韓国の第3次武侠小説ブームとウェブ武侠漫画

日本語で読める韓国のウェブ漫画のうち、一大ジャンルをなしているのが武侠モノである。代表的なものに『天涯峡路(てんがいかいじ)』や『華山転生(かざんてんせい)』がある。どちらも韓国の「新武侠小説」をコミカライズしたものである。 武侠小説は中華圏がその発祥地だが、それが韓国ではどのように受容されていったのか。韓国の小説家、批評家のソン・ジサン氏が語ってくださいました。【2020年9月7日】 (ソン・ジサン氏の著書内の武侠小説年表について、日本語で概略を説明しています。これについては事前にソン・ジサン氏にOKをもらっています) (武侠の「侠」は本来「俠」ですが、このまとめでは基本的に「侠」で代用しました)
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Dokuta 松川良宏 @Colorless_Ideas

@hatibarikitaka 私も韓国で武侠小説創作が非常に盛んというのは知ったばかりで……。とはいえ日本語に翻訳されたものはないと思います。中国語圏の武侠小説ですらなかなか体系立てて紹介されない状況ですからね。ただ、韓国の武侠マンガであれば @korenkan さんが作ったリストをご覧下さい。 sites.google.com/site/korenkan/…

2020-09-06 21:36:37
八針来夏 @hatibarikitaka

@Colorless_Ideas @korenkan おお、有難いです。自分も武侠漫画は李志清先生の『射鵰英雄伝』ぐらいしか手元になく。手に入るものがあるなら探してみようと思います。ありがとうございました。

2020-09-06 21:40:14
ジョー猫 @korenkan

@hatibarikitaka @Colorless_Ideas 自分が紹介している作品は基本的にウェブトゥーンが主体で、単行本は国内では出ていないのですよ……。さておき、正統派に近い武侠モノだと『天涯峡路』『高手~武術の達人~』、転生チート要素のある今風の作品だと『華山転生』がおすすめです。

2020-09-06 21:50:34
  • 天涯峡路(てんがいかいじ)
    韓国語原題は『天涯路(チョネヒョムノ)』(てんがいきょうろ)。チョンブ(Chonbu)の同題の新武侠小説(2006年~2019年刊、全11巻)の漫画化。作画はチ・ワギョム(Ji, wa-gyeom)。

  • 高手~武術の達人~
    韓国語原題は『高手(コス)』。漫画オリジナル作品。シナリオ:リュ・ギウン、作画:ムン・ジョンフ。

  • 華山転生(かざんてんせい)
    韓国語原題は『華山生(ファサンジョンセン)』(かざんぜんしょう)。チョンジュン(JUN)の同題の新武侠小説(2017年5月~2019年8月刊、全17巻)の漫画化。作画はトマシ(tomassi)。

[この記述はジョー猫さん( @korenkan )作成の「オンラインで読めるアジア漫画」を参考にさせていただきました。]

손지상(孫 志尚, Son Ji-Sang) @doskharaas

韓国のネット小説の商業化は25年くらいの歴史がありますが、普通にファン・ム・ソソル(「ファン」タジー•「武」侠・小説)とも云われるくらい、武侠はスタンダードです。今はちょっとオジさんの専有物の認識ですけど、未だ健在です。 twitter.com/korenkan/statu…

2020-09-06 14:33:50
ジョー猫 @korenkan

韓国の出版界ではミステリよりも武侠のほうが市場規模が大きいという話、なかなか衝撃的だ……。

2020-09-06 14:25:31
ジョー猫 @korenkan

@doskharaas 最近、日本の漫画アプリに韓国の武侠作品がたくさん配信されています(『華山転生(화산전생)』『墨香(묵향)』『高手(고수)』など多数)。これらの読者層の年齢は、高めなのでしょうか。『墨香(묵향)』は、原作がかなり古い作品なので、おじさんの読者が多いだろうと推測しますが……。

2020-09-06 14:41:46
손지상(孫 志尚, Son Ji-Sang) @doskharaas

@korenkan 高手はウェブトゥーンでしょうか。韓国武侠漫画の大ヒット作を出したコンビの意欲作で高い人気です。僕は86年生まれですが、묵향は僕とちょっと上の世代が学生時代に「ファンタジーと武侠をクロスオーバーするとは!」と人気を得ました。ジャンプ読者層の年齢は上がったの同じかもしれません

2020-09-06 14:46:29
ジョー猫 @korenkan

@doskharaas 高手はウェブトゥーンのやつで合っています(namu.wiki/w/%EA%B3%A0%EC…)。やはり韓国でも人気のある作家さんたちなんですね。묵향の第二部は、さきほどソンさんが説明してくださった「新武侠」の好例なのかなと思いました。

2020-09-06 14:53:06
ジョー猫 @korenkan

@doskharaas 最近、日本の漫画アプリで読める韓国・中国の漫画を調べていたのですが、武侠作品の原作小説の出版年を見ると、意外と古いことがあります。ソンさんの説明を聞いて、腑に落ちた気分です。ありがとうございます。 sites.google.com/site/korenkan/…

2020-09-06 14:56:54
손지상(孫 志尚, Son Ji-Sang) @doskharaas

@korenkan 高手の作家のお二人は、90ー2000年代初ヒットしたにも関わらずその後漫画家への収入還元が良くできなかった2000年代、止む無く日本の学研漫画に相当するキャリアを続きました。高手は久々の武侠での里帰りで高い支持を得ています

2020-09-06 15:02:50
ジョー猫 @korenkan

@doskharaas いま調べて気がついたのですが、류기운さんと문정후さんは、日本でも大人気の『サバイバル(동굴에서 살아남기)』シリーズを手がけていたんですね。『サバイバル』は何冊か読んでいたのですが、全然気がついていませんでした……。

2020-09-06 15:08:08
  • ↑ 武侠漫画『高手』のシナリオ担当:リュ・ギウン(류기운)と作画担当:ムン・ジョンフ(文情厚 / 문정후)の学習漫画関連の仕事について。《かがくるBOOK 科学漫画サバイバルシリーズ》の何冊かをコンビで手掛けている。
  • 『高手』のリュ・ギウンとムン・ジョンフの2人は1996年に『少年チャンス』で連載を開始した武侠漫画『龍飛不敗(ヨンビふはい)』(~2002年、全23巻)でデビューした。ヨンビ(龍飛)は主人公の名前。
ジョー猫 @korenkan

『サバイバル』の何作かを担当した人が、もともと人気武侠漫画家だったというのがびっくりだし、韓国本国でも前歴に気がつかれていなかったという話はなかなか興味深い。

2020-09-06 15:15:58
손지상(孫 志尚, Son Ji-Sang) @doskharaas

@korenkan 因みに余談ですけど、13年前のアマチュアの頃、すでに人気プロ作家だった 『天涯峡路』(ピッコマ) ■要素:武侠 、韓国作品 原作:촌부(Chonbu) のチョンブ氏と飲み会で会って、一回酒を交わした事があります。すごく良い方でした

2020-09-06 15:05:41
ジョー猫 @korenkan

@doskharaas 『天涯峡路』はすごく温かみのある物語なので、原作者の方の人柄が良いと聞いて納得です(笑)。

2020-09-06 15:10:09
손지상(孫 志尚, Son Ji-Sang) @doskharaas

@korenkan 大黒柱で毎日連載しながら病で厳しい親を支えて来ました。華奢で小さい方でしたが、いつも笑みを含む表情でよく話を聞いてくれました

2020-09-06 15:13:37
ジョー猫 @korenkan

@doskharaas 30歳で兵役に行かされたり、ご苦労の多い方のようですね……。これからも良い作品をどんどん書いてほしいと思います。

2020-09-06 15:21:17
손지상(孫 志尚, Son Ji-Sang) @doskharaas

@korenkan 元々免除でしたが、法の改定によりいきなり変わってしまい、兵役で大変だったらしいです。位置付けは変わった変化球の作家らしいですが、基礎がしっかりしている方なのでこれからもどんどん良い作品を書かれると思います

2020-09-06 15:25:37

のちの「新武侠」誕生のきっかけとなった金庸『英雄門』(1986年刊)