中世の怪物伝承
「ケンタウロス(ハルフフント)は馬+人。牛+人はモノケンタウロス、ロバ+人はオノケンタウロス、馬+人はイポケンタウロス」『ハインリヒ集成』III, 9, 353-6(11世紀)
2015-12-12 04:59:20「私はケンティコアを馬の脚をもつ怪物だと述べたが、ケンティコアからすれば馬のほうこそケンティコアの脚をもつ怪物なのである(意訳)」ウィリアム・キャクストン1480『世界の鏡』
2015-12-21 16:58:11「プレスター・ジョンの書簡」
「七つの身体があり、それぞれに頭がある生き物がおり、モリニ(מוליני)と呼ばれる。どの頭についても、切断したところから頭が生えてくる」『ヘブライ語版プレスター・ジョンの書簡』
2015-12-05 18:29:57ヘブライ語訳の書簡、当然ながら母音記号がついてないので、「外来語」を日本語で表記するのは実質的に無理なんだよなあ……(ほかのヘブライ語文献にも言えるけど)。
2015-12-06 02:12:40まあ英語対訳だから多少は助けになる。角が生えてて前顔に目が一つ後頭部に目が二つの人食い種族「פיםינוס」はPyMyNwSでPeminusとあるからペミヌス(<ポリュペモス)とか。
2015-12-06 02:17:50アレリオン
逆に不死鳥っぽい鳥「אלירואון」はʔLyRwʔwNで英訳にはAlerion(これは英単語)とあるがたぶんAleruonのほうが原音に近いのではないかと思われる(たぶん)。
2015-12-06 02:19:39ヘブライ語版プレスター・ジョンの書簡に出てくる幻鳥についてちょっとだけ追加してみる(アレリオン)。一つ項目書くだけでもう疲れた。 toroia.info/dict/index.php…
2015-12-06 03:45:35これを書いた後で中世フランスのギヨーム・ド・マショーなる詩人が「アレリオンの物語」とかいう長文の作品を書いていて英訳注も出ていたことを知る。
2015-12-06 03:50:03@toroia いまいち起源はわからないっぽい。英語での初出では「アレリオン」のほかマーリオン(merlion)という綴りも出てきてる。
2015-09-30 20:09:15イギリス、アイルランド
レプラコーン
Jacopo Bisagni, 2012, Leprechaun: A new etymology, Cambrian Medieval Celtic Studies 64: 47-84を斜め読み。 レプラコーンの語源は古代ローマのルペルクスだ!という大胆な指摘をした論文だった。
2015-12-04 17:41:10古代のルペルクスとはそのままつながらないが、中世アイルランドのラテン語文献を見てみるとどことなく繋がりが見えてくる……という話。 説の当否はともかくとして、日本の「中世神話」と同じようにヨーロッパでも「中世神話」は大量に生産されていたんだなあということがよくわかった。
2015-12-04 17:43:23「中世神話」って、要するに、有名なやつだとグレンデルがカインの子孫とかそういうやつですね。聖書神話やギリシャ・ローマ神話と「土着」の神話伝説との接合。
2015-12-04 17:46:23ポーカーお化け
OED今日の一語はpokerish「不思議な、恐ろしい;薄気味悪い、不気味な」。pokerが語源らしいがカードゲームと関係なさそうなので調べてみるとAny imagined frightful object...; a bugbear.とあった。「お化け」ですな。
2015-06-28 15:21:57ホワイト・レディ
OED今日の一語は「ホワイト・レディ」! 2番目の語義に「白い服の幽霊、妖精、超自然的存在で、凶兆とされることがおおい」とある。英語での最古の用例は1762年、18世紀後半らしい。
2015-09-10 17:58:24