#超算数 :人間が繁栄した鍵は革新的な思考力ではないので「かけ算の順序」はどうでもいい

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興味のある方は下をご覧ください。

人間が繁栄した鍵は革新的な思考力ではなく「何も考えずに他者を模倣する力」かもしれない - GIGAZINE
https://gigazine.net/news/20200216-being-human-key-being-copycats/

今回の論点

論理的に正しい立式や交換法則の定義ではなく、人間の学習法としてかけ算の文章題を解く際のメンタルモデルを考えると、

同数グループ構造を見て取り、かけ算で全体の数が求められると判断したのならば、その時点でかけ算で計算する(どうせ交換法則が成り立つし)のが人間にとって正しい思考法ではないか?という視点で、かけ算順序強制を批判します。

kistenkasten723 氏によるかけ算の順序についての解説

kistenkasten723 @flute23432

「* 「ずつ」のついている数 * 答えが〇〇本なら「本」のついている数 をかけ算の式では先に書くという パターンマッチ教育」(黒元氏 2021/07/01 06:30PM) #掛算 #超算数 #算数 #算数教育 #かけ算の順序 #かけ算 #1つ分の数 #いくつ分 #同数累加

2021-07-02 00:34:17
kistenkasten723 @flute23432

小学校では、かけ算は、1つ分の数といくつ分から全部の数を求める演算として、教えられている。1つ分とは、同数グループ(equal groups)があるときの、各グループの構成員数のことで、いくつ分はグループの数のこと。かけ算の学習では、このかけ算の構造と、2つの数の役割の違いの理解が目指される。 pic.twitter.com/LGbaXXNQEi

2021-07-02 00:34:17
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kistenkasten723 @flute23432

だが、船長の年齢の問題に見られるように、小学生は、とくに低学年生は、文章解析力が低く、「かけ算の単元だから」という浅薄な理由で、文章中の2つの数を、その意味を考えることなしに、暗唱した九九を用いて掛け、答えを求めようとする傾向が強い。

2021-07-02 00:34:18
kistenkasten723 @flute23432

同数グループ構造を見て取り、全部の数を求めるからという理由で、つまり、かけ算の構造を見て取ることで、かけ算で答えが求められると認識し、かけ算が適用できるようになるべき。

2021-07-02 00:34:18
kistenkasten723 @flute23432

その場合、どれが1つ分の数で、どちらかいくつ分の数かを判別する必要がある。そこで、教科書は、〈1つ分×いくつ分〉の順に、式の順序を統一している。これによって、児童にも教師にも、乗号の前が1つ分の数であることが、明白となる。

2021-07-02 00:34:18
kistenkasten723 @flute23432

これは、ある種の整理枠のようなもの。鍵盤ハーモニカと習字セットでは、使う時間も役割も違う。だから、混在させずに、別々の棚に収納しておく。同様にして、1つ分といくつ分も意味が違うので、位置も別にしておくのである。

2021-07-02 00:34:19
kistenkasten723 @flute23432

この位置固定は、文字式で積は数字前・文字後の順にするルールと同じで、表記上のものであり、かけ算の可換性のような原理的なものに抵触しない。文字式のルールは同類項をまとめるときの整理整頓、算数のかけ算順序も、1つ分といくつ分がごちゃごちゃにならないようにするための整理整頓。

2021-07-02 00:34:19
kistenkasten723 @flute23432

加えて、教師は、しばしば、児童にもこの順に式を書かせる。つまり、教師は、文章題の式欄で、教科書に載っている〈1つ分×いくつ分=全部の数〉という定式どおりに、式を立てるように、求める。テストのときも、児童自身に、授業のときに使った整理枠を使わせる。

2021-07-02 00:34:19
kistenkasten723 @flute23432

どちらかの数か1つ分かがわからない児童は、この指示に従うことはできないからから、このうよな指示は、数字の意味に対する児童の無徳着の傾向に対して、一定の効果があると考えられる。

2021-07-02 00:34:19
kistenkasten723 @flute23432

算数で、かけ算の順序が、〈いくつ分×1つ分〉ではなく、〈1つ分×いくつ分〉の順となっているのは、日本が明治期に参考にした当時の欧米の算術書が、その順序を採用していたからである。どちらを採用するかは、慣習的に決まるものである。数学的な必然性はない。どちらかで統一してあることが大切。

2021-07-02 00:34:20
kistenkasten723 @flute23432

かけ算の文章題では、1つ分の数に「ずつ」がついていることは、たしかに、多いので、一つ分の数を見つけるときの重要なヒントにはなる。しかし、「ずつ」が付いていない文章題も、教科書に普通に見られる(画像参照)。 pic.twitter.com/l3WmseD8o5

2021-07-02 00:34:20
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kistenkasten723 @flute23432

結局、児童は、「ずつ」で表されている数とそうでない1つ分の数とに共通している、1つ分の概念に目を向けるように、導かれる。だから、日本の算数教育は、語句や単位の一致だけで機械的に処理する「パターンマッチ教育」にすぎないものではない。

2021-07-02 00:34:21
kistenkasten723 @flute23432

「答えが〇〇本なら「本」のついている数」は、単位のサンドイッチと呼ばれるもの。伝統的には、かけ算は同数累加で定義されてきた。4×5は、4g+4g+4g+4g+4gのような、同じ種類の同じ量のたし算を、短く表現したものである。 4g+4g+4g+4g+4g =4g×5 =20g

2021-07-02 00:34:21
kistenkasten723 @flute23432

同じ大きさの同じ重さを、繰り返し足すだけなので、そうしてできた和(積)も、同じ種類の量、この場合は重さ、になる。だから、乗号の前と等号の後では、単位は同じグラム(g)になるのである。

2021-07-02 00:34:21
kistenkasten723 @flute23432

単位に注目することは、数の意味に対する無頓着に対して、数の意味に注意を向けさせることにつながる。さらにはそれを通して、同数累加というたし算の定義を看取させる。ただ機械的に、答えと同じ単位が付く数字を、乗号の前に置くのではない。

2021-07-02 00:48:57
kistenkasten723 @flute23432

この場合も、単なる「単位のサンドイッチ」の機械的な適用ではなく、とくに最初は、それが同じ種類の同じ量の反復的なたし算であるので、かけ算をしても、元の数につく単位・助数詞が変わらない、という同数累加の意味を、思い起こす必要がある。

2021-07-02 00:48:58
kistenkasten723 @flute23432

意味は形を通して理解される。形を通さない、なまの意味、意味そのものを直接つかめると考えるのは、思い上がりである。

2021-07-02 00:48:58

認知学的な人間の思考法からの「順序強制」への批判

もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

@flute23432 さんと私で実は意見が合わないのはこの論点。同数グループ構造を見て取り、かけ算で全体の数が求められると判断したのならば、その時点でかけ算で計算していいはず。というよりほとんどの大人はかけ算に対してそういうメンタルモデルを持っている筈です。 twitter.com/flute23432/sta…

2021-07-04 06:40:40
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

@flute23432 かけ算導入指導時は確かに一つ分が何か?その一つ分がいくつ分か?というかという思考が必要ですが、 かけ算の文章題の数をこなせば、「これはかけ算で解くべき問題か否か?」や「どれとどれをかけ算すれば答えが出るか?」という因数×因数タイプで思考するようになるのが自然です。

2021-07-04 06:46:00
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

#超算数 かけ算の文章題の数をこなせば自然と因数×因数で考えるようになりますし、割り算の「等分除(とうぶんじょ)」と「包含除(ほうがんじょ)」も大人になれば意識しないようになります。 これは数学的な考え方というよりもメンタルモデル的な人間のモノを考える仕組みなので仕方がないです。

2021-07-04 06:49:50
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

#超算数 近年では認知科学者や人類学者の中に「人間が繁栄した理由は『何も考えずに他者を模倣する力』を持っていたからだ」という考えが広まっていると、ボストン大学の客員研究員であるコナー・ウッド氏が解説しています。 gigazine.net/news/20200216-…

2021-07-04 06:52:14
もなちゃんの英語道場 @monachansdojo

近年、多くの認知科学者や人類学者が人間が繁栄した理由を高い思考力によるものではないと指摘している。 これらの科学者は人間の高い知能による説明の代わりに、「他者の行動を注意深くコピーすることにより、困難な気候や生態学的な状況に対処してきた」と考えているとのこと。

2021-07-04 06:59:25