザリング・コミュニティが機能している。また肉など大抵の食糧は部族内で平等分配されている。生計や扶養を独立させた核家族というものは存在しなかった。 pic.twitter.com/uvHa9BooNG

2021-01-29 22:33:41
拡大
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

女性が、成人して以降も、男性よりも同性の友達作りや、友情の定期的なメンテナンス──だいたいカフェに行く──に積極的なのは、アロマザリングの本能が残っているからだ。女友達は、将来のママ友になることが期待される。子供を預ける関係だから、良好に保っておかないといけない。 pic.twitter.com/xEyGKv3WYF

2021-01-29 22:38:10
拡大
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

アロマザリングのおかげで「父親の扶養がなければ子供は死ぬ」というレベルまでには父親の必要性は切迫したものでなかった。そのため男性はすきあらばセックスだけして付き合う/結婚せずに逃げようとしたり、自分の子供の子育てをサボって人妻を誘惑することに精を出したりするよう進化してしまった。 pic.twitter.com/qv01cSdClZ

2021-01-29 22:44:56
拡大
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

進化人類学者のロビンダンバーは、人類の一夫一妻は「子育ての必要性」から進化したものではないと前置きし、こう述べる: 「現生人類の赤ちゃんを育てるのにほんとうに二人の大人が必要とされたのなら、その役目は"おばあさん"が背負ったと考えたほうが適切に思える。」。 amazon.co.jp/dp/4772695516/…

2021-01-29 22:46:48
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

これは、女性が出産の際にやたらと里帰りをしたがる理由である。

2021-01-29 22:47:43
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

ふつう、ホ乳類のメスは、母親だけが子育てをする(霊長類にはママ友同士の育児協力体制:アロマザリングが存在するが)。ホ乳類は卵を産んで終わりというわけでもないため、FPI(=メスの育児投資量)とMPI(=オスの育児投資量)の差が、きわめて大きいグループだ。

2021-01-29 22:48:30
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

親の投資──ペアレンタル·インベストメント──の釣り合いに差があるため、ホ乳類のメスは、受け取るオスの精子を厳しく選ぶ。性的競争力の高いオスに交尾相手としてのメスの人気が一極集中すると、オス同士の遺伝子生存競争は進化的にも/後天的にも激しさをましていく。 twitter.com/selfcomestomin…

2021-01-29 22:50:09
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

"(オスが存在することに対して)考えうる説明のひとつが、「メスの好意を得ようとオス同士が争うことで、オスが種の遺伝子プールを改善する」というものだ。それによって、自分たちの新しい世代を、環境の変化やネガティヴな遺伝的変異の影響に対して対応できるようにするわけだ。" >オスの存在理由 twitter.com/wired_jp/statu…

2019-10-29 21:34:10
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

───だが前述したように、ホモ·サピエンスはオスの育児投資量(MPI)が大きい、すなわちFPIとMPIにそれなりに釣り合いがとれた種である。そうなるとメスの興味は「精子の質」からしだいに「子どもに注いでくれる投資(MPI)」を重視する方へと移行していく。

2021-01-29 22:51:18
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

資源獲得能力が高い男、またその資源を他の女のもとにではなく自分とその子供にだけ注いでくれる真面目な男を「夫」としてつかまえることに成功した女性は、子供たちがすくすくと育って繁殖適齢期まで成長してくれることが確かになるという点で進化的アドヴァンテージがあった。 pic.twitter.com/czVzL5K3Yf

2021-01-29 22:53:05
拡大
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

「美味しい食べ物はたまたま全部カロリーが高い」と嘆く人に「カロリーの高い食べ物を美味しいと感じた生物が自然淘汰を生き延びた」という正しいロジックをぶつけるのが進化論のセオリーだ。ハイスペ男は女性にとって"栄養価"が高い。

2021-01-29 22:53:43
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

とはいえ、どうやら、サピエンスのメスはまだ、オスのMPI(=父親の投資)がゼロだったころの遺伝的歴史──ホ乳類の先祖から受け継いできたハーレム的な配偶心理──を完全には捨て切れていないようだ。

2021-01-29 22:54:38
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

男女が1:1のつがいになって子育てをする単婚種であるテナガザルの社会では "あぶれオス" は出ない。誰に強制されることもなく自然と一夫一妻になる。一方、人類はどうだろう?おそらく我々は、文化的な強制がなければ皆婚を達成できない種だ。

2021-01-29 22:58:38
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

サピエンスの女性の脳はいわば「ハーレム脳」と「一夫一妻脳」のキメラになっている。彼女たちは「精子の質」(※生物界では沢山のメスから精子を求められているオスは誠実でなくなる)と「子育ての質」(※他の女と浮気されるとMPIが分散するので好ましくない)をともに求めるという暴挙に出ているのだ。

2021-01-29 22:59:39
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

そうはいっても、自らの肉体に子供を孕ませるという多大な生物学的投資を行うのは女性の側だ。男性がセックスに投資したカロリーは翌朝の朝食でベーコンエッグを一個多くつまめば回復できるが、女性の心は避妊具のなかった時代に進化しているから、そうはいかない。 pic.twitter.com/Jkw4fmvP7C

2021-01-29 23:08:12
拡大
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

女性からすれば、文句があるならさっさと人工子宮を作ってみろというものだろう。

2021-01-29 23:08:14
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

───さて、以上の内容を総括して、進化心理学者のドナルド=ホフマンは「PI: 親の投資」のセオリーを簡潔に説明する。彼はPIセオリーを応用し、いわゆる「托卵」(extra-pair copulation)がなぜ起こるのかについてもわかりやすい説明をしてくれているから、ここは男性にとって興味深い所だろう: pic.twitter.com/guc9Z3rrll

2021-01-29 23:39:48
拡大
エボサイ(EvoPsy) @selfcomestomine

〔女性の〕" 嗜好の複雑さには、親の投資という妥当な進化的理由がある。育児は、ある程度の時間とエネルギーの投資を両親に求めるが、その量は両性のあいだで異なりうる。哺乳類では、メスは懐胎と養育の面で多大な投資をしなければならない。" pic.twitter.com/MD1VumZL42

2021-01-29 23:48:59
拡大