近世日本の、中華への憧れ~それがいつから「日本は中国より上」になったか?
- gryphonjapan
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「清は蛮族の開いた王朝であり、ここで中華の徳は完全に廃れてしまった。こうなってしまっては真の中華を名乗れる国はもう我が国だけである」という論法を朝鮮と日本の儒学者は好んで用いています。清朝で花開いた文化を全く知らなかったわけでもないでしょうし、まあ悲しい自尊心です。
2016-01-23 03:26:46私は朝鮮、日本、越南は「ああ、中華になりたかったんだな」という強烈なコンプレックスが渦巻いているような制度や思想がままあって好きです。近代日本でいえば明代の制度を真似た一世一元の制や、洪武帝の六諭を真似た教育勅語などですかね。
2016-01-23 03:30:30日本が近代化し欧州の制度を取り込んでいく中で、元号や教育勅語など天皇関連で明朝の制度を真似ていたという二面性が非常に好きです。近代化したいと同時に、天皇を中国の皇帝のようにもしたかったんだなあという。
2016-01-23 03:33:30朱子学者でも佐藤直方は、天照大神がそんなことを言ってないのに中国の論理で天皇家が続いているから徳が保証されてるとするのはおかしい、百王一姓に過ぎないと指摘してたが、顧みられなかった twitter.com/maomaoshitai/s… twitter.com/maomaoshitai/s…
2016-01-23 04:12:50佐藤直方は「自分が生まれた国や父母を、薬売りのようにわがままに自慢するのでは、天下の公理とはいえない」と、普遍的な宇宙の理にもとづいて考えるべきだと説いたり、赤穂浪士は国レベルの秩序に反してるから義士でないとしたりと、朱子学の合理思考面を突き詰めて、当時としてはかなり現代人より
2016-01-23 04:18:44togetter資料 むかし、佐藤直方や山本七平「現人神の創作者たち」についてツイートしたよな…と思い出した。 「信じる」の意味、カミと人、儒学の影響と矛盾…神道に関するさまざまな論議~織部ゆたか氏のツイートを中心に - togetter.com/li/863361
2016-01-27 09:28:19ちょっと、この過去まとめと重複するが画像など再掲載。
そういえば、江戸時代の学者で、儒教的な正義論を突き詰めた結果「アマテラスが『子々孫々を守る』と仰るのはよろしくない。『子孫の天皇が悪事を働くなら蹴り殺すぞ』、これが正しいあり方だ」という結論になった人がいたっけ。 @iiduna_yutaka
2015-08-20 09:43:04@gryphonjapan おお、なんという革命思想! 江戸時代の学者も結構色んな方向にいく人いるから面白いんですけどね。
2015-08-20 09:44:32ううむ、資料を持ってても見つからなきゃ意味がない…「現人神の創作者たち」文庫版が行方不明ゆえ、検索し確認しました。発言者は佐藤直方です。「赤穂浪士は忠義ではない」と堂々論じたのが有名ですね(続く) tktitsushi.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/p… @iiduna_yutaka
2015-08-20 13:05:59(続き)引用 ==== 佐藤直方は、日本的朱子学を批判して、こう言っている。 「天照大神ガ、子孫ノ天皇ニ不行儀ヲスルモノアラバ、蹴殺サウト仰セラレタナレバ、ヨイコトゾ」と。 朱子学で絶対なのは「天」であって、「天子」ではない。 ==== (続く)@iiduna_yutaka
2015-08-20 13:08:42togetter用資料 みなもと太郎「風雲児たち」より。 もともと尊王論は朱子学由来だが、本当にそれを突き詰めると「天皇も悪なら滅び、命が革まる(革命)のでは?」との疑問が出てくる。佐藤直方は突き詰めたが逆に「天皇無謬論」も… pic.twitter.com/W97PIpQw1f
2015-08-21 10:44:21togetter用資料 冲方丁「天地明察」の主人公・安井算哲儒学者にして神道家だった山崎闇斎の弟子(保科正之もそうだけど)。 実際の闇斎先生はすごく厳格な人で、あんな軽妙な感じなのは創作の工夫だろうけど、まあとにかく思想的影響は大。 pic.twitter.com/RfpS8HiDBJ
2015-08-21 10:40:10togetter用資料 これも挿入しておこう。 松岡正剛の千夜千冊796夜『現人神の創作者たち』山本七平 1000ya.isis.ne.jp/0796.html
2016-01-27 09:36:44…本書の意図はいったい尊皇思想はどのように形成され、われわれにどのような影を落としているのかを研究することにある。議論の視点は次の点にある。徳川幕府が開かれたのである。これは一言でいえば戦後社会だった。北条執権政治このかた300年ほど続いた内戦と秀吉の朝鮮征討という無謀な計画の挫折に終止符を打ったという意味での、戦後社会である。
このとき幕府は藤原惺窩や林羅山らを擁して儒教儒学を政治思想に採り入れようとしたのだが、要約していえば中国思想あるいは中国との“3つの交差”をなんとかして乗り切る必要があった。慕夏主義、水土論、中朝論、だ。いずれも正当性(レジティマシー)とは何かということをめぐっている…
第三部
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@bci_ 台湾の名が出たのでちょいと質問を。 台湾には少なからず、自分達は『中華民族』ではないと主張する方々がいます。 先住民や日系の血筋なら分かるのですが、台湾の人口比率で8~9割は漢民族のはず。 中華思想がいつの時代成立したか不詳ですが、中華民族と漢民族は分けて考えるべき?
2016-01-26 15:49:20中国について学び・考え・行動するのが私のライフワークです。 ■Bluesky bsky.app/profile/blackc… ■Instagram instagram.com/blackchinainfo ■Amazon Affiliateもつぶやきます
それと、ルーツは大陸にあるから、台湾の人は中国人…だから統一すべき…と言うのは、ヒトラーの「ゲルマン人」の発想とよく似てる。その内、日本にも徐福がどーのとか、神武東征は実は九州に上陸した中国人だとか、言い出すだろうから日本人にとっても他人事じゃありません @Robert_RJSN
2016-01-26 16:48:26@bci_ 私も「中国人だから統一」てナチやんか…と思っていました。昔西洋史で「オーストリア統一の時点でヒトラーが死んでいたら偉大な政治家と評された」と発表した時、先生から「なんで統一せなあかんの?」と訊かれてあっ!となりました。
2016-01-26 16:56:29むしろ歴史的には江戸時代から「東アジア圏で万世一系の天皇をいただいてきた日本が一番優秀・偉大である」という思想が主流で、江戸時代初の天皇家は中国の聖人の子孫という林羅山(その羅山も朝鮮蔑視)などの説も否定され、それが明治以降につながってます@bci_ @Robert_RJSN
2016-01-26 17:20:19