ドイツ:脱原発の次は、脱石炭?

早々に脱原発を舵を切ったドイツですが、さらに脱石炭政策も打ち出そうとしています。一方、遅ればせながら再生可能エネルギーの普及を加速しようとしている日本では、大規模太陽光施設の新規申請の拒否など、いろいろな問題が聞こえてきます。 本家ドイツにしても、FITによる電力料金の高騰など、さまざまな問題点を指摘する評論をよく目にします。が、ドイツと日本では、エネルギー革命に賭ける本気度が少し違うような気もします。 ドイツのエネルギー革命の現状に関して、ドイツ在住のジャーナリスト、熊谷徹氏(@ToruKumagai)のツイートをまとめました。 続きを読む
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熊谷 徹 @ToruKumagai

バッテンフォール社はすでに独での褐炭火力発電からの撤退を発表しており、他社も走り出した列車に飛び乗ろうとするだろう。やはり大手電力のRWEとENBWは、どういう動きに出るか。

2014-12-02 04:55:47
熊谷 徹 @ToruKumagai

ドイツのメディアは、電力会社EONの二分割問題で、大変な議論になっている。エネルギー情報の洪水だ。ドイツではますますエネルギー問題が、重要なテーマになりつつある。来年はさらに色々な展開があるだろう。さて日本は?

2014-12-03 03:00:32
熊谷 徹 @ToruKumagai

ドイツのエネ革命は、同国最大のエネ企業の「解体」という、欧州の産業史に残る事態を生み、業界再編に拍車をかけることになった。エオンは2016年以降、本社(従業員数4万人)と新会社(従業員数2万人)に分割。

2014-12-04 15:07:01
熊谷 徹 @ToruKumagai

本社は風力、太陽光などの新エネ、スマートグリッド、顧客ニーズに合わせた電力供給を基幹事業とする。原子力、火力など伝統的な発電事業は新会社に移管。新会社の株式の大半は現株主が保有するが、残りは株式市場で売る。

2014-12-04 15:07:06

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もう1つ、ドイツの電力の自己調達事情、および売電事情の関連ツイートも。

熊谷 徹 @ToruKumagai

自家発電・大流行  ドイツでは、電力を自前の発電設備から調達する企業や個人が増えている。ドイツ経済研究所の調査によると、2012年のドイツの電力消費量の中で、自家発電による電力は11%に達した。この比率は2008年を3ポイント上回っている。

2014-12-03 05:14:24
熊谷 徹 @ToruKumagai

自家発電の人気が高い理由は、コストの安さ。ドイツでは、電力販売会社から電気を買うと、再生可能エネルギーを促進するための賦課金を徴収される。その金額は、1世帯あたり毎年266ユーロ(3万7240円・1ユーロ=140円換算)に達している。

2014-12-03 05:14:40
熊谷 徹 @ToruKumagai

しかしこれまで自家発電装置は、この賦課金を免除されていた。  電力販売会社から電気を買う時には、送電線や配電線を使って電力を送るための料金(託送料金)が加算されるが、自家発電ならば託送料金はかからない。このためドイツの約5万社の企業が自家発電によって、電力コストを節約していた。

2014-12-03 05:14:59
熊谷 徹 @ToruKumagai

余った電力を送電事業者に売れば、他の消費者が払う賦課金に支えられた収入も転がり込む。持ち家率が比較的高いドイツ南部では、自宅の屋根に太陽光パネルを取り付けて、エコ電力を自分で使うだけではなく、電力会社に売って追加収入を稼ぐ市民も増えている。

2014-12-03 05:15:10
熊谷 徹 @ToruKumagai

メルケル政権は、今年1月に再生可能エネルギー賦課金の伸びに歯止めをかけるために、助成制度の改正案を打ち出したが、その中には新規に建設される自家発電設備だけではなく、設置済みの自家発電設備からも、部分的に賦課金を徴収する方針が含まれていた。

2014-12-03 05:15:21
熊谷 徹 @ToruKumagai

この案については、産業界が猛烈に反対。ロビー団体は「電力コストがさらに高くなったら、企業は生産施設を国外に移すので、失業率が上昇する」と圧力をかけたために、メルケル政権は設置済みの自家発電設備からの賦課金徴収をあきらめた。

2014-12-03 05:15:29
熊谷 徹 @ToruKumagai

これまでドイツでは、大手電力が発電した電力を、販売会社が消費者に売るという形態が主流だったが、今後は発電設備がどんどん全国に分散していく。 pic.twitter.com/ZYgnhrAeRc

2014-12-03 05:16:11
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熊谷 徹 @ToruKumagai

原子力発電所が2022年末に完全に廃止されれば、この分散化傾向がさらに強まる。これは日本とドイツのエネルギー構造が大きく異なる点である。

2014-12-03 05:16:18